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『HUNTER×HUNTER(ハンター×ハンター)』 No.8 「オークション開催 !!」

かぶとむし 便利に使われるだけではなく──時には戦う!

「この表紙に描かれた男は誰なんだ?」が分かる後半です。いままでの展開をキチンと読んでいれば、すぐに答えは分かる──と見せかけて、じつは単行本だけ読んでいる人には 2 つの答えが考えられる。

「オークション編」は見どころが多く、ジワジワと盛り上がっていく展開です。今回も大ボリュームな感想になったし、先が思いやられるな……。

No.069 「グリードアイランド」

くじら島には一緒に遊ぶ友だちもいないし、娯楽らしい娯楽も なさそうです。だから、ゴンがゲームにハマっていても不思議ではなかった。そうならなかったのは、家事の手伝いで一日が終わっていたからかな。

もしもゴンが熱心なゲーム・マニアになっていたら、ミルキ体形になって「父親とか ハンターとか どーでもいーや……」と お菓子をボリボリ食っていたかも。

ミトにとって、どちらが幸せだったんだろう……。


ジョイステーション」という──あきらかにプレイステーションを模したゲーム機を出すことは、ほかのマンガ家でも できるはず。しかし、「隠れだけゲー」といった用語を出してくるところが、いかにもゲーム好きの冨樫先生らしい。

たくさんゲームの研究をしたのでしょうね!

ROM カードから分かった「グリードアイランド」というゲームと、「ゴンの父親を捜すこと」との つながりは、現時点では まったく分かりません。

定価 58 億円! というゲームが正規のルートで 販売されたというだけで異常なのに、100 本も売れた事実が とんでもない。

親会社の株式会社マリリンが まだ存在するところも不思議です。法外な値段のゲームを子会社に作らせたのは なぜなのか。作中ではサラッと流されているけれど、考え出すとキリがないくらい謎だらけです。


ミルキの部屋が公開されました。暗殺一家として恐れられているゾルディック家──へ等身大フィギュアを宅配しに来た業者がいたのだろうなぁ……。

あきらかに興味がないキルアは「フィギュア」と言い、ミルキは「オレの人形」と呼んでいる点が、フィギュア好きな自分からすると興味深い。普通なら逆にする。

美少女フィギュアと持ち主に対する差別的な意見が、とくに昔は多かったから、より一般的で高尚な響きがする「人形」とミルキは呼ぶのかも。──深い! 深すぎるぞ! (そうか?)

なにげない兄弟の会話なのに、「取引き」という冷たい言葉が差し込まれています。急に目つきがするどくなったミルキを見ると、やっぱり暗殺稼業を継いだ人間だと分かる。この緩急の付け方は、いつもながら効果的です。


グリードアイランドとヨークシンのオークションが ここでつながった! とても見事な展開です。

冨樫先生が描く同時進行の話は、必ずと言っていいほど途中で交差する。交わらなかった場合もオチがつく。絶対の安心感が あります。

一方、別の場所で起こっている できごとを、ただただ並べただけの作品が なんと多いことか──ってばよ! ……だと……!? (肉食ってドン!!!!)

ミルキが調べだしたグリードアイランドの情報は、抽象すれば「すごいゲーム」で終わりです。ところが、さりげなく重要なキーワードが隠されている。いったい作者は、どれだけ先を考えているのだろう……。

No.070 「ヨークシンへ」

ハンター専用サイト 狩人の酒場」は、妙に凝った作りで面白い。でも、グリードアイランドくらい規格外のゲームならともかく、ほかに「狩人の酒場」で聞くほどの価値があるゲーム情報は あるのだろうか?

ちょうど この回で分かるように、プロのハンターは全世界で 600 人くらいしか存在しません。そのうちゲームをやっていて、なおかつ「狩人の酒場」で調べ物をする人物なんて──数人しか いないのでは?

その数人が、世界有数のゲーム・マニアなのでしょうね。いったい どんな人物なのだろう……。


何十億円も払ってグリードアイランドを手に入れても、念能力者以外 プレイできない。それを知らずに買った人は、

11 歳の少年 2 人で 8 億円も持っているけれど、ゲームを買うには 10 倍以上も必要だから、まったく足りない──。金銭感覚がブチ壊れてきますね。

ゴンとキルアが一緒にパソコンで金稼ぎをする展開は、真面目に書けば違うジャンルのマンガになります。その「少年が金儲けするマンガ」は、『バクマン。』の劇中作として登場しました。狙い目ですよ!→新人

Wikipedia によれば、日本向けの Yahoo! オークションは 1999 年 9 月 28 日に始まったとのこと。

この回が連載された 2000 年ごろは、まだヤフオクは一般的ではなかったはずです。いち早くマンガに取り入れるフットワークの軽さが素晴らしい。


言わば面接試験の最終段階なのに、あり得ないほど軽装備でやって来たヴェーゼが──良いですね! なんだかロールプレイング・ゲームの登場人物みたいにも見える。

あの館から脱出できたのは、ほとんどクラピカとヴェーゼの力だけでした。それなのに、バショウは ともかくセンリツまで「龍皮病 患者の 皮膚」1 枚で合格している。さらにはヴェーゼの戦闘力は未知数だ。

そんな 4 人を即座に採用したところから考えて──、完全に捨て駒として使う気ですね。もちろんクラピカたちも、その つもりで雇われているに違いない。

護衛団のリーダであるダルツォルネは、意外と気さくに見えます。そんな彼を、クラピカは たった二言・三言で一気に沸騰させました。まるで『レベルE』に登場するクラフト隊長と王子の会話みたいです。

クラピカが これから狩ろうとしている人体収集家──外道な人間が、じつは かわいらしい女の子だった! という皮肉が作者らしい。コミックス派の人は、表紙の「オールバックの男」がボスと思ったかもしれませんね。

No.071 「オークション開催 !!」

オシャレなキルアは、ラフな T シャツやカット・ソーを着ていることが多い。しかし、この回から しばらくは襟付きのシャツを着ています。この点からも、ゴンとキルアの戦闘シーンがないことを暗示している。

長らく不在だったレオリオが復帰したおかげで、「携帯電話を購入する」という──本編とは何の関係もない場面でも、面白おかしくなりました。

レオリオが持っている「ビートル 07 型」は、当時の作者が欲しいケータイの理想型かもしれません。このころは、どんなに高機能でも「アンテナ付きのケータイ」が一般的でしたね。

ハンターの世界では異常に時間の進みが遅いわりに、どんどん最新の技術が登場します。なんでかなー(棒)。

レオリオは いつもビシッと決まった格好だし、友だち思いで面倒見は良いし、プロのハンターでもある。おまけに節約家です。全世界の女子から求婚されても当然なのに──、ちっとも そう思わせないところが最高に魅力的ですね。


ネオンの能力が明かされました。「天使の自動筆記」(ラブリーゴーストライター)によって未来予知が できれば、そりゃ大金が転がり込むでしょうね。

ほんのちょっと移動するだけなのに、こんなにも護衛を付ける意味が よく分かる。

そして、そんな護衛なんて紙くずのように蹴散らしそうな面々を、すぐ隣に歩かせるところが最高です!

彼らが「幻影旅団」だと明記していないところも、じつに作者らしい描き方でした。ほかの作家だったら、絶対に「オレたち幻影旅団は──」なんて不自然なセリフをしゃべらせるでしょう。


「長い耳の大男」は、いかにも腕力がありそうです。「チョンマゲの男」も善戦しているけれど、おそらく大男のほうが強いでしょう。

ところが、「口だけなら 何とでも 言えるから なァ」という ひと言だけで、チョンマゲは大男に火を付けた。たとえ彼ほど強くなくても、誰でも大男の心を刺せるのです。

「言葉の力」を強く感じさせる場面でした。

また、2 人の間には「片言で細い目の男」とマチがいるのに、まったく構わずにコブシを出している。「絶対に避ける」と仲間の実力を信じているからですね。

さらに、殴り合いくらい日常的に起こっていること、大男が短気であること、マチが かわいいこと──が一目で伝わってくる(とくに最後)。

これが、「説明せずに説明する」技術です!


「戦士風の男」と団長との会話が、クレイジィっていて素晴らしい! この一場面だけでも「異常な集団」だと深く印象付けられました。

幻影旅団の団長と言えば、クリード──もとい HYDE さんに似ていると有名です。でも それにしては、団長は垂れ目ぎみですよね。似すぎないように描いたのかな。

団長が着ているモサモサとしたコートは、初めて見た瞬間から欲しかった! ここまでファーが派手なコートは、なかなか ありません。たとえ手に入っても、普段着には難易度が高すぎるけれど。

No.072 「9 月 1 日 1」

グリードアイランドのセーブ・データからゲームを再生した──とミルキは語っていますが、これは あり得ません。

たとえるならば、「5+2=?」という問題は小学生でも答えられるけれど、「答えが 7 になる問題は?」と問われているようなものです。「不定」としか言いようがない。ゲームに くわしい冨樫先生にしては妙な場面でしたね。

ミルキは父親にも取り引きを持ちかけている。「親しき仲にも礼儀あり」の行きすぎた例──とは ちょっと違うかな。あとあと分かるけれど、こんなにも家族間で取り引きを持ち出す人物は、ミルキくらいです。


「天使の自動筆記」の性質が見え始めました。今回のように分かりやすい詩であれば警戒しようがあるけれど、あいまいな表現も あるでしょうね。「占い」

人体を収集するという趣味自体には、当然ながら共感できません。美しい色をした「緋の眼」であれば、まだギリギリ分かるかな。でも、使用済ティッシュを手に入れて どうするんだ。

そんな理不尽な欲望のために同胞を奪われたクラピカは、ネオンのことも恨んでいるのでしょうか。女性であれば見逃す──という甘さは なさそうですね。


キルアの言うとおり、「交し」・「縛り」・「競り」というオークション用語は、たしかに「なんか エッチだ」。そもそもアッチも、「ナントカ交渉」と言いますからね……(ごくり……)。

レオリオが考え出した条件競売の腕相撲は、どう考えても単純で効率が悪すぎる。──と だまされました。この時点でレオリオの狙いを読みきった人は、連載時には居たのでしょうかね?


きゃしゃに見えるシズクでも、利き腕ならば ゴンよりも怪力だという。しかも参加料の 1 万ジェニーは、おそらく気がつかれないように観客から抜き取っている。

シズクが最強と言うこともないだろうから、全員が それだけの実力を持った集団なのだ──と上手に臭わせる描写です。

レオリオとシズクが付き合ったら、「メガネがズレてるコンビ」になって おもしろかった。でも、某アイドル集団みたいに「幻影旅団は恋愛禁止!」だったりして。

No.073 「9 月 1 日 2」

ダルツォルネは、いつもネオンに振り回されている。このあたりもクラフト的な役割です。つねに命を狙われる立場だし、ネオンはワガママだし、ストレスが溜まりそう……。

クラフト隊長の場合は使命感に燃えていたけれど、ダルツォルネを支える原動力は何でしょうね? ネオン──の父親にゾッコン☆ラヴなのかな。


クラピカとセンリツとの会話は、とても味わいがあって好きです。出会ったばかりで仕事上の関係だから、深くは信用できない 2 人なのに、なぜだか心が通じ合っているようにも思える。

ところがクラピカには、条件さえ整えば いつでもセンリツを始末する覚悟があった──。その緊張感も良いし、軽く受け流すセンリツも心地良い。

センリツは「闇のソナタ」を聴いて腕の皮膚が変形しているけれど、頭部や顔まで変わったかどうかは不明です。腕以外は同じだったりして。──たぶん そんなことはなく、絶世の美女なのでしょうね。

珍しい人体の収集が趣味であるネオンならば、センリツに興味を持ちそうです。なんだか恐ろしい予感がするけれど、はたして──。


ドレスアップしたヴェーゼがステキでした! シャッチモーノ・トチーノが隣にいると、まるでルパン三世と峰藤子みたい。

これからもヴェーゼが、物語に花を添えてを盛り上げてくれる(『To LOVEる』的な意味で)──と期待していたのに……。


「細い目をした男」は名セリフが多い!

それでは 堅苦しい あいさつは ぬきにして」「くたばると いいね」なんて、シンプルな直球だけに鋭く刺さる。また、この巻の最後に出てくる「家族? なにそれ?」は、幻影旅団を象徴する言葉でしょう。

俺の両手は機関銃」(ダブルマシンガン)も、単純明快で極悪な「放出系」能力です。旅団が使う念能力は、各系統の頂点として描いている──と感じました。

彼らの強さと比べると、シャッチモーノの「縁の下の 11 人」(イレブンブラックチルドレン)なんて──紙風船に等しい。


イワレンコフの頭をたたきつぶす掃除機──デメちゃんのコミカルさと、つねに無表情な点が、シズクを不気味に見せています。かなり離れた場所までヴェーゼは逃げたのに、一瞬で追いつく脚力も すごい。

それにしても──、散り際の花の美しさよ……。

ネットの どこかで見た「ヴェーゼ生き残り説」が面白かった。彼女が振り返った時に、ちょうどシズクと口づけしてしまい、そのまま「180 分の恋奴隷」でシズクを操作する──という妄想ですね。

絶対に何度も薄い本で描かれているはず!

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