『バクマン。』 149 ページ 「持ち味と題材」 (週刊少年ジャンプ 2011 年 43 号)

いかにも
(過ぎ去った年を振り返らず──上を目指す)

高浜昇陽は、今日も傍聴席にいました。

『バクマン。』に出てくる人物の中で、高浜ただ一人が取材をしています。ほかの作家は、すべて自分の人生経験の中から作品を生み出している。

作家が取材をする姿は、一般には知られていません。

世の中に「作家取材した本」は多くても、「作家取材した本」は見当たらない。なぜなら、その「取材のノウハウ」を本にする時間で、作品が書けるからです。

新聞記者が取材する方法を紹介した本といえば、『日本語の作文技術』を思い出しました。といっても、取材そのものに関しては、わずかに一章くらいしか書かれていない。

『日本語の作文技術』 本多勝一 - 本書を薦めにくい理由とは | 亜細亜ノ蛾

取材の方法なんて書くモノに応じて変わってくるし、ノウハウ化する意味は薄いのかもしれませんね。

2 人で更に良いものに

この時点では、『1000 億と美少女』の問題点を、小杉も明確には読み取れていません。いや、あとから分かるように、「マンガ」のネームとしては素晴らしい出来だったのでしょうね。

さらには、「七峰と協力し合って作品を作りたい」という意識が強すぎて、重箱の隅をつつくような視点で小杉はネームを読んでいそうです。もっと基本に戻って読み直せば、根本的な問題を指摘できたかもしれません。

それでも、七峰は聞く耳を持たなかったと思うけれど。

この読み切りは 1 位を獲る!

ここで出した条件からも、七峰の絶対的な自信が見えてきます。読み切りで 3 位以内に入ることは当然のこととして、完全に上から物を言っている。

ただ、条件を出せば出すほど──、読者から見ると「敗北フラグ」にしか思えません。

たとえば自分は、今後も読む続けるかどうかを第 1 話で判断します。初回が今ひとつだったら、次回からは手を出さない。その大事な 1 話目の条件を緩めるなんて、油断しすぎです。

(「第 1 話で捨てたシリーズ」に『ONE PIECE』が入っていたり、初回に手応えを感じたのに失速が速かったりして、マンガ読みとしての自分の目も曇っているけれど)

ギリギリ一桁の 順位になったって

このページは地味だけれど味わい深かった!

まず、『+NATURAL』の順位が上がりだしたのは、スランプだった岩瀬愛子を「福田組」の組員たちが励ましたからです。98 割は、シュージンの激励が岩瀬に届いただけですケド。

バクマン。 #140-4 「限界と火の鳥」 虚勢と大歓迎 | 亜細亜ノ蛾

──そのことは、港浦もエイジも知りません。勘が良すぎるエイジなら、なんとなく「彼女に声をかけた者がいる」くらいは把握しているはずだし、その人物がシュージンと推測するまでは一瞬でしょう。

でも、港浦は何も考えていない。

この場面でも、調子よく騒いでいるだけです。港浦が、編集者としての「仕事」をしている場面なんて、最近は見たことがないなぁ……。原稿を運ぶだけなら、バイク便に頼んだほうが早い。


エイジの態度にビックリしました!

あの新妻エイジが、どんなに頑張っても 5 位くらいですかねと冷めた意見を言うなんて……。他人が書いた原作とはいえ、自分の作品に対する愛を感じない言葉に聞こえました。

岩瀬の原作を初めて読んだ時の、あの興奮したエイジの表情が忘れられません(ついでに、あくどい服部の表情も)。あんなに心の底から楽しそうなエイジは、もう見られないのか……。

バクマン。 #70-3 「三度目と 2 本目」 起爆剤とヒヨコ | 亜細亜ノ蛾

そもそも、こんなに やる気のない表情のエイジが珍しいですね。港浦には、他人の意欲を奪う能力が備わっているに違いない……!


そんな「新妻師匠」の様子は、福田真太には想像できないでしょうね。今のふ抜けたエイジを見たら、福田真太は殴りかかるかもしれない。

いや──、それ以前に、エイジよりも上の順位にいる状況は、福田にとっては嬉しさ以上に寂しさを味わっていそうです。早くオリジナルの作品をエイジに描いて欲しいはず。

PCP メンバーもカッコイイ!

「うわ……私のカレシ、メール短すぎ?」な亜豆が可愛らしい! 顔文字みたいな表情をしています。

このコマを見た段階では、亜豆美保の登場シーンは これだけだと思っていました。これでヒロイン……だと……!? いくらなんでも、サイコーは愛想を尽かされるのでは──とニヤニヤ心配になりました。


シュージンのポーズは、まるで下のアスキー・アートみたいです。作者も意識して描いているのでしょうかね?

■ほほうそれで AA(アスキーアート)

自信に満ちたシュージンですが、肝心の「完全犯罪」自体は考えていません。そう言えば、「シグマ」の正体も明かされていませんね。『バクマン。』の読者には公開していないだけで、作中では描かれたのかな。

断片的にしか『PCP』の情報が分からないから、「風呂敷を広げるだけ広げて畳めない作品」かと思ってしまう……。

その手の作品の代表に思えた『HUNTER×HUNTER』も無事に一段落ついたので、『PCP』も大丈夫でしょう。たぶん。

HUNTER×HUNTER #318 「遺言」 すべては照らせなかった光 | 亜細亜ノ蛾

大晦日に すみません

服部は、仕事熱心というよりは、マンガが好きで仕方がないのでしょう。編集者とマンガ家には、その気持ちが一番大事です。

ただ、ちょっと服部の感想が冷静すぎる……。

おもしろい作品に出会った時は、なるほどなんて言葉が最初に出てくるはずもない。服部の言葉からは、「説明的な回」のように感じました。これで七峰に勝てるのか……?


短いメールの連続から、真城くん 頑張ってるんだと読み取れる亜豆に、ホッと一安心しました。普通のカップルだったら、まっ先に浮気を疑うでしょう。

「周波数がピッタリ合っている」サイコーと亜豆だからこそ成り立つ信頼関係ですね。恋人や夫婦は、お互いに信頼して尊敬し合うことが当然です。

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