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『HUNTER×HUNTER(ハンター×ハンター)』 No.10 「9 月 3 日」

巨壺村 たしかに──この上なく変わった壺だ

コミカルな絵で書かれた「旅団腕相撲ランキング」が楽しかった! この順位は かなり興味深い。

まず、女性のパクノダやシズクや、小柄なコルトピが低い順位なのは理解できる。しかし、団長であるクロロがマチに負けているのは おもしろい。

もちろん、腕力だけで強さは測れないけれど、実際に腕相撲で負けた団長を見た団員は、「うわぁ……」と思ったのでは? 「いや、いまのは全力じゃないし!」と半泣きで負け惜しみを言う団長が目に浮かびます。

いかにも強そうなフランクリンよりも、ヒソカの順位が高かった。たしかに彼は、肩も腕もムキムキですよね。普段は ひょうひょうとしたヒソカですが、プライベートでは筋トレを欠かさないのかも。

ウボォーギンとフィンクスは順当ですが、フェイタンも意外に順位が上です。彼は「素早さで勝負」という印象でしたが、(おそらくシズク以下の)ゴンなんて話にならないほど力が強い。

一番謎なのは、ボノレノフ師匠だよなぁ……。

なによりも、ようやく幻影旅団 全員の名前を書けて ありがたい! 本編で全員の名前が明かされるのは、まだまだ先ですけどね。このブログの更新以上に、首を長くして待つ必要があります。

No.084 「9 月 2 日 6」

「語りたガール」なクラピカの性格が よッッッく分かる話でした(ガール?)。自分の能力をベラベラと語る登場人物が(某マンガと比べて)すくない本作品のなかで、かなり目立つ回です。

「この世で もっとも気高い仕事」であるハンターの仲間──レオリオやゴンが近くにいないから、汚れた仕事の仲間としか、クラピカは話の相手が居ません。もちろん(某マンガのように)戦闘中に能力は明かせない。

つまりは今回のように勝利が確定した瞬間にしか、クラピカは自分が鍛錬した成果を見せられません。ある意味では、レオリオやセンリツよりも、ウボォーギンとのほうが深くつながっている。

断ちきれない鎖によって──。


クラピカが腕に巻いた(ように具現化している)鎖は、どうやら 5 本とも別の能力を持っているらしい。なんという御都合主義な汎用性の高さでしょうか!

癒す親指の鎖」(ホーリーチェーン)を自分以外にも使えるのであれば、ゲームで よく見る「回復魔法」のように使える。「強化系」の能力者は全員がウボォーのように戦闘タイプかと思っていたけれど、治療役も居るのでしょうね。

これまでの展開で「念」の強力さが十分に分かっているから、捕えた旅団を 強制的に“絶”の 状態にするという「束縛する中指の鎖」(チェーンジェイル)の極悪さが目立つ。

律する小指の鎖」(ジャッジメントチェーン)は、相手の命を奪うだけなら、もっと効率の良い能力にできたはずです。いかにも(回りくどい性格の)クラピカらしい。


現在のクラピカは、自分の限界まで「強化系」の能力を引き出せる。それなのに──ウボォーギンの肉体よりも「やや強い」程度でした。どれだけウボォーが体を鍛えてきたかが分かりますね。

その鍛錬も、いまは土の下に眠る──。

クラピカは報復する相手の 1 人を葬ったけれど、もちろん誰も褒めてくれないし、仲間たちの「緋の眼」が戻ったわけでもない。なんという空しい孤独な戦いなのか──。


「旅団を捕まえる」という目的は同じなのに、ゴンたちとクラピカとでは、明らかに温度が違います。うまく見つけられたら捕まえられる──ぐらいに思っている。

ハンターのライセンスを担保にして大金を借りることですら、なんだか別のマンガを読んでいるようなノホホンとした感じがしました。本気の旅団員を自分の目で見たら、そんなことも言っていられない。


梟(ふくろう)は、なぜ生かされているのだろう? この時点では理由が分からなかった。すでに競売品は手に入れているし、いまさら聞き出す情報もないはずです。いつものように、「その理由は先の展開で明かされる」。

この場面でフェイタンが読んでいる本は、自分が大好きなトレヴァー・ブラウンですよ! 少年誌で取り上げるには、ほんのちょっぴり(利根川の長さくらい)刺激的すぎる芸術家です。

最近は新しい本も出なくなって、フェイタンと同様に「最近は何をしているのかな……」と気になる彼ですが、公式サイト「baby art」の「baby art blog」は更新が盛んです。

ちょうど来月は彼の展覧会が ありますよ!

トレヴァー・ブラウン 「TOY BOX」


旅団員たちは、ウボォーギンの身体能力を絶対的に信頼しています。なにしろ、筋弛緩ガスですら効果がなかった(ダルツォルネ涙目)。

HUNTER×HUNTER 9 巻 「9 月 1 日」 1 - 飛ぶ 3 匹と潜る 1 匹 | 亜細亜ノ蛾

しかし団長・クロロが言うように、能力しだいでは いくらでもウボォーに対抗できる。とくに「相手を操作する能力」の可能性を指摘してい点は鋭い。その発想を思いついた理由は、あとあと分かります。

また、ウボォーギンと一緒にシャルナークが戦っていれば、クラピカには勝ち目が なかったと思う。ウボォーに対する団員の信頼感によって、クラピカは命を救われた。皮肉な話である。

No.085 「9 月 3 日 1」

入場券を兼ねたカタログを購入するだけで 1200 万ジェニー(約 1080 万円!)もするなんて、それだけでサザンピースのオークションが別格であることが分かります。

オークションの受付嬢もレベルが高い! (ページの右と左で顔が違うような気もするけれど) プロのハンターだけあって、ゴンが行く場所は一流の店が多い。自然と店員も水準が高くなる──という道理ですね。

「グリードアイランド」は何十億もするゲームなのに、カタログの説明は そっけない。ゴンたちが命を懸けて手に入れようとしているゲームですら、サザンピース・オークションの中では多くの品物の 1 つでしかないのか……。

ただ、「念能力者にしか扱えない品」は、さすがに ごく一部だと思う。それとも、「オーラを感じると七色に光る便器」とか、「『凝』を使うと読める点字の本」とか、「放出した念のボールでしか遊ばない犬」とか──が出品されるのかな。


芋づる作戦」という名づけ方や作戦そのものに、ゴンの単純な性格が よく出ています。レオリオも分かりやすい性格だけれど、さすがに年長者だけあって、多くのことを考えている。

おもしろい点は、「旅団は街から出ていない」というレオリオの読みは当たっているけれど、その理由が まったく正反対であることです。

それぞれの人物を自由に動かしておいて、ひとつの物語として まとめ上げる。──作者の手腕に感動するばかりです!


ベンズナイフの作者であるベンニー・ドロンの話は、サラッと書いていますが──ここ少年誌ですけど……。キルアに「心(臓)を鷲づかみ」にされた解体屋ジョネスの逸話なみにヤバい。

HUNTER×HUNTER 3 巻 「決着」 1 - 手で つかんで確かめる幸せ | 亜細亜ノ蛾

また、キルアの父親・シルバがベンズナイフを好きだった──という ひと言でさえも聞き逃せません。本当に いろんな要素を縦横無尽に絡めてくる作品です。


「念を込めて」作ったものであれば念が宿る──という話は、ちょっとムリがあるように感じました。全員が手元を離れても念が残る「放出系」の念能力者なのだろうか。

戦闘のように一瞬で終わるわけではなく、何時間・何日・何年と念を込めて作るから、ずっと消えずに念が残るのでしょうかね。

No.086 「9 月 3 日 2」

幻影旅団の情報は集まらないし、競売にはライバルがいる──。前途多難です。

ゴンたちにとっては真剣な金稼ぎの場面だけれど、まったく不要な話のようにも思える。じっさいに半分以上は「競り市の おもしろさ」を描こうとしていたのでしょう。

その前に、たとえ値札競売市で掘り出し物を見つけても、それが何十億にもなるのだろうか──という疑問が残りました。

ところが、ちゃんと将来の話に つながってくる。その持って行き方が絶妙で、今後も何げない場面を見逃せません。


自分の目で選んで仕入れてきた品物を売る。この楽しさは、インターネットのオークションを経験した人には共感できるでしょう。自分も最初は、損をしてでも相手に買って欲しかった。

見た目どおりに純真無垢な反応をするゴンとキルア──とは対照的に、骨董屋の主人が良い味を出しています。もう、完全に典型的な嘘つきや詐欺師の話し方ですね。

木像──「木造蔵」(きづくりぐら)を見た瞬間から、オヤジはドキがムネムネしていたでしょう。タネが分かった後で読み返すと、あきらかに木像の説明が長い! だます気満々ですね。

もっと笑えることに、そこへ飛び込んできた男のほうが──もっと怪しかった。コマによってコロコロと顔が変わっているから、「変化系」能力者なのでは?

No.087 「9 月 3 日 3」

ゼパイルは性格が良すぎる! 彼なら、骨董屋のオヤジ以上に 2 人をだませたはずです。それなのに、手数料すら取る気は なかった。

あと、64 回くらい「変な壺」とゴンに言われても、キルアに「オッサン」と呼ばれても、何一つゼパイルは気にしていない。──よく考えたら、「子ども相手」だから当然ですけどね。

その子どもであるはずのキルアは、あくまでも交換条件で情報の やり取りする。これも「取り引き」の一種ですね。ただ、ゼパイルからすれば「意地っ張りな子どもっぽい態度」に見えたでしょう。

ゼパイルとの会話からは、「人を見る目」について伝わってきます。ゴンもキルアも あまり意識していないようだけれど、この先の人生で何かあった時に、今日の会話から感じたことが生きると思う。

人生の勉強は、こうした何げない日常で学べる。


コネルトという名前と言い、どう見てもトルネコ丸出しの責任者です。先ほどの骨董屋と同じく「体格の良いヒゲ面」は、ヨークシンでの流行なのかな。

彼の鑑定によって、ゼパイルの目利きが確かであると証明されました。──ハッキリ言ってしまえば、「ここまで全部がゼパイルの嘘だった」とも考えられますからね。いや、億単位の話だから、コネルトがグルかもしれない。

──この手の腹黒い話は、冨樫先生だったら もっと恐ろしい犯行手口を思いつくでしょうね。でも、それだと話が進まない。かなり表現を抑えているのかもしれません。

No.088 「9 月 3 日 4」

クールな主人公コンビの扉絵がキマっています! 斜に構えてツンとした表情のゴンが珍しい。「あんまりベタベタすんなよ(照」という絵にも見える──人は重傷ですよ!(なんの?)

いま見ると、扉絵って貴重だよなぁ……。


競売品を手で直接さわれることに違和感を覚えました。業者は大金を出して買うのだから、当たり前かもしれないけれど──、たとえば、宝石店で高級な宝石を取り扱う場合は、絶対に店員は専用の手袋をはめますよね。

これが下見市の醍醐味なのかな。尋常じゃないくらい「手が脂ぎっていて臭い業者」が居たら、どうするんだろう……。


イチャモンを付けてきた業者は、これでもまだ正直者だと思う。そのおかげでゼパイルも警戒できた。

自分(のように性格が悪い人間)だったら、この 2 人組に派手な やり取りをさせて──、裏でコッソリと粗悪品を紛れ込ませたでしょう。そんな手口も普通に行なわれているはずです。

ゴンじゃなくても「殺し技」の数々は興味深い。人間のズル賢さ欲深さを思わせる手口ですね。この 2 つは自分の大好物だ!

そもそも「ヤキヅケ」の見極めには肉眼が頼りという点が やっかいです。たとえ「凝」が使える念能力者でも、見えるのはオーラだけなので役には立たないはず(視力も上がりそうだけれど)


単純な好奇心」を持った少年は、じつにマンガの主人公らしい性格と言えます。「善悪に頓着がない」点も、子どもであれば仕方がない。そこまでの悪人に出会ったことが無いからでしょうか。

ゴンが素直な性格なのは、親譲りというよりも、ミトと おばあちゃんのおかげです。ハンター試験よりも前もゴンを読者は知らないけれど、いまの彼を見ているだけで、十分に良い育てられ方をしてきたと分かる。

純粋な心は、善良な環境でしか育たない。

その清々しいまでに真っ直ぐな心を──、「危ういんだ」とゼパイルは言う。今のゴンは、善にも悪にも どちらにも染まる可能性があるからです。暗殺稼業から足を洗ったキルアとは、逆の方向へ行く可能性がある。


殺し技の説明をするゼパイル──の手元に注目です! ものすごく変わったタバコの吸い方をしている。口元を隠す吸い方は、上品にも見えます。

こまかい性格付けが うまい!

ゼパイルが語る「ヨコヌキ」は、木造蔵そのものには価値がないからこそ生まれた手口です。蔵自体にも値段が付くようであれば、さすがに業者も隅々まで鑑定するはず。

「木造蔵」で画像検索してみれば分かるように、この言葉は酒蔵などで使われています。

──つまり、すべての殺し技は冨樫先生の創作なのでした! ゴンと一緒に「すごい世界 だね~~」と言いたくなります。

たとえば「なんでも できる超能力」だったら、凡人の作家でも作れるでしょう。しかし、殺し技のように「人間の思考と欲望の奥深さ」を描き出せる才能は、プロ・ハンターのように貴重です。


ノンビリとした展開が続くなかで、幻影旅団の発見は身が引き締まる思いがする。さすがにレオリオもキリッとした表情をしています。ところが──。

──いままで書くことをガマンしていたけれど、やっぱり携帯電話がバカでかすぎて笑えてくる。「シリアスな笑い」の一種に見えてしまう。──とか言っている自分のケータイは、2004 年モデルの FOMA SH900i ですケド。

ノブナガとマチの「普段着」という貴重な画像は、売るところへ売れば億単位が手に入りそうです。──熱狂的なマチのファンとか?

おわりに

今回のサブ・タイトルは、「ゆあーん ゆよーん ゆやゆよん」で おなじみ(?)の 中原中也・『サーカス』から借りました。ということで、「クラのクラ」と読むのが正しい。

中原中也 山羊の歌 #サーカス

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