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『HUNTER×HUNTER(ハンター×ハンター)』 No.1 「出発の日」

The Simple Things...
(じっくりと味わいたい──物語も肉も)

ようやくハンター試験の会場に着いた! ──とは信じられない場所が描かれます。

そこで登場する「弱火で じっくり火を通したステーキ 定食」なんて、間違って注文する人がいるのでは? 昼食を食べに来たはずが、いつのまにかハンターになっていた──という幸運な者がいるかもしれない。

この疑問に対しては、下の文章を引用します。

肉を一番まずく食べるのは弱火でとろとろ焼くことである。焼き肉は強火で、ぐわっと、焼かなければ美味しくない。

つまりは、まともな舌を持った人であれば、弱火で焼いたステーキなど頼まない。さすが、練りに練られた作品ですね!(たぶん何となく考えたと思う)

No.005 「第 1 次試験開始 1」

それでも ただの定食屋に 400 人以上も来て、奥の部屋から誰も出てこないのでは、怪しむ人がいそうです。「もしかして あの店で食える『ステーキの肉』は……!」と思う人もいたりして(それなんて『ヒッチコック劇場』?)。

ただ、これだけ広い(というか長い)空間の地下道だから、別の場所からも入れるのでしょう。凶狸狐(キリコ)が案内したのはゴンたちだけのようだし、いくつものルートがあるに違いない。


ハンターという仕事に対するレオリオとクラピカの考え方は、1,800 度くらい方向が違っている。

とくにクラピカは、誇りある気高い仕事としてハンターのことを語っています。これが あとのほうで効いてくる。伏線とまでは行かないけれど、厚みのある「生きた言葉」としての意味を含んでいます。

これまで真面目くさった発言の目立つクラピカでしたが、この場面ではコミカルな印象を受けました。だんだんと 3 人組に なじんでいる。──というよりも、レオリオに影響されている感じがしますね。

そんな 2 人に圧倒されつつも、マイペースにステーキ肉をほおばるゴンが可愛らしい!

そう、ヒロインが不在の『H×H』では、こうやってゴンやクラピカが「かわいい担当」として がんばるしかありません!(「そもそもクラピカは男性なのか?」問題も未解決だし)

ミト:
「……………………(チラッチラッ」

これだけ多くのハンター志望者が描かれていても、一目で「ダメそう」な人物が分かる。これは、あとの展開を知っているから──でもないと思う。ひとことで言えば「画力の高さ」ですね。

これから初めて『H×H』を読む人に、誰が合格するか賭けてもらうと面白そう!

「何を賭けるの? お金?」「目か………… 耳だ…………!(ざわ・・・」(『賭博黙示録カイジ (9)』)


奇術師のヒソカは、主役たちよりも大好きな人物です!

ただ、第 1 巻の時点では そこまで印象が強くなかった。それに この作品にしては珍しく、まだ顔が固まっていません。彼の魅力が引き出されるには、まだまだ先の展開を待つ必要があります。

トンパの差しだしたジュースの異変にゴンは気がついたけれど、レオリオやクラピカは自分の舌で分かったのだろうか。おそらく、ゴンを信じたのでしょう。すでに離れがたいトリオになっています。

ところで、トンパにジュースを渡されていたら、知らずにヒソカは飲んでしまったのでは? まさかの試験前に退場するヒソカが見られたかもしれない。──そんな姿は見たくないけれど。

No.006 「第 1 次試験開始 2」

外見からして全力で忍んでいない忍者・ハンゾーは、いかにも「冨樫キャラ」といった感じですね! 「ハンター試験編」では、一番好きな人物だったかもしれない。いいキャラです。

ようやく登場した もう 1 人の主役級・キルアは、もう 0.01 ミリ秒で「生意気なガキ」だと分かる。シンプルな服装ながらも、よく見ると靴のデザインが変わっています。スニーカなのかブーツなのか分からない。

訓練してる からという理由で毒じゃ 死なないキルアの体質は、百万歩ゆずって納得できます。ゲームでは よくある設定だし、「炎の攻撃を受けると体力が回復する」よりは あり得る。

しかし だからといって、下剤まで効果がないのは どういう仕組みだろう?

読者の大半が「そっか」と見すごす問題を、自分は(恋愛と同様に?)相当しつこく引きずっていて、遠い将来の展開でも取り上げました。

HUNTER×HUNTER #311 「期限」 貧すれば毒する | 亜細亜ノ蛾


怪しさバツグンのサトツは、単純な試験官ではなくて、絶対に何か たくらんでいる! そんなことを考えながら読みました。

それとは別に、第 2 次試験などの展開を見て思ったことがあります。この段階で「試験官を名乗って だます作戦」を誰かが仕組んだら、ほとんどの受験生は見破れないはず。

ハンター資格の貴重さを考えれば、もっと巧妙な作戦を実行しようとする者がいても不思議ではありません。でも、試験官ではない人間が受験生を試すなんて、ハンター協会は許さないかも。


目的地までの距離も分からない状態で何時間も走り続けるなんて、想像しただけでヘンな汗が出てくる。レオリオのように心が折れかけて当然です。よく立ち直ったよなー。

この回で一番の衝撃は、レオリオが 10 代という事実でした。この風格は凡人の器ではない。

No.007 「それぞれの理由」

どのような試験が行なわれるか分からない新人でありながら、ちょっとしたパーティへでも行くような衣装で来るニコルは、完全にハンター試験をナメている。それでも、60km 以上も走れたなんて、大したモノだと思う。

ニコニコ生放送」あたりの企画として、「第 1 回チキチキ タキシード姿で 100km 走りまショー!」を試してみては?(確実にケガ人が出るな)

アモリ 3 兄弟のように、金をもらってルーキーいびりをすることは理解できる。しかし、金を払っているトンパの考えが、この段階では分からなかった。

大いなる陰謀の影が……!?


絵で見るだけでも威圧感が すさまじい上りの階段です。現場にいたら、絶対にリタイヤしたくなる。

40-50km 位でヘバっていたわりには、レオリオは元気いっぱいですね。いわゆる「ランナーズ・ハイ」でエンドルフィンが出まくっているのかも。

この場面のクラピカはレオリオに接近しすぎですよね。体ではなく心が──。レオリオが体力的に弱っているところに付け込んで、積極的に心を開かせている。イヤらしいやっちゃでェ……。

──みたいな内容の同人誌を見たことがあります。ぼくは そんなこと かんがえていないけどね!(棒) でも、クラピカは恋する乙女のような瞳をしているよなぁ。

やり手のセールスマンのように巧みな、クラピカの会話術に耳を傾けてみましょう。

クラピカは、いきなりレオリオの欠点を挙げている。誰でも悪口を言われたら腹が立ちます。しかし、直後に持ち上げて良い気分にさせる。そうかと思えば、自分の心に秘めた悲しみを打ち明けて同情を誘う──。

ここまで やられたら、そりゃ、頑固なレオリオの心もフィーバー状態で大開放すよ!

この手口──いや、話法は使えますね。仕事に・恋に・グ■ーなどの健全なサイト(棒)での出会いに、みんなも活用しようぜ!


先頭を走れるほどゴンには脚力と体力があったけれど、さすがに息切れしています。それに対してキルアは汗 1 つかいていません。子どもにしては実力がありすぎる。

幽☆遊☆白書』の飛影は、クールで格好いい人物として知られています。ところが、初登場のころは性格が違っていました。雑魚まる出しです。単行本を読み返すごとに、前半部分は痛々しい。

余裕たっぷりのキルアも、ちょっとだけ初期・飛影のニオイがする。そのうち冷静な性格に変わっていくのでは?

ところが、地獄のミサワ的な「ドヤッ」感を全開にしつつも、このままキルアは良いキャラに育っていきます。いや、現時点でキルアは ほぼ完成している。これも すごいことだよなー。

地獄のキルア


うれしがってジンのことを話すカイトを見て、ゴンは父と同じハンターの道を目指したらしい。いいエピソードですよね。キルアの聞き方も子どもらしくて良い。もう友だち同士です。

同時に、ゴンの父親であるジンは、かなり偉大な人物だと分かりました。下の記事では皮肉(にもならない寝言)を書きましたが、ゴンは単純に父親の強さを引き継いだだけではなく、自分の力で道を切り開こうとしている。

ジャンプキャラは親の七光り | 亜細亜ノ蛾


冨樫先生が描いたセーラームーンは、超貴重な逸品でしょう!

──じつは、あとあと「コミックスの おまけページ」自体が宝物になっていくけれど……。

武内直子先生に色原稿 手伝ってもらいましたなんて、お二人は仲が良いのですね。ヒューヒュー! もう付き合っちゃえよ! ──などと当時は思ったものです。アレにはビックリしたよなぁ……。

冨樫義博 - Wikipedia

No.008 「もうひとつの敵」

第 1 次の試験は過酷だったけれど、命を落とすほどではなかった。第 2 次試験は もっと危険らしい。

ゴール直前でシャッタを閉められた受験者は、どんな気持ちで帰って行ったのだろう……。絶望しきって あの世へ旅だったかも。

息を切らしていない人物は、サトツのほかにはキルアとヒソカくらいです。この状態が そのまま彼らの実力を示すのかどうか、まだ分かりません。

たとえば「体力がない一流ハンター」は存在しうるのか? ──これは現在(2012 年)連載中の内容と、すこしだけ関わってきたりする。


湿原に潜む動物たちは、ものすごく効率が悪い食事の取り方をしています。エサに ありつけず餓死する動物も多そう。たとえばホラガラスなんて、完全に言葉が分かる人間しかワナに導けない。

「人面猿」はヌメーレ湿原の動物で間違いないけれど、「本当の 試験官」を名乗る人物は何者なのだろう? どう見ても人間ですよね。キリコのように化けているのだろうか。

いずれにせよ動物の頭蓋骨を、トランプのカードで貫けるわけがない。この当然の疑問にも、「マンガだから」だけではない説明が付けられるなんて思わなかった。

──ネタバレだけれど、「サトツに口はあるのか?」という難問も、いずれ解かれます。お楽しみに!


お笑い担当のレオリオとハンゾーが だまされかけたおかげで、同じページ内に「敗者の末路」が転がっているのに、クスッと笑ってしまう。

緊張と緩和の見せ方が素晴らしい!

危険なヒソカのニオイを察したキルアと、素直に聞き入れて仲間に報告するゴンとの温度差も絶妙です。緊張感のない吹き出しがキルアの頭に乗っているところも、マンガならではの表現で笑いました。

さて、(目がキリコにしか見えない)ヒソカによる「試験官 ごっこ」とは何なのか──。

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