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『SKET DANCE(スケット・ダンス)』 第 22 巻 「フィギュア・ドール・ペインティング!」

Korejanai Robo / コレジャナイロボ見てくれじゃない──ロボットも人間も

アニメ調の表紙が鮮やかな第 22 巻です!

よく見ると、ちゃんと表紙と内容がシンクロしている。例外は吉備津百香(モモカ)で、スイッチ愛しさに特別出演したのでしょうか。だったら早乙女浪漫(ロマン)も描いて欲しかった……。

美麗な「ダンテ」こと伊達聖士が中で待っていて、ドキッとしました。黙っていれば美形で格好いいのに、本編で惚れていた人物は──。てっきり彼もアッチの世界へ旅立つかと思いきや、そこは踏みとどまりましたね。

第 22 巻の前半は、軽くジャブ代わりに番外編から入り、あとは濃い話ばかりです! やっていることは いつもの「部室でダラダラ話す回」なのですが、新境地を開こうとしている。

では、長々と語っていきましょうか──。

第 190 話 「ROBOT DANCE」

「ロボット・ダンス」というタイトルは、意外と初めてだした。あまりにもベタだから避けていたのでしょう。でも、イマドキのワカモノたちに、この言葉は通じるのだろうか……。

J ソン先生は、迫力がある容姿の割に影が薄いから、今回の配役はピッタリでした。背景に溶け込むようにポツンと突っ立ている姿は、山のように雄大だけれど──まったくの無害です。冒頭で壊した建物も、自分で直していそう。

本当は気のいい人なのに、まわりが勝手に勘違いしてホラーと化す──。そんな J ソン先生を主題にしたかのような映画が作られました。残念なことに、海外だけで公開されるようです。日本でも観てみたい!

心優しい田舎者、タッカーとデールが殺人鬼と勘違いされちゃうホラー映画「Tucker & Dale vs. Evil」予告編映像


なんと言っても、シャー専用 ボスが最高でした! この巻の人物紹介ページで、「藤崎佑助: ボッスン」の欄がロボだったのはズルい! 絶対ワロてまうわー。

シャーボスの生い立ちから考えると お手伝いロボっぽいけれど、絶対に役に立たないよなぁ……。逆に家事を 8 倍くらい増やしてくれそう。

KIRI・スライス・チーズは、せっかく格好いい登場シーンだったのに、まったくアクションがなく終わる 本編でもローラ・ブレードが似合いそうなキリですが、彼の場合は走ったほうが速いかな。

ヤバえもんは、ビジュアル的に いろいろとヤバかった……。不思議なことに、「ヤバす!」というセリフが最後まで ないんですよね。スイッチが彼女に強気な点も謎でした。そんな力関係は本編で描かれていないはずだけれど……?

スイッチが正義の科学者として登場した時点で、もうグダグダな展開逆転オチまで見えてしまう。それでも笑えるよなー。ギャグの基本は「繰り返し(天丼)」と「ベタ」ですね!

第 191 話 「いたいけな果実」

「チェリー」こと佐倉実は、衝撃の新キャラでした! 『スケット・ダンス』の世界観を引っ切り返しそうな性格ですが、それほど違和感は ありません。なぜなら──。

「修学旅行編」(ごくり……)を引き合いに出すまでもなく、この作品にはエロティックな部分が多い。直接的には性的な描写は すくないけれど、ところどころにドキドキが仕込まれている。ある意味では『銀魂』と逆だと感じました。

あじもす氏(誰?)も絶賛! 「修学旅行編」: 『SKET DANCE(スケット・ダンス)』 第 15 巻 感想・2 | 亜細亜ノ蛾


チェリーの想像した森下小麻が素晴らしい! ちょっと上から目線で見くだしたようにも、あるいは嫌がっているようにも見える。眉をひそめた表情は、なんともインモラルで良かった!

コマの魅力は、かわいらしい顔と おとなしい性格と──それらとは不釣り合いな体形のバランスです。はっきり言ってしまえば──、

バクマン。』のヒロイン・亜豆美保の同人誌みたい

チェリーがコマ砲を受けて、話としてはオチています。しかし、コマにとっては本当にショックだったでしょうね。こんなにもハッキリと「男子から どう見られているか」を他人から告げられたことは、初めてなのでは?

ことあるごとに指摘してきましたが、開盟高校には性犯罪や性犯罪まがいの行為が横行しています

この作品が「えっちなラブコメ」だったら(某・都知事以外は)見逃せるけれど、『SKET DANCE』ではリアルに描いてしまう。「問題を問題として見せている」から、読者としても真剣に考えたくなる。

それだけに、チェリーとコマとの(一方通行な)会話が、「お色気ギャグ」ではなく「セクシャル・ハラスメント」にしか見えなかった。いつか この 2 人が仲良くしている場面を、その理由込みで描いて欲しいです。

──まぁ、それを言い出したら、「シリアスな回で負傷するシーンを描いたら、ギャグ回でも同じようにケガをするべきだ」という主張が成り立ってしまう。『銀魂』も含めて商売あがったりだ!


早乙女浪漫の出番が個人的に うれしかった! 解説キャラとしてでも良いので、もっと登場の回数が増えたら良いな。

ロマンとチェリーが仲良しになれそうなところも注目しました。『スケダン』の枠組みを打ち壊す 2 人なので、コンビとして相性が良いからでしょうか。

普段は作品自体に下ネタが すくないけれど、高校生だから日常会話で性的な話が出ることも多いでしょう。とくにマンガを描くロマンだったら、B と L が合わさったジャンルにも詳しいかも。エロ話にも抵抗がなさそうです。

ボッスンという「王子」とロマンが結ばれる道は、すでに閉ざされました。「ゲス界のプリンス」とロマンが仲良くなってくれると良いですね。──どちらも恋人なしで幸せそうだけれど。

第 192 話 「フィギュア・ドール・ペインティング!」

序盤で大泣きするヒメコが かわいかった! 「鬼姫」が泣いて頼むなんて……。いくらスイッチのフィギュア愛が深いからと言って、怒るとそんなに恐いのかな。

この場にモモカがいたら、さらに面白い展開になった。

「姉さんを泣かせたヤツはアタシが許さないよ!」とか何とか、昔のスケ番時代に戻って怒鳴りそうだけれど、その相手がスイッチだと知ったら──。彼女は どんな顔をするでしょうね。


ヒメコは興味が持てなかったけれど、最近ではフィギュアが好きな女性が増えているようです。

あまりガッチガチな「美少女フィギュア」好きは少数派かもしれませんが、デフォルメされたキャラクタのフィギュアを「かわいー!」と手に取る女性がいる。

ただ、女の子なら誰もが持っていそうな「お人形」と、その延長線上にある「ドール」は、どちらもリアル寄りなんですよね。女性のほうが現実的だからでしょうか。

「美少女フィギュア」が女性にウケないのは、その男性視点からのデフォルメ具合が、生理的に受け付けられないからかも。

──といった考察は本編には出てこない。


いいよ \(^o^)/」という なぜか優しい対応が、この前後編では連呼されました。これは素晴らしい! こういう「恥ずかしいけれど善い行ない」は、ガンガン流行って欲しいです。

たとえば海外の映画やドラマでは、ビックリするくらい「ありがとう」という言葉が出てきません。日本でも同じでしょうか。

感謝の言葉は出し惜しみする必要はありませんよ! 「スイマセン」が口癖の人は、「ありがとう」に換えましょう。

第 193 話 「フィギュア・ドール・モデリング」

扉のカラー・イラストがバツグンに良いですね! 内容とは関係のない絵のようでいて、「男の世界に入れないヒメコ」という点では共通している。すこし寂しそうだけれど、「ガキを見守るオカンの心境」だったりして。

そして古典的な水彩画が、逆に新鮮な印象でした。少年マンガのカラーと言えば、一昔前からコピックを多用する あっさりした塗り方が多いからです。

週刊連載だと非常に時間が限られている。だから手軽なコピックがマンガ家に愛されてきました。ただ、透明水彩・透明インク系の宿命として、「失敗したら終わり」という致命的な問題がコピックにも残っていて、作家には重圧となる。

デジタル・イラストの世界では、水彩風・油彩風に見せるテクニックが定番化しています。手軽に色味や形を変えられるし、やり直しも自由にできる。これから原稿のデジタル化が押し進むでしょう。

そもそも印刷の表現力に限界があるため、けっきょく雑誌やコミックスになれば、原画の持ち味は損なわれる。そう考えると、効率的で便利なデジタル原稿のほうが利点の数で上回ります。

すでに「週刊少年ジャンプ」もデジタル化されている。

Adobe - ADOBE DESIGN MAGAZINE

絵の具を理由する需要は、プロの現場よりも、趣味で利用する人のほうが多くなるかもしれませんね。かなり ぜいたくな趣味になるでしょう。

──そんな世界は味気ない? レオナルド・ダ・ヴィンチの『モナ・リザ』に歴史的な価値があったり、『SKET DANCE』が面白かったりする理由は、画材には ありませんよ。


上で語ったことは絵の世界── 2 次元の世界の話であって、現実と虚構の間にある「2.5 次元」的なフィギュア界には通用しません。手にとって愛でられるフィギュアの魅力は、永久に なくならないでしょう。

ボッスンは、追い詰められて仕方なくフィギュアに手を出したけれど、彼は「原型師」と呼ばれる制作者として絶対に成功できます。今回の話を見れば分かりますよね。以前に出てきた探偵職よりも向いていると思う。

ちょっと粘土をなでただけで形になっていく場面は楽しかった! こんなに短期間で形作れるなら、なんで 1 週間も かかったんだろう? 細部まで こだわったからかな。

ボッスンの器用すぎる指さばき以外は、一時期はガレージ・キットにハマっていた自分から見ても、かなり本格的でディープな内容を正確に描いている回でした。

とくに、初心者には 10 年早い技法──サフレス塗装に関して、シアノンアルテコ・レジン片なんて単語を持ち出すなんてマニアックすぎる! 作者の あとがきによると、本などの知識だけらしい。とても信じられないくらいの情報量でした。


そう言えば『こち亀』で、スケット団ならぬ「スケベット団」の景品が出てきて面白かったなー。あの作品で久しぶりに大笑いしました(エロコて!)。あの世界には ぬいぐるみだけではなく、フィギュアも存在するでしょうね。

今 話題のスケベット団!!(WJ46号ネタばれ含む)|百万回でも愛を叫ぶ

われわれが住む愛しくも遅れた世界では、『スケット・ダンス』のフィギュアが ほとんどありません! なんという皮肉でしょうか! 立体にして映える人物が すくないからでしょうね。

篠原健太さんの師匠・空知英秋の描く『銀魂』は、その点も考えてマスコット・キャラや造形映えするキャラが多い。さすが だよなぁ……。

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