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『バクマン。』 149 ページ 「持ち味と題材」 (週刊少年ジャンプ 2011 年 43 号)

Osechi - New Year dishes
(時代も中身も変わったけれど──伝統は変わらない)

大好きな人物なので、今回はカヤのことばかり書いています。カヤが言った一言で話が展開して、「高木香耶のポニーテールを愛でる会」会員としては、うれしい限りでした。

「シュージンは、マンガのことをもっとカヤに相談するべき」と以前から思っています。彼女の客観的な視点は、読者と一番 近い。亜城木夢叶は 2 人とも内に こもり勝ちなので、もっと外を見るべきでしょう。

カヤは、言葉の一つ一つが するどい。

簡潔で価値のある言葉を、カヤよりも多く生み出す人物は、新妻エイジしかいないのでは? カヤが近くにいると、何だかシュージンですら お子ちゃまに思えてくる。

クリスマスも お正月も 無し

以前にシュージンは、食事中にマンガを読まないよう、カヤから注意されていました。まるで守っていない。数十分の食事時間も取れないほど、追い詰められているんだったっけ……?

ご飯やお風呂の時間には、完全に仕事を忘れることで、気分がリフレッシュします。そうすると、仕事も はかどる。

シュージンは、子どものころに母親からスパルタ教育を受けていたので、自分を追い込む状況に慣れているのかもしれませんね。でも、ご飯の時くらいは、楽しく味わったほうが良いと思うぞ。


ここでカヤが怒っているのは、休みを 2 人きりで過ごせないこと──ではなく、シュージンの言い訳がましい態度でしょう。

カヤの場合も、両親の影響ですね。あの「寸分の狂いもなく竹を真っ二つに割ったような性格」の夫婦が今のシュージンを見たら、両方のほっぺたを一発ずつ叩きそう。

伏線探し

行儀が悪いと知りつつも、食事中のマンガ読みをカヤが止めないのは、何だかんだ言って「仕事をしている秋人さん」が大好きだからです。おアツいですね!

多くの女性と同じように、カヤも「自分のパートナには こうあって欲しい」という理想像を押しつける。お箸で 人差さないと注意をしたりして。

しかし、見ている限りでは、カヤにとっての「理想の人」に近いんですよね、シュージンは。「高木秋人そのもの」にカヤが不満を言う場面は、一度もなかったはずです。

いつでもダンナさまの近くにいられる環境も、彼女にとって居心地がいいでしょう。世の若い女性なら、もっと旅行に行きたがるのでは?

ふつふつと「スーパー銭湯」の湯ように わき上がる疑問は、「普段のカヤは、何をやっているのか?」です。ほかの登場人物と同じく、彼女も趣味らしい趣味が分からない。家事とテレビ鑑賞でしょうか。

あなたも 諦めない人 ですね

服部は、本当に情熱的な編集者ですね!

東にはマンガを書く気がないのに、何とかやる気を出させようと、服部は足しげく通っている。営業が専門のビジネスマンだって、こんなに熱心に顔は出さないでしょう。

服部が言うように、東には絵の力がある。読み切りと短期連載で人気を獲得できたのは、七峰の会社で作られた原作の良さもありますが、さらに作画で魅力を引き出していたからでしょう。

こんなに実力のある作家を見捨てるなんて愚かです!

一方、小杉は中年を切り捨てようとしていた。

またそんな 褒め方を

服部の誉め言葉を「おだて」と受け取った東は、原稿の方が 悪いんじゃ 話になりませんよ──と軽く返している。これは、自分の描いた原稿に自信がある証拠です。

「ジャンプ」にも「昔の名作をマンガ化した本」の広告が よく載っていますが──、半分以上は読む気が起こりません。その手の仕事を引き受ける作家が、第一線で大活躍中かというと、「……」ですからね。

『ぱんちらファイト』は、久しぶりに東が手がけた作品です。そのわりには、作品を見る目がある服部も絶賛する作画になっている。

普段から東は、作画の腕を磨いていたに違いない!

しかし──、こんなに作画力があるマンガ家を放っておいた編集者たちも問題だけれど、東も「作画の担当者として持ち込み」は しなかったのでしょうか? 不本意でも、生活していけるくらいは収入が得られたはず。


いまだかつて、服部の説得を断わった人間はいません。

彼の「直向きで戦略的な説得術」は、ベストセラーの新書になれるくらいのノウハウが詰まっている。服部なら、営業職でも成功できるでしょうね。

一方の東は、完全に「職人さん」といった感じです。自分を売り込む技術はないし、そもそも自分に自信がない。最初はチグハグに思えた この 2 人は、いいコンビになりましたね。

読みきり用に 直した ネームです

──で、東のような中年作家を毛嫌いしていた小杉(しつこい!)ですが、マンガの実力を見抜く目は持っているのに、言葉に説得力がありません。歯切れが悪いし、いちいち気に障る言い方です。

小杉は、服部に説得方法を習うべき!


七峰が言うとおり、『1000 億と美少女』の読みきりは、これ以上はないネームだと読者には思える。これまでの場面では、どこにも不安な要素が見当たりません。

さて、この「勝利フラグ」を作者は どう折るのか。

後半に出てきた その答えが見事でした!

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