『バクマン。』 146 ページ 「本番と腹の虫」 (週刊少年ジャンプ 2011 年 40 号)

Chihuahua figurine, in Japanese formal wear #524
(お金も人も犬も──ご利用は計画的に)

今回の感想を書く範囲は、東と服部の打合せ風景です。

──むさ苦しい部屋で男 2 人が話し合うという、なんとも華がない場面だし、あまり動きも ありません。『SKET DANCE』や『銀魂』のような、「ダラダラとした会話ながら、ネタを仕込んでくる」──わけでもない。

それでも、「服部らしさ」が見られて面白かった!

服部は、無表情な外見からすると「冷たい男」に見られがちだけれど、芯は熱い。熱すぎて、周りの人間にも飛び火することが しばしばです。

「冷血人間」なサイコーや、相棒のシュージンも、何だかんだ言って服部の情熱に「動かされている」ところが多いんですよね。

そういう視点から『バクマン。』を読み返すと、また違った面白さが味わえるかも。

連載会議に回す 5 話分は

七峰の会社からネームが来ていないことは、打合せ前の電話で分かったはずです。それでも服部は、東の家に来た。

──つまり、最初から服部は、東と一緒にネームを作る気だったのでしょうね。服部からしてみれば、自分の考えを言うチャンスと思いながら、気合いを入れて足を運んだに違いない。

2 人でネームを作りたい

東は、集英社と SHINJITSU.CO の両方と契約している。この二重契約は、「ジャンプ」の規定違反には ならないのでしょうかね? 「○○先生の漫画が読めるのは週刊『少年ジャンプ』だけ !!」を守れば大丈夫──なのかな。

いずれにせよ、この両方の会社との板挟み状態が、東を苦しめていることは確実です。どちらの会社から嫌われても、とたんに生活が苦しくなる──。なんだかこの状況って、

ラブコメの主人公の、ような……。

僕としては 好都合です

上の冗談と合わせて考えると、服部が じりじりと寄っていく場面が、「違う意味」に見えてきます。ちょっと、恐い。

服部が話している内容は、ちょっと強迫まがいに聞こえます。面倒だからの流れは、完全に牙を剥いている。

──この強引さが、服部の本質なのかもしれませんね。


ただ完成原稿を 受け取り 入稿するだけでヒット作を担当できるなんて うらやましい! ──と思っていそうな編集者は、何人も いるよなぁ……。雄二郎と港浦は完全に当てはまる。

あれだけ燃えていた小杉も、いまは何をしているのでしょうかね? ただ描写がないだけで、何度も七峰に連絡を取って「二人三脚連載」を目指している──のなら見込みがあるけれど。

「ぱんちらファイト」は 捨てませんか?

情熱的な服部の「口説き」です。

女性に対しても この積極性があれば、かなり服部はモテそう。「一流企業」の社員だし、人気作を担当している。将来は有望です。

なにしろ、あの岩瀬をメロメロ(古語)にした男ですからね! その気になれば、リアル『To LOVEる』生活が送れるはず。問題は、「その気」になるのが いつの日なのか──。


服部が言うとおりに、「シンジツコーポレーション 原作・作画 東」で持ち込んだら、掲載されなかったのでしょうか。

その前に、「シンジツコーポレーションって誰や?(by. 板尾創路)」って話ですケド。

そもそも、編集者は原作者と打合せするのが普通なのに、東と服部を対面させているところに、いまさら違和感を覚えました。

もしも東を作画の担当者として使い続ける気であれば、原作者の誰かをテキトーに選んで、編集者と会わせていたはず。

──この点からも、東のことを思いやっておらず、使い捨てる気が最初から見え見えでしたね。なぜ気がつかなかった……。

東さんを利用している だけだ

SHINJITSU.CO と東との関係は、単純な「原作者と作画担当」では ありません。利用されていると感じつつも話を断われない自分自身を、情けないと思う東の気持ちも分かる。

とはいえ──、たいていの仕事は、お互いに利用し合う関係ばかりですよね。

マンガの原作者と作画の担当者も、利害関係が一致しているから組むことが多い。新妻エイジと岩瀬愛子も そうです。サイコーとシュージンのような「仲良くベッタリ」コンビのほうが、むしろ珍しいのでは?

服部も東も、「利用」という言葉を気にしすぎているように感じました。現時点では──。

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