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『HUNTER×HUNTER(ハンター×ハンター)』 No.23 「6-1」

Encyclia cochleatum 宇宙人でも侵略者でもない──気高さ

第 23 巻の冒頭を華々しく(血の臭いで)飾る樹上の戦いは、『HUNTER×HUNTER』史上だけではなく、少年マンガ史に残るほどの名場面です!

アクションの場面では「スピード線」を多用する冨樫先生が、ここでは止めた絵で効果的に速度感を演出しました。静と動との緩急を付けた見せ方が素晴らしい!

HUNTER×HUNTER』のテレビアニメでは どうなるか見ものですね! それ以前に、そこまで続くかどうかも……。

No.236 「8-2」

テナガザルらしきキメラアントたちとの戦いは、腕と背景の樹木が複雑に絡み合って、絵解きパズルのような面白味も あります。何度も「仕留め損なった 2 匹」は誰なのか読み返しました。

こんなに迫力あるアクションをよく考えつきますよね!


兵隊長はフンコロガシ(スカラベ)かと最初は思ったけれど、実際にはミイデラゴミムシでした。両方の特性を受け継いでいるのかな。

ミイデラゴミムシのガス噴射は、冨樫義博先生の創作──ではなく、実際に噴出する様子が動画に撮られていました。さすがに木をなぎ倒すほどの威力は なさそう(当たり前)。

ミイデラゴミムシ、ガス発射 Bombarding beetle splay the gas - YouTube

毒ガスを食らった後のキルアはずっと右目が半開きになっていて、もしかして失明の危険があるのでは──と心配になりました。次の回では治っていたけれど、ギャグマンガみたいに「何事もなかったかのように全快」とは いかなかった……。

No.237 「8-3」

蚤弾」(フリーダム)というネーミングも、弾丸型のノミを撃つ攻撃も、どちらも冨樫先生らしいユニークさです。

ただ、「念を込めたライフル銃の弾」を飛ばしていたら、現時点でキルアは倒されていたのでは? 出血させて体力を消耗させることが目的だったのだろうか。

また、以前に書いた感想で思ったように、木の陰に隠れたら「蚤弾」は防げたはずです。いや、狙撃手は「弾の気持ちが分かる」男で、(ノミだけに)跳弾くらい使えるのかな。

HUNTER×HUNTER #237「8-3」 感想と次回予想(週刊少年ジャンプ2005年19号) | 亜細亜ノ蛾

それより なにより、キルアの目的は生き残ることではなく、この敵から逃げるか倒して「人形兵」を止めることです。隠れていても仕方がない。


ダルい しゃべり方が特徴の敵は、やけに長いニット帽と空気銃が特徴です。じつは すでに「敵の本体」を読者は見ているけれど、まさか「それ」とは思わなかった……!

超複眼」(スーパーアイ)は、まさに虫型キメラアントならではの能力 この映像を人間の脳で処理すると、数十秒も神経が持たない 「衛星蜻蛉」(サテライトンボ)というネーミング・センスが あいかわらず素晴らしい!


体術も念能力も器用に こなしてきたキルアが、「円」を使えないとは意外でした。キルアにも苦手な分野があったのか──女の子以外に。

「円」の条件(オーラを半径 2 メートル以上広げ 1 分以上維持する)からすると、余裕で 3 時間も「練」を維持できるキルアとゴンなら、すぐにでも体得できそうですよね。


「蚤弾」を食らった瞬間、狙撃手の方向へ疾走するキルアのスピード感が たまらない!

しかし、その動きですら「想定のォォ 範囲内だぜぇ」だったとは不気味です。元のセリフは「あの人」からの引用で間違いないでしょうね。ほんの少し先の運命が「想定の範囲外」だったのは、この狙撃手も元ネタの人も読めなかった。

想定の範囲内とは - はてなキーワード

狙撃手の全身像は、『闇金ウシジマくん』みたいでイカしています! やたらと長い帽子も目新しくて、現代でも十分に通用しそう。

H×H』キャラによるファッション・コンテストを開いて欲しいです。この狙撃手やレオリオは上位に来そう。でも その前に、長い長い連載のなかで、人気投票すら 3 回しか行なわれていない……。


とくに映画『マトリックス』以降の創作世界では、「拳は銃よりも強し」な風潮が強い。全世界レベルで「銃社会は悪だ」と叫んでいるかのようです。その通りだと強く思う。

自分が知る限りでは、「銃があって良かった~(にっこり)」という事例は聞いたことがない。マタギくらいでしょうかね。

No.238 「8-4」

イカルゴのキャラが最高でした! よくあるタコ(「タコって ゆうなーー ーーーー !!!」)の絵にライフル銃と まゆ毛をくっつけただけで、どうして こんなにも個性的になるのだろう。

ただし彼が現実世界にいたと想像すると、ちょっと(どころではなく)恐いですけどね。生々しくなりすぎるからか、リアルなタッチで描かれたイカルゴは一度だけ(「生前」の姿)しか ありません。

「いやいや、実際にイカルゴがいても かわいいよ!」という人には、下の動画をどうぞ。陸に上がって撮影者の方向へ「歩いて」きて、なぜかカニをプレゼントして海へ帰るタコです!

──あ、たしかに きゃわわだ(最後の幼女も)。

Octopus Walks on Land at Fitzgerald Marine Reserve - YouTube


「蚤弾」は、アゴひげ男の念能力かと思っていました。そうではなくて、宿主に「蚤蓑」(のみみの)を着せて「蚤弾」を育てて撃つ──というところまでがイカルゴの能力らしい。

イカルゴは、どうして致死性の高い弾(通常の弾丸や猛毒弾)を使わなかったのか。──この疑問も また、遠い将来に解消されます。


地底湖はイカルゴにとって庭みたいなもので、完全に有利な状況だと想定していたはず。それだけに、仲間たちの興奮状態は恐ろしかったでしょうね。頼りにしていた すべてが数秒で奪われたことになる。それは──絶望するよなぁ……。

一方のキルアは、イカルゴの戦闘能力(の低さ)を把握していて、余裕のある態度で「取り引き」を持ちかけている。脅しに近いけれど──、「こっちへ来ないか?」と誘っていたのかも。

仲間は 売れねぇ… !!」と自分から銃身を折るイカルゴが格好いい! どこまで彼の手足に痛覚が通っているのか、とても不思議ですけれど。


連載の当時の自分は、キルアがイカルゴを助けたことに不満だったようだ。

HUNTER×HUNTER #238「8-4」 感想と次回予想(週刊少年ジャンプ2005年20号) | 亜細亜ノ蛾

しかし、「かっこいいから」というキルアのセリフは絶妙で、それ以外の表現ではウソっぽく感じたと思う。「友達(ツレ)に なれた」と素直に言えたのは、ゴンとの付き合いの おかげでしょうね。

50kg のヨーヨー軟体の足に巻き付けられたら、イカルゴも「痛ェ!」ですケド。


コバンザメに「コバーン」と命名するのは、アリガチなようでセンスが要求されます。そもそもコバンザメに名前をつけないし。

普段のコバーンは、キルアに噛みついた巨大魚(サメ?)に貼り付いているのでしょうね。そしてエサも手柄も独り占めする。うらやましいポジションです。アナタの身近にもいませんか?

No.239 「8-5」

死亡遊戯」(ダツ DE ダーツ)という技名は、図鑑などでダツを発見して、「これや……!」と冨樫先生は ひらめいたに違いない! (関西弁では ないと思う)

この念魚を使った攻撃は、これまでに登場した念能力のなかでも最強と言えます。キメラアントの王直属護衛軍や王ですら倒せそう。

こんな凶悪な能力の発動条件が、前回に付けられたバッジ程度な はずもなく、最後にリスクが明かされて納得しました。たとえば途中で標的が命を落としても、ダーツは続行する必要があるのでしょうね。

体の各部位が書かれたダーツの的は、『カイジ』に出てきそうな悪趣味さです。「あの親子」なら作っていそうだよなぁ……。


全身が傷だらけでピンチのキルアとは対照的に、オロソ兄妹の余裕が憎たらしい。オシャレなバー・カウンタは、どうやって地底湖の底に作ったんだろう?

連載時には、どうやって この攻撃を打ち破るのかが分からなかった。もしかして、「最後の 一投をオロソ兄が外す」というオチかも!?

ダツはともかくオロソって何? | 亜細亜ノ蛾

No.240 「8-6」

オロソ兄の容姿や性格から漂う「こんなヤツいるいる感」が笑えます。また、「ニヒルなヒーロー気取り」キャラに対する作者からのイヤミにも聞こえる。

『BLEAC■』のことかーーーっ!!!

まるでスキが見当たらない「死亡遊戯」とオロソ兄妹に対して、キルアが何を狙っているのか──、推理のしようもありません。「オロソと会話ができる」点が、作者からの引っ掛け問題にも思える。とくに電気との関連が見えなかった。


窮地に追い込まれて新技を編み出す展開が熱い!

「刺さった瞬間に念魚が実体化する」という「死亡遊戯」の最大の長所が、逆に攻略法となる展開は見事でした! オーラを変化させた電気信号で自分の体を動かす技は、今後のキルアにとって重要な進化です。

楽しそうに手をたたく兄妹と、直後の落差も楽しい演出でした。「闇の住人キルア」らしい表情が光ります。

「キルアの額に刺さったダツ」のトリックは、もしもフラッタが見ていたら気づかれました。それでも、「第 2 ゲームに突入する」なんて無理でしょうね。バッジは回収する必要があるはずだし、どのみちオロソ兄妹に勝ち目は ありません。


フラッタは「ムャンマ」と連載時に呼ばれていました。ところが単行本では「なかったこと」に されている──。

フラッタも「ハギャ…いや レオル様」と言い直しているし、あいつぐ改名に作者も混乱したのかな(自業自得とも言う)。

“501”はジーンズだけじゃない | 亜細亜ノ蛾

No.241 「8-7」

世界一強い 信頼で 結ばれている兄妹の美しい語り合いから始まりました。──いや、ギャグ丸出し・切り口丸見えなんですけど、本当に仲良しだったら これくらいの口論はしますよね。

家族間で無言の冷戦は最悪です。

2 人で向き合って逝けるなんて、兄妹冥利に尽きる最期ですね(リンク先に「おろそ」が出てきてビックリ!)。ちなみに、「冥利に尽きる」には「神仏から見放される」という意味もあります。


この出血多量の状態でも、まだキルアは戦おうとしている。その精神力には感服しますが、いくら「毒は効かない」特殊な体でも動くには燃料が必要です。

そもそもキルアは ろくに食事や睡眠も取らず、何十時間も動き回っていたから、イカルゴやオロソに出会わなくても倒れていたでしょう。どう考えてもムチャだよなぁ……。


ついにキルアが永眠するのか──という瞬間に現われたイカルゴの衝撃が大きかった! 張り詰めた空気が一変しています。本当に、次から次へと良いキャラを生み出しますね!

それとは別に、「『DEATH NOTE』っぽい」という別の理由でもニヤリとしましたね。

「ゴン……悪い…」でデスノートのあのシーンを思い出す | 亜細亜ノ蛾

イカルゴの知っているモグリ医者は、じつはレオリオだった! ──ら楽しかったかもしれません。でも たしかに、正式な医者になる前でも人の役に立ちたい──と彼だったら考えそう。

実際にレオリオがナニをしていたのかが分かるのは、遠い遠い未来です。人生の勉強に忙しかったのは間違いない。


「カメレオン」で「ジェイル」と言えば『カメレオンジェイル』を思い出します。

言い直した「メレオロン」が彼の本名でしょうかね。それとも、「人間だったころはジェイルだったが、いまはキメラアントのメレオロンだ」という意味かもしれない。

「完全な透明になれる能力」は念能力ではなく、「体質」だと見られるから、とくに使用の制限もないはず。本来であれば驚異的な能力ですが、「円」や臭いで見破られるでしょう。──しかし、それが狙いだった。

「敵」から自己紹介をされても、ゴンは名乗りません。彼もオトナになったのだな──と感心する間もなく、すぐに相手を信用しています。

ゴンには意表を突かれる! これまでも、これからも。

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