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HUNTER×HUNTER No.333 「鳴動」 (週刊少年ジャンプ 2012 年 09 号)

Have a Heart Desaturated Free Creative Commons手から生まれる──かけがえのない奇跡

パリストンが副会長になったのは、わずか 3 年前でした。意外と最近だけれど、ネテロが「十二支ん」を集めたのは、もっと前だと思うんですよね。かなり以前から「十二支ん」同士の交流も あったように見えます。

とくにジンとチードルとは「10 年来の仲」といった感じで、以前に けしからん妄想までしてしまいました。──どんな女性とでもジンは、「夫婦ゲンカ」みたいな口調になりそうですけどね。

HUNTER×HUNTER #331 「X 日」 この世は閉じられている | 亜細亜ノ蛾

幻影旅団のように欠員が出たところを、パリストンで埋めたのかもしれません。あるいは、「十二支ん」自体は以前から結成していて、いなくなったのは副会長なのかな。

その場合は おそらく、「たまたま」メンバが行方不明になったり、「偶然にも」亡くなったりしたのだろうなぁ……。

ネズミとイヌとウシ

なぜ、パリストンはミザイストムを推薦したのか。

おそらくチードルの読みどおり、ミザイストムやチードルに票が流れるように操作したのでしょう。あの天地が ひっくり返るような発言を、さらには神経に触る言い方で演説されて、それでも票の動きを計算できた彼女は すごい。

ただ、チードルの予想はそこで終わってしまっている。結論が もう一回先に延びただけだと考えているけれど、いかに致命的な問題であるか気づいていません。

結果だけを見れば、チードルとミザイストムの両者がレオリオを推薦するべきでしたね。そうすれば 2 人の票がレオリオに流れて、投票率は 50% を超えました。

──どうして会議場へ来る前に、反パリストン派で意思を統一しておかなかったのだろう……。

前回で「マジでオレ チードル respect する yo!」とか言っていたミザイくんが、なんだかマヌケに思えます(そんなことは言ってないけど、彼の見た目はヒップホップ系ですよね)。

口約と公約

よくいる政治家の印象と言えば、「選挙の時には大きな公約を掲げておきながら、当選したら何もしない」でしょう。創作の世界で描いても、定着しすぎて風刺にならない。

レオリオは まったく逆です。

最初は右も左も分からないながらも、チードルたちのサポートを受けながら、レオリオは だんだんと会長らしくなっていく。行く末は、ハンター協会の歴史を塗り替えるほどの偉業を成し遂げるかもしれませんね。

でも、それじゃダメなんだ。

ある意味では何色にも染まっていない理想的な会長になれるけれど、それは「将来のレオリオ」でしかない。彼の成長をじっくりと見守ってくれるのは、現時点ではチードルとジンくらいです。ほかの「十二支ん」すら あやしい。

レオリオのことをよく知るハンターたちの票は今でも取れるけれど、あまりにも人数が すくなすぎる。この選挙でしか彼を知らない多くのハンターたちは、明確な公約の有無で判断するでしょう。

そして、聞こえだけは立派な公約をひねり出すなんて、パリストンには造作もないことです。

弱味が旨味

選挙におけるレオリオの弱み──公約が私的な感情でしかないことなんて、ほかのハンターも冷静になれば気がついたはず。ゴンが治ったあとのレオリオは、会長として どう動くつもりなのか、確実な像が見えない。

いつも他人の嫌がる点を的確に突いてきたパリストンは、なぜ最後の最後になってから ようやくレオリオに質問したのだろう?

レオリオと 2 人になるまで、パリストンは わざと黙っていた可能性がある。チードルやミザイストムが残っている段階で動くと、彼らに票を操作されるからです。──最後から 2 ページ目の描写的に微妙だけれど。

レオリオ 1 人では とてもパリストンの知略に勝てない。それ以前に、レオリオは知識も経験も なさすぎる。根が素直だから、ヘタをすればパリストンを「良い会長」として認めるかもしれません。

一方でパリストンは、アルカの件がなくても・あるいは知らなくても、「ゴンを治す念能力者に心当たりがある」とか何とかレオリオに耳打ちすればいい。それらしいハンターは取り巻きのなかにいるでしょう。

雄弁な無言

ジンが驚いた表情をしているのは、ゴンの容体に変化があったことを悟ったからでしょうか。キルアとアルカのことは知らないはずですが、前後の状況から推測できる。

また、ジンの表情からパリストンが何を読み取ったのかが、非常に気になりました。レオリオの「私有化」を責める判断したのは、ジンを見た直後に見えるからです。

もうすこし くわしく書くと──、下に並べた材料が そろっていたら、パリストンであれば すぐに状況が分かるはずでしょう。「病院で何かを建設していた」という情報も入っている可能性があります。

  • 近くに重傷の患者がいる
  • 除念師も手に負えなかった
  • 今までにない大きな念を感じる

ネテロですら脱出不可能なワナにはめた知将が、わざわざ「ジンの表情から判断した」ように見える点が引っかかりました。その描写が必要だったのか疑問です。

熱っぽい人形師

不気味に高笑いするイルミは、目の前で見たら逃げ出したくなるでしょうね。しかし、野心に燃える彼の姿を見ると、だんだんと人間らしくなってきたな──と感じました。

キルアのことを「熱を持たない闇人形」とイルミは表現していたけれど、それは自分自身のことだと認識していたのでは? 祖父や父親から そうやって熱心に「教育」されたのでしょう。

ヒソカとイルミが話している時も、まるで友だち同士みたいでした。話の内容は殺伐としてして毒々しいけれど、ゲームやプログラミングの話だと思えば、ファスト・フード店で普通に交わされる会話です。

案外、イルミがナニカを使った邪悪な野心とは、「病気の子どもたちを治して みんなと友だちになる大☆作☆戦」だったりして(しない)。

まるで枯れ木のような

ミイラのようなゴンの手にはゾッとしました。全身の筋肉や皮膚が衰えているのでしょう。すべての力と念を絞り尽くすことは、こんなにも大きな代償が必要だったのか……。

ここまで ひどい状態だとは、今まで医者と除念師のほかには知らなかったでしょうね。はっきりとゴンの全身を見てしまったら、レオリオたちも声をかけ続けられたかどうか分からない。

それでもゴンは生きている。

キルアが あきらめなかったおかげで、ゴンの体が全快する道が見えてきました。タイミングが良ければジンに会える可能性も高い。

ただし、ナニカの今後・元 NGL の件・ジャイロの行方・ノヴの髪の毛・ゴレイヌ先輩の ぶらり 1 人旅(3 人?)──などなど、まだまだ描いて欲しい話が山積みです! 一月に一度でもいいから、続けて欲しい!

おわりに

読者の(オレの)予想をはるかに上回るオモシロ展開が、毎週のように描かれています。そして そのたびに、「どうしてこんな単純なことに気づかなかったのか」と思い知らされる。前回の読みもさんざんな結果でした。

HUNTER×HUNTER #332 「喝采」 当選よりも尊い友だち | 亜細亜ノ蛾

このところ「レオリオが参戦なんてギャグだよな()笑」→「会長は彼しかない!(キリリッ」→「パラディナイトさんノープランすぎワロタ」と目まぐるしく彼に対する評価が変わっています。来週も同じことが起こるでしょうね。

たぶんパリストンは、ゴンの容体を正確には つかんでいないと思う。そこで「ゴンくん 1 人のために協会を動かせると本気で思っているんですか!?」とか「治ったら どうするんですか?」とレオリオを責め立てると見ました。

うるさく責め立てるネズミに対して、「協会なんかより友だちの命のほうが よっぽど大事だ!」といったことを主張し、感動した多くのハンターから票を集める──という展開になりそう。

ところで、もしもゴンの状態をパリストンが正確に把握できているとすれば、ゾルディック家との つながりが見えてきます。さらにはキメラアントのマユとイルミの野心までもがリンクして、おもしろ恐ろしくなりそう!

もしかしたら(パリストンの部下が回収したと思われる)メルエムの遺体から、死すらナニカは「治して」しまうのでは──。

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