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HUNTER×HUNTER No.339 「静寂」 (週刊少年ジャンプ 2012 年 15 号)

忍 さらば──心に刃をのせた人生よ

以前に『バクマン。』で、「セリフがなくても読ませるマンガ」が出てきました。絵だけで語り尽くすなんて、そうとうの実力が試されます。普通のマンガ家では挑戦できません。

バクマン。 #95-3 「毎晩と合体」 物足りなさとプラス材料 | 亜細亜ノ蛾

フリーザ様の名セリフ・「ふふふ… サービス期間は 終わったのさ…(ボロボロになりながら」が出てきた其之三百十一 「肉弾戦」(『DRAGON BALL 完全版 (21)』に収録)もセリフは すくなかったけれど、印象深い回でした。

今回の『H×H』も、最初のページ以外は ほぼセリフがありません。ところが、絵に込められた情報量や、コマとコマの間にある「描かれていない部分」が分厚い!

ということで、いつも通りのボリュームになりました。

親子と親子

「ジンを探し出す」というゴンの目的は達成したことで、(なぜか話数よりも何倍も)長い冒険は 1 つの区切りが付いています。ここで「──完」でも おかしくありません(イヤじゃー!)。

しかし、これからもゴンの道草が描かれるようです! これは うれしい! 新しい出会いは もちろん、今までに会った人物も描いて欲しいですね。メンチとかシズクとかマチとか!(不自然な片寄り)


ジンが語っている出発に必要な条件のうち、「手段」は よく分かる。航空機か船か、あるいは空間を移動できる念能力か──、いずれかの手段を見つけるはずです。

でも、ハンター協会の頂点付近にいる「十二支ん」ですら持っていない「資格」とは何だろう? ただ たんに「今よりもっと強くなる」という意味なのでしょうか。

許可」と「契約」は誰と交わすのだろう? ハンター協会とは別の協会があるのかな。


巨大な鳥の親が来ていたら確実に襲われるなんて前回の感想で書いたけれど、あっさりと親鳥が飛んできて笑いました。そうか、鳥たちから見たら、ゴンとジンなんて虫ほどの大きさしかないのか……。

HUNTER×HUNTER #338 「樹上」 1,784m という低さ | 亜細亜ノ蛾

くじら島の日々

ものすごく久しぶりに再登場したミトさんですが、自分は 2 日前に会ったばかりです。

HUNTER×HUNTER 8 巻 「オークション開催 !!」 1 - ホームとホームズ | 亜細亜ノ蛾

いつもミトは洗濯に追われている印象だけれど──、おばあちゃんと 2 人暮らしで、どうしてこんなにも洗濯物が出るのだろう? じつは潔癖症なのかな。

あと、突然「札束を差し出す絵」が飛び出してくるから、「え!? ミトさんって── そうやって生計を立てていたの!!!?」──とか不純なことを考えた人は居ませんか! こらー(棒)。

別れの酒

ノヴが出した大金は、モラウも読者も すっかり忘れていた No.206 「勝負」(『HUNTER×HUNTER (20)』収録)の賭け金ですね。そう言えば、ハズレたら 会長に プレゼントする約束でした。

No.214 「決着」(『HUNTER×HUNTER (21)』)で賭けの結果が描かれているけれど、ノヴの勝ちで間違いないのでは? ──まぁ、ヤボなことはこれ以上言いますまい。

ステキな お金の使い方でしたね。

写真ではアヘ顔ダブルピースをキメている会長も、きっと「この世で もっとも高いところ」で喜んでいるでしょう。

ネテロ
「生きてるうちにくれよ……」

色鳥々な光景

No.216 「東ゴルドー共和国」(『HUNTER×HUNTER (21)』)で語られたコクチハクチョウの群れが描かれました。スピンがハンターになった きっかけです。

この雄大な風景が失われるなんて、たしかに耐えられません。鉱山を守る資金を融資してくれたカイトに、スピンは借金は返したのでしょうか。

──いや、おそらく一生「借り」ておくと思います。とてもじゃないけれど、受けた恩は返しきれない。

そして この場所にゴンがいるということは、ジンと暮らすのではなく、しばらくはカイトたちと「道草」するのかな。

戦友たち

ナックルは順調に回復している様子です。「キメラアント討伐隊」のメンバは、いつも この病室に集まっているのかな。メレオロンもイカルゴも一緒に死線をくぐり抜けてきたから、もう全員が家族同然なのでしょう。

ナックル・シュート嫌いだったパームは、もういない。

(──ついでにノヴが好きだったパームも?)

ところで、ゴンが くじら島を出てから、まだ 1-2 年しか経っていないはずです。それなのに、個人が小型のノート型パソコンやスマートフォンを持ち歩き、ブラウン管を使うディスプレイは 1 台もない。

下の感想でも書いたように、ハンターの世界では技術の進歩が恐ろしいほど早いですね! 不思議だなー。

HUNTER×HUNTER 8 巻 「オークション開催 !!」 2 - 交し×躱し×買わし | 亜細亜ノ蛾

友よりも同胞

やっとクラピカが現れました!

──という場面は、髪の毛の一部が触覚に見えて、「やっぱりシャウアプフは生きていたのか!?」と勘違い。自分はハエ取り紙のような性格なので、彼が出てくるまで「プフ生存説」を書き続けますよ!

HUNTER×HUNTER #337 「懺悔」 食材×贖罪×救済 | 亜細亜ノ蛾

マフィアのノストラード組に入っても、クラピカは つねに民族衣装のような格好をとおしていた。その彼が、なぜか黒いスーツを着ている。

黒いネクタイをしているわけでもないから、喪服ではないでしょう。同胞たちを弔うのであれば、なおさらクルタ族の伝統衣装に身を包むべきです。

ここから考えて、この場所はクラピカが個人で所有する建物の一室なのでは? そして現在は別の組に入って任務中だと見ました。ネオンは予知能力を無くしたから、ノストラード組は終わりでしょう。

とにかく、クラピカが生きている姿が見られて良かった。しかし──、ゴンたちと一緒に居た時よりも、一段と使命に縛られている目の彼は、「生きている」と言えるのだろうか……。

墓前にて

「ゴトーが生きていた!!!?」と驚いた! 気持ちが静まって読み直すと──なんだか よく分からない。この場面くらいはセリフが欲しかったですね。

まず、アマネはカナリアに「キルア様にゴトーのことを伝える?」と聞いている──と見ました。カナリアが拒否した理由は、せっかくアルカと旅行中なのに、そんなことを聞いたらキルアが戻ってくるかもしれないからでしょう。

分かるのはそれだけだ……。

この場所はゾルディック家があるククルーマウンテンだと思うけれど、なぜ凶狸狐(キリコ)がいるのか。

たしかに No.147 「アベンガネ 2」(『HUNTER×HUNTER (15)』)でキリコ親子とキルアは会っているけれど、それだけの仲で執事の墓参りに来るはずがない。

ここで注目するべき点は、カナリアはキリコのことを知っている様子ということです。「ゴトー」が現れても驚かないし、キルアとアルカのことを「ナイショ」とキリコに伝えている。

ここから導き出される答えは 1 つです。

つまり、カナリアやゴトーとキリコは知り合いだった。

死んだ知り合いに化けるなんて悪趣味だけれど、ゴンたちを試した試験も十分に趣味が悪い。魔獣であるキリコと人間とでは、価値観が違うからかもしれませんね。キリコなりの供養なのかな。

HUNTER×HUNTER 1 巻 「出発の日」 1 - 少年よ、大海へ挑め | 亜細亜ノ蛾

終わりなき静けさ

死んだ者に対して「これで良かった」なんて言いたくないけれど──、メルエムとコムギには、これ以上の「幸せな終わり方」は望めなかったかもしれません。

メルエムがキメラアントの王である以上は、ずっと人間と戦い続けていっただろう。そんな彼のことをコムギが深く知ってしまったら、それでも楽しく軍儀を指し続けたとは思えません。


「貧者の薔薇」(ミニチュアローズ)の毒はメルエムとコムギの命を奪った。ところが今では、おそらく その毒が 2 人を他人から遠ざけています。この地下施設は、放置か封鎖される可能性が高い。

毒に汚染された空間は、清められた聖域と化している。

できることならば、永遠の静寂を王と姫に──。

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