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『HUNTER×HUNTER(ハンター×ハンター)』 No.20 「弱点」

A random mosaic for janken 切り札は一種類──とは限らない

前半で新キャラの説明をサクサク終わらせて、後半ではゴンとキルアの修業すら済ませてバトルに突入しました! 同時にキメラアントたちの様子も描いている。

この急流のなかでも話がゴチャゴチャとせず、読みやすいところが素晴らしい! 人物の描き分けと緩急の付け方が最適化されている。

とくに、20 人以上の登場人物が並ぶ見開きページは すごかった。誰一人としてキャラがカブっていない! 線の描き方で同じ人が描いていると判別できますが、それすら変えたら同じマンガとは思えません。

どれほどの死線を越えて身に付けた画力なのか……!

No.206 「勝負」

モントゥトゥユピーの後ろ姿と、「ユピー」という あだ名が扉絵で分かりました。この段階では、たぶん読者だけではなく作者にも分からないでしょう。

さらには──カイトらしき人物が座っています! 護衛軍の軍団長達と一緒に いるから、敵に取り込まれてしまったのだろうか──。


つい先日までは「練」が一時間も持たずに倒れ込んでいたゴンとキルアが、いまでは 3 時間の「練」でも呼吸と同じくらいに余裕です。何という成長の早さでしょうか!

このままビスケに ずっと指導してもらえれば、あっという間に 2 人は一流のハンターになれそうですね。プロ・ハンターとして当然のようにビスケは指導料を取るはずですが、ゴンもキルアも お金持ちだから問題ないし。

ところがビスケは、あまりにも客観的に弟子の実力を見ています。ハッキリ言ってしまえば、たとえ 2 人が NGL へ行けなくても、ビスケにとっては知ったことではないでしょうね。

たぶん、ネテロ会長さえいればキメラアントも駆除できる──とビスケは考えているでしょう。その読みは当たって欲しいけれども──。


ゴンは挑発が上手になりました。以前までのように「素直に思ったことを話しているだけ」では ありません。ちゃんと効果を考えて会話をしている。

キルアは さらにアオリが慣れていて、うまく会話をかぶせています。実際にナックルはゴンの一撃で気絶させられたから、かなり「トサカ」に来たでしょうね。

それでも、怒りで暴走する相手でもなかった。ナックルの攻撃は「練」では防げず、一段上の「堅」の防御が必要です。昨日までのフラフラな状態だったら、ガードすら できなかったはず。つまり、ナックルは手を抜いていた。


見るからにクールなノヴがギャンブル好きとは意外です。この点はカイト(の念能力)と似ている。──なるほど、たしかに賭け事は冷静な者だけが勝ちます。ノヴとカイトとのギャンブル対決も見てみたい!

ノヴが誰に賭けたか、そして いつ会長に お金を渡すのか──両方が分かるまで覚えておきましょう。感動しますよ!

そして、誰かを犠牲にしない限り任務を果たせない──と考えているネテロは、この時点では誰を想定しているのだろうか……。

No.207 「弱点 1」

ゴンの必殺技の名前が──勘違いから強引に決まりました。「ジャジャン拳」というネーミングは、シンプルかつ ひねりが効いていて、たしかに良いと思います。

まぁ、「ジャン拳」だと『ドラゴンボール』の主人公・孫悟空の技と丸っきり同じだし……。ハンターの世界にも『ボボボーボ・ボーボボ』が存在すると分かったから(昨日の感想を参照のこと)、鳥山明氏の名作も読めるかもしれませんね。


ジャジャン拳の弱点は、技を考え出した瞬間から見え見えでした。これまた『ドラゴンボール』の「かめはめ波」と同様に、いつかはタメの時間が短くできるでしょう。そうすれば無防備になる危険も減る。

ところが、それは 1 か月の修業──しかも「練」の時間を延ばすだけでは、まったく改善できなかった。さらには「オーラの流れが ぎこちねェ」という実戦では致命的な欠点まで残っている。

これこそビスケが考えていた「自分にないもの 必要なもの」でしょう。これから経験を積むことで解消できるはずだけれど、もう時間がない──。


エヴァンゲリオンみたいな悪鬼の表情をしたナックルの背景に、「なんて…… 優しいんだ…… !!!」という違和感を覚えるセリフで おもしろい。

このナックルの優しさもまた、彼の弱点ですね。第 20 巻の後半は、それぞれの弱点が明かされていて興味深い。もちろん、ビスケの弱点は──(以下、粛正省略)。

戦闘前にも感じたけれど、ゴンは敵を挑発する知恵を完全に身に付けましたね。「殺す気で来い !! ナックル !!」という叫びも、ただ頭に血が昇っただけ──ではなかった。将来は頭脳戦も得意に成長しそう。

No.208 「弱点 2」

必殺技をフェイントに使うと言えば、自分が大好きな格闘ゲーム・『真サムライスピリッツ』にも登場しました。マンガでも見かける場面だけれど、シンプルな戦略ばかりだったゴンが使うから効果的です。

キルア解説員の説明では、「シマ柄のユニフォーム」を着た野球選手が登場している。前巻でもクラピカたちが着ていましたね。不思議な偶然だなー(某)。──野球には くわしくないけれど、この年に優勝したのかな(どこが?)。


オーラの流れ方で攻撃を見抜くことは、念能力同士の戦いでは基本ですね。これは、ゴンの弱みとしてナックルが考えていただけに、そっくり そのまま返されて悔しかったに違いない。なんだかナックルは「ブーメラン」ばかりですね。

戦いながら成長することは以前のゴンにも あったけれど、対ナックル戦では その早さが増しています。ナックルも一発一発の威力に比例して攻撃の動作が大きいから、体術を鍛えれば互角以上に戦えそう。

しかし それでも現段階では、オーラを維持するだけでゴンは精一杯に なっている。オーラの量を増やすとか、体術を向上させるとか、言葉にすることは簡単だけれど尋常ではない努力が必要です。

最後はゴンがヤケに なったように見えますが──。

No.209 「?」

本編では あり得ないような状況の扉絵です。いや、ダチ 4 人で海水浴へ行くくらい、彼らの年齢なら当たり前なんですけどね……。

たしか「ジャンプ」連載時はカラーで描いて ありました。自分の部屋の有相無相に仕舞って あるけれど、クラピカやレオリオと同じで再会がむずかしい。


これほど離れた場所から「ジャジャン拳」を発動──と言えば、やはり「パー」でしたね。グリードアイランドに いたころよりは進化しているけれど、まだまだ威力が足りません。

だからと言って、初めて「パー」を見たナックルが「球に仕掛けが あるはずもねェ」と素手で弾き返したことは、プロとしての経験が長い彼にしては不注意すぎる!

たとえばゲンスルーの技みたいに爆発したり、触れた対象を異次元へ飛ばしたり、あるいは「10 年間 洗っていないバキューム・カー並に臭い」というワナかもしれないのに!

その油断を突くかのように、「あいこ」という「ジャジャン拳の 連続攻撃」を戦闘中に思いつくゴンの戦闘センスは素晴らしい!

もしもゴンのオーラが残っていれば、ナックルに必殺の一撃を食らわせていましたね。スタミナ切れは今後の修業で解決できるから、強力な隠し技に なります。作者の野球好きに合わせると「隠し球」かな。

ただし「あいこ」は、一対一の戦いでなければ使えないし、引っかかっても初回だけでしょう。またもや いろいろと「弱点」だらけの技だけれど、ゴンの強みは応用力です。「あいこ」を見破られても、また次の手を思いつくはず。


キルアが何に対して怒っているのか、連載の時には分かりませんでした。とくに、「あんたが 勝つなら いいよ 全力じゃ なくても」というセリフが、分かりにくさを全力疾走させている。

つまりキルアが頭に来ている理由は、親友──どころか自分の半身のように思っているゴンが、修業の成果をすべて出しつくすほど全力で戦っているのに、ナックルは手加減をしていたことです。

それは「優しさ」ではない。

たぶんキルアは、明日に なったらナックルが わざと負ける姿をも想像できたでしょう。プロのハンターとして戦っているゴンに対して最大の侮辱行為です。だから「あんたを 一生 許さねェからな」と怒りをぶつけた。

そのナックルの甘さは相棒も感じていたらしく、本番に弱いはずのシュートですら戦う気になっている。ゴンとキルアの純粋さは、いつでも周りの人間を本気にさせますね。できれば ずっと、心を汚されないで欲しい──。


そしてドッキリのラストです!

(見た目は)ロー・ティーン非実在青少年男女が、こんな夜中衣服を脱いで、何の「勝負」をするんですかあああぁーーーッ!(ごごごごごくり……) ──とか思った人はキモいですよねー(いつもの責任逃れ)。

No.210 「弱点 3」

ゴリ…」にしても「ババァ」にしても、キルアが失礼すぎて笑えます。ゴンの「特訓? リンチじゃ なくて…?」も的を射ていて楽しい。まぁ、秘密をしゃべったら私刑どころか死刑だよなぁ……。

ビスケは 2 人のことを完全にガキ扱いしているから、べつにゴンにも正体を明かして かまわないと思う。それなのに隠そうとするところに、「オトメゴコロ」を感じました。

本当ならビスケは、キルアにも元の姿を見せたくなかったに違いない。しかし そこは、指導する立場を優先させた。さすがは 2 人の師匠ですね!

または、キルアを「いびつで 利己的な ゆがんだ愛」で教育した者に勝ちたかった──という深読みも できます。

そう、愛には愛でしか勝てません。


イケメンなビスケの正体が再登場しました。少女の姿だと日本人好みの「マンガ・アニメ顔」なのに、元に戻ると欧米人に見えるところが おもしろい。

そして、ビスケは この姿のまま・キルアは警戒態勢のままで、戦闘力の表をカリ カリと書いているところが最高に笑えました。『バクマン。』で おなじみの「シリアスな笑い」ですね!

ビスケはキルアの弱点を指摘し、いつか ゴンを見殺しに すると予見しています。かなり厳しい口調で しかっているから、読んでいる こちらもドキドキする。

キルアは過去と未来を否定されたわけで、これまでで一番つらかったでしょう。しかし、いつかは誰かが言わなければ ならななかった。そうでなければ、いつまでもキルアはイルミに支配され続けてしまう。

これこそ、本当の優しさです。

(──なんだけれど、この場面のせいで「よくも私のキルアに! ビスケ嫌い! きーっ!」という読者も いるんだろうなぁ……)


それにしても──、ビスケの衣服は どんな素材で作られているのだろう? ものすごく柔軟性があって頑丈すぎる。

キルアが持っている「片手に載る 50 キログラムのヨーヨー」や「そのヨーヨー 2 個を入れても平気なパンツ(ズボン)」から考えて、現実世界よりも素材や繊維の技術が はるかに優れていることは確実です。

あるいは以前に書いたように、ビスケは念能力で衣服を作り出している可能性も ありますね。──ということは、いつも裸!?

HUNTER×HUNTER 17 巻 「三つ巴の攻防」 1 - 離れない愛の快勝 | 亜細亜ノ蛾


ゴンは、ナックルの攻撃を目で追うのではなく、オーラで感じようとしてる。これは まさに「円」と同じ原理です。だいたい数十センチメートルくらいに伸びている「練」(「堅」?)の範囲と一致しているから、戦闘経験のわりには広い。

ただ、「円」は もっと正確に対象を感知できる技だから、この場面でゴンが見せた探知方法とは別でしょう。実戦では十分に使えるから、この察知方法を鍛えれば一段と強くなりそうです。

ナックルの「発」は、「相手にオーラを貸す技」という──回りくどい性格にピッタリな技でした。かわいらしいマスコットが付くところも、犬ちゃん好きな彼に合っている。

No.211 「トイチ」

ナックルの「天上不知唯我独損」(ハコワレ)は、本作品でも最高に複雑な能力です。「トリタテン」で 30 日間も強制的に「絶」状態にできる上に、マスコット・キャラ自体は無敵──という設定ガチ盛りすぎる!

ポットクリン」を出すから「具現化系」の念能力でしょう。さらには「操作系」と「放出系」の性質も持っているし、オーラを貸し付ける部分は「強化系」かもしれない。

クラピカの鎖も込み入った設定だったけれど、彼の場合は、幻影旅団の ほかには切り札(「束縛する中指の鎖」)が使えません。一方のナックルは、誰にでもポットクリン・トリタテンを付けられるはず。

オーラを借りると力が溢れてくるのであれば、破産の直前には通常の 2 倍のオーラを使えそうだけれど──、ゴンの状態を見ると そうは感じません。「力が漲る──気もする」だけなのかな。

これだけ強力な「発」だから、「ハコワレ」にも何らかの制約と誓約が あるのでしょうか。──もしかして、「一生この髪型を維持する」だったりして!?


戦闘中にベラベラと技の解説をするなんて、冨樫作品には珍しいですね。さらには「数字バトル」に突入するのかと心配したけれど──、これはナックルが「オレオレ数値」をでっち上げているだけでした。

ゲンスルーの場合は「命の音」(カウントダウン)の発動条件だから説明したけれど、おそらくナックルは「具現化系」らしく神経質だからと、正々堂々と戦いたいからでしょう。漢(おとこ)ですからね!

──と見せかけて、説明中もトイチで利子が増えることを狙っていたりして。

いずれにせよ、ゴンにとってナックルは一番戦いにくい相手です。ゴンは計算が苦手な上に、10 秒ごとに付く利子が気になって仕方ない。このポットクリンの宣告も集中力を削がれる原因です。

ちょっと気になった点は、ナックルにオーラを借りている状態では、ゴンもナックルもダメージは受けないはずなんですよね(先の展開でハッキリと明かされる)。

それならば、ゴンは潰されることを前提で「グー」を接近して出せば良かったのでは? ──とはいえ、ダメージは なくてもパンチで吹き飛んでいるから無理だっただろうし、ナックルは逃げれば良いだけです。


シュートとキルアは、お互いに全力の力量も能力も未知数だから、よりいっそうの緊張感が走る。読者から見ても、シュートの技というか左腕というか、どんな状態か分からなくて不気味でした。

戦闘前にシュートの実力を肌で感じているキルアは、悪いクセ──見切りの 早さが出なければ良いけれど……。

──まるで関係ないけれど、この「空の鳥かご」を見て、引っ越した時に物置へ置き去りにしたインコのことを思い出しました。半年くらい後で鳥かごを見ると、そこには──。

あと、2-3 年くらい放置したコクワガタは何とか生きていて、そっちの方が恐ろしかった。小さな虫がビッシリ付いていたし……。その虫に動かされていたのかな──って、おお、奇跡的に『H×H』とシンクロした!

おわりに

「タイトルの『相子』って誰?」と思った人へ:

相子 とは - Weblio辞書

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