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『HUNTER×HUNTER(ハンター×ハンター)』 No.24 「1-4」

Inamura 彼が水面に──ヤリを立てる

キメラアントの王は絶対である──と象徴的に描かれた第 24 巻の表紙です。本編のほうでは逆に、王の気持ちが揺れ動いている。この対比が興味深い。

この巻の半分くらいは、連載の当時に感想を書いていました。なにしろ 7 年近く前(!)の記事なので文章が荒く、ほぼ「内容の箇条書き」で恥ずかしい。

休日に HUNTER×HUNTER 感想書き 秋の紅葉 観ることもなく | 亜細亜ノ蛾

ここからは、以前とは違う内容で お送りします。

No.248 「6-5」

前巻の話をよく見ると、「モラウ」が考え事をしている時の吹き出しは、やや不自然な位置にありました。なぜか草むらから吹き出しが出ている──。そう、じつは前話の時点でネタバレしていた。

今回の話でも、「モラウ」のセリフは どこから話しているか不明な丸い吹き出しです。芸が細かい!

ヂートゥが もうすこしだけ注意深かったら、声の方向に違和感を覚えたでしょう。もちろん、これはモラウの作戦勝ちです。ヂートゥの短気な性格を見抜いて、自信たっぷりに話すことでキレさせた。

また、ヂートゥのボウガンと クロウは、無事帰還した後には消えています。それでも自前の爪と牙があるのだから、自慢の脚力で十分にモラウを倒せそうな気がする。

相手に そう思わせないモラウの戦い方が見事です!

普段のモラウは渋い口調なのに、「こいつマジで 扱いやすッ 重宝するぜ(はぁと)」などと内心では軽口なところもチャーミングでした。


ノヴは戦闘力も長けているようです。

それでも、空飛ぶフラッタをどうやって倒したのか疑問が残る。あと、見た感じでは とくに拘束していないけれど、大丈夫なのかな……。


相手に「貸し」を作って念を借りる「謝債発行機」(レンタルポッド)といい、ラフな格好といい、いま見るとレオルは『闇金ウシジマくん』からネタをいただいていますね。

ハギャ──レオルの顔も主人公の丑嶋薫っぽいし、そもそも名前が「レオル」と「カオル」だ! そのうちレオルもダウンジャケットを着そう。

レオルの目的は王に恩を 売ることらしい。

王の念能力は、現時点では不明です。「相手のオーラを食って強くなる」だけでは ないでしょう。いずれにせよ、レオルのような「借り物の能力」では ないはず。


生まれたばかりで人間を食料としか見ていないはずの王が、アカズを見て「不細工な ……」と思うところが興味深かった。美的感覚は人間と同じようですね。

人間と動物を決定的に分ける一線が、「美しい」という感覚だと思う。自分なりの美は、いつでも磨いておきたい。

No.249 「6-6」

負けたら ゴミ なんです」と語るアカズを見て、王は何を思っていたのか──。もしかしたら、生まれて初めて同情する気持ちを味わったのかな。

賭けを持ちかけた王は、その時点でアカズに負けていました。勝負に勝てないからといって、盤の外に暴力をちらつかせるなんて、王の器では ありません。


ワダすを 殺すならば どうか軍儀で ……… !!」と訴えるアカズが良かった! すべての対局において、盤の上に命を載せて戦ってきた軍儀王らしい受け答えです。

これまでに何人もの命を奪ってきた王は、本気で命を賭けて勝負する人間を初めて目にしました。そして左腕と引き換えにして、王は勝負の誇りを学んだ。

人間とアリの どちらに良い結果となるのか──。


アカズのことなど知らないモラウとノヴは、じっと千載一遇の 機会(チャンス)を待っていました。相手のスキを待つしかないとは、無計画にも感じますが、仕方がない。

そもそも、周囲何キロにも及ぶ広域レーダーである「円」を 10 日間以上も ずっと出し続けること──が前提の作戦なんて、念の常識からは考えられません。

そんな化け物を相手に戦おうとしているのか……。


「謝債発行機」でフラッタの「超複眼」を借りている時も、慎重派のレオルらしく「仲間」にも自分の能力を明かさない。ここまで徹底するから人の上に立てる──と見せかけて、

エビ
「(あ、アイツ念能力 借りられるんだ……)」
オオカミ
「(フラッタから借りたな……)」
レオル
「行くぜ(キリリッ」

──モロバレだったりして。

No.250 「6-7」

ネフェルピトーがカイトの修復のために作った念能力は、かわいらしくも毒々しい。フェイタンが好きそうなトレヴァー・ブラウンと、作家・森博嗣先生が好きなブライス人形を足したようなデザインです。

HUNTER×HUNTER 10 巻 「9 月 3 日」 1 -競売は真ッ闇 蔵の闇 | 亜細亜ノ蛾

ここでのピトーの態度からも、王に対して「アレは要らない」と言い出しそうに感じました。治療を始めるまでの経緯が不明だから、ピトーが王をどう思っているのか分かりません。


ノヴの孤独な戦いは地味ですが、「出口」を作ることは今回の作戦でも最重要です。プライドの高い彼が泥にまみれている姿からも、任務に対する真剣さが伝わってくる。

ただ、「我々は 1 勝 3 敗 でもいい」と戦う前から負けることを前提にしています。すでにイヤな兆候が見え始めている……。


「食肉用」でない 人間という書き方がエグイ!

少女棋士の存在が大きくなってきたことも意外だけれど、ほかにも生きている人間──ビゼフ長官が いたとも驚きでした。

でも たしかに、彼のような存在は必要です。「選別」後に侵略戦争を仕掛けるにしても、国として機能させておくことが大事でしょう。それ以前に、ディーゴには政治の能力が なかったはず。

「肉」好きなビゼフ長官の目に止まったパームは、初登場時の面影が完全に ありません! ゴンとのデート中に感じた「頭が大きい」違和感も皆無ですね。

HUNTER×HUNTER 21 巻 「再会」 2 - 殺し文句で死にかける | 亜細亜ノ蛾

今回の作戦のために、パームは整形している可能性もある。さらには、わざと「あまり美形ではない女性」の写真も多くしてあるはずです。

ここまで やって彼女が選ばれなかったら──、王の前にパームが大暴れして国が滅ぶよなぁ……。

No.251 「6-8」

ラモットを初めとしてコルトたちキメラアントは、「選別」後も そのままの姿で念能力を発現させました。頑丈なアリらしい念能力の引き出し方です。

かよわい人間たちは、この庭園にある「繭のような実」のなかで、何かに生まれ変わろうとしているのでしょうか。ノヴが言う人間兵器よりも おぞましい存在になりそうだ……。


ピトーの「円」が いつ復活するか分からない状況のため、宮殿に侵入したノヴは生きた心地がしていません。護衛軍に発見されたら、次の瞬間には捕まってしまう。

ここで遭遇した見るからにザコそうなアリですら、即座に仲間と電波で交信できます。一瞬の判断の遅れで人生が終わる最大の危機から、瞬時に最高の攻撃を仕掛けられるノヴが素晴らしい!

窓を開く者」(スクリーム)は、すべての念能力のなかでも最高峰の攻撃力です!おそらく「4 次元マンション」を応用した技で、対象者の一部分だけ どこかへ転送するのでしょう。

岩明均先生の『七夕の国』から借りた能力でしょうね。

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よくよく見てみると、アリと踊っているように華麗なステップで跳ぶノヴが おもしろい! ノリノリの指揮者にも見えます。


無理だ これ以上 進めない… !!」の緊張感が すさまじかった!

ノヴが見た恐ろしいオーラはシャウアプフの「円」だから、そもそも上の階へ進むことは不可能だし、そうする意味もない。そのため「無理」なこと とは、作戦決行の当日に このオーラの持ち主と戦うこと も含まれているのでしょう。

命を落とすこと以上に恐ろしい凶兆に震えるノヴとは対照的に、楽しそうにノヴから情報を 搾り取ろうとしているピトーがキュートです! ポックルの件(「あっ あっ」)をコルトから聞いていたのでしょう。

昨日の感想で書いた『冷たい熱帯魚』を思い出す……。

『冷たい熱帯魚』はスゴ映画! 村田幸雄よりも恐ろしい邪悪な存在とは? | 亜細亜ノ蛾

No.252 「6-9」

ノヴは、パームの肉体を利用(ごくり……)じゃなくて、彼女が持つ千里眼の能力を利用することだけが目的で、アヤシい主従関係を築いているのかと考えていました。

ところが この回を見ると、すくなくとも愛弟子としてパームのことをノヴは心配している。これには安心しました。この巻の「新・パーム」を見たから、すこしでも報われて彼女には幸せになって欲しい。

別れた後で相手の大切さに気づくことは よくある話です(経験者は語る)。シャウアプフの凶暴な オーラ視ただけで 精神(こころ)が折れて しまったノヴは、いま初めてパームへの思いに気づいたのかも しれませんね。

ひょっとしたら、普段のパームが貞子もバク転で逃げ出すような容姿をしていたのは、「ほかの男」に言い寄られないようにノヴから言われていたのかも。

彼らの恋愛が始まるのは、きっと これからです。

──とか、そんな話じゃねェから!!


ノヴは勘違いしているけれど、彼が見たのはピトーではなくシャウのオーラです。そのため、大げさにノヴがショックを受けているように感じていました。

ネフェルピトーよりもシャウアプフのほうが、より凶暴なオーラを持っている──という描写だったのかも。


「肉」を運ぶ業者たちは、コンテナの「中身」を知っているのだろうか──。また、どこから どうやって「調達」したのか気になるところです。何も知らない人民が賃金を目当てに乗せられているのかな……。

一方、これから どのような扱いを受けるのか知った上で、「長官の 御目に とまったの だわ」と歓喜する女性たちも哀れに見えます。

でも、キメラアントの王が来る前から、すでに国民の未来は真っ暗だった。ビゼフに特別扱いされる人なんて、「レアモノ」よりも珍しい。それに、彼女たちは国内で一番安全な場所にいる。たしかに喜ぶべき状況ですね。


パームの能力が正確に明かされました。

この条件と先の展開を見ても、やっぱり「ビスケを探し出せた理由」は不明ですけどね。「女のカン」でも無理だ。──なぜかキルアが、ビスケのブロマイドを持っていたりして……。

「王と護衛軍を自分の目で見ること」という重要な 任務を背負って乗り込んできたパームは、それ以上に大事なことを胸に秘めている──。ここにも命を懸ける女性が現われました。

パームが危険を承知で任務を引き受けた理由は、人類のためなのか、使命感なのか、それとも──ノヴのためか。

No.253 「6-10」


地下の教会で戦う 2 人の男──いや、2 匹の獣は どちらもセリフが渋い! 今回もメレオロンやイカルゴのように、レオルも仲間になるのか──と思わせる小粋な戦いでした。

しかし、「TUBE」(イナムラ)を「自分の友だちから盗んだ」モラウは思っているし、レオルも王に恩を売ることしか頭にない。ゴンやキルアたちと違って、今回は出会い方が悪かったですね。

このマンガでは「趣味の合う奴」同士を戦わせることが多い。むしろ、お互いに憎み合って争うことなんて、これまでに なかったのでは? パームがキルアを追いかけた時くらいかな。そして この 2 人は今後──。


「波乗りをするライオン」の絵が まず楽しい。若々しい格好のレオルに よく似合っています。

しかし、借りている念能力は「水(ナミ)を 呼ぶ」という部分だけのはず。レオルは元々サーファだったのでしょうか。NGL の住人やライオンにサーフィンができたとは思えないから、密入国したギャング当たりだと見ました。

「TUBE」は雨の日しか発動しない上に、借りてから日も浅いはずなのに、もう「渦波」(トルネイヴ)という独自技を編み出しているところが すごい。

レオルの身体能力とオーラが優れていたことと、シャウアプフが最大限に才能を引き出したのでしょう。「選別」に生き残った人間たちも同じように強化されたら──打つ手がありません。

絶望的な状況のなかで、それでも余裕のある態度で「今度は こっちの 番だぜ」などと笑うモラウは、なんだか「フラグ」が見え隠れする──。

おわりに

今回のタイトルは、某・世界的キャラとは関係ありまs

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