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『HUNTER×HUNTER(ハンター×ハンター)』 No.24 「1-4」

a dense mosaic of tiny individually colored scales 目覚める者と──眠らされる者

第 24 巻の後半は、女性たちの活躍に注目です!

野郎どもも戦っているけれど、なんだか のんきに見えるんですよね。それに比べると、彼女たちは命がけで戦っている。

これまた いつもの口調で、「冨樫先生は緩急の付け方が上手です!!!1」と言いたくなる対比でした。みんなノンビリだったら気が抜けるし、全員が緊張していたら肩がこる。

とくに、ほかの「ジャンプ」マンガでは絶対に見られないような「女ならではの戦い」に注目ですよ!

No.254 「6-11」

今までの 闘(や)りとり」という言葉が小粋です。

ところが肝心の「わかったこと」は、すべて単純な推測というところが弱い。ヂートゥのように短気な相手にしか、モラウのハッタリは効果が ありません。

レオルは王の器ではないし慎重だけれど、そこまで小者ではない。グラチャンから借りているわりには、すでに「TUBE」(イナムラ)を使いこなしている点でも強敵です。

その上、雨の日に水で閉ざされた 地下教会──と「TUBE」には絶好の条件も そろっている。しかし──。

現時点ではレオルも読者も知りようがないけれど、じつはモラウにとっても自分の資質を生かせる状況でした。モラウが「何ハンター」か分かっていれば、レオルも ほかの能力を選んでいたでしょうね。

モラウは鯨並に潜り続ける 事も可能なのか──とレオルは考えている。でも、摂食から出産・育児まで全て水中で行う完全な水生動物と同じには いかないでしょうね。

クジラ - Wikipedia


レオルを倒せるほどの二酸化炭素は、モラウ自身も吸い込んでいるはずです。以前の感想でも書きました。たとえば、煙でレオルを包み込んで、その内部の空気を吸い尽くす──といった技のほうが良かったな。

休日に HUNTER×HUNTER 感想書き 秋の紅葉 観ることもなく | 亜細亜ノ蛾

また、「グラチャンは生きている」とモラウが考えていることは意外です。あれだけレオルに激しい怒りを向けていたから、てっきり「グラチャンを食って能力を奪った」くらいに考えているかと思いました。


HUNTER×HUNTER』史上(「ジャンプ」史上?)で最大にヤバイ場面が、この「お休みビゼフ長官」です!!

一般家庭では見ないような円形のベッドの上には、不思議な棒状の物体が置いてある。さらに奇妙なことには、録画する装置まで整っています。

──なぜかなー(棒)。

任務のためとはいえ、パームもツラい目に あいましたね……。ただし彼女自身は、1 回ツバを吐く程度のことにしか感じていません。これからの重要な仕事に比べれば、ビゼフなんて気にしているヒマはない。

われわれも、素早く気持ちを切り替えましょう。ビゼフが録画した内容を見ながら──。

No.255 「5-1 ~ 2-1」

巻頭カラー(だった)ページで直立する王の迫力と、扉絵のコミカルさとの差が激しすぎる! どちらも「化け物」が主役のイラストだけれど。

この 4 人が そろう日は来るのだろうか──。


イカルゴがキルアを運んできた場所は、裏の 人間専門の 闇病院でした。何かを指さして叫んでいるナースが かわいらしい!

まさか、ゾルディック家の人間を治療していたとは、医者たちも思わなかったでしょうね。しかし ここでは、誰でも「金の成る木」で しかない。家柄や血筋よりも、血と肉が「使える」か どうかが問題だ。

キルアの回復力にも驚かされたけれど、ここの病院の設備は意外に整っています。命が救われたのだから、2 日分の入院費を含めて 180 万ジェニーも法外では ありませんね。電話代のほうが高く感じる。

そういえばキルアは電話を借りているけれど、自分の携帯電話は紛失したのだろうか? その電話をキメラアントが拾って──という展開も あったりして。

人間の姿に化けているイカルゴは笑えましたね。

イカルゴの知り合いである「モグリの医者」は、じつはハッキリとは登場していません。イカルゴの母親みたいなナース(失礼)が その医者という可能性もあるけれど、たんに治療費を請求しに来ただけにも見える。


東ゴルトーへの潜入時は子どもらしい体つきに見えたキルアが、ここでは格闘選手のような肉体を披露しています。すみずみまで整備が行き届いたスポーツ・カーのような印象を受けました。

キメラアントの師団長をしていたイカルゴですが、友達(ツレ)と呼べる存在はいなかったようです。「友達が友達 助けるのは 当然だろ」なんて言い合える相手が、ずっと欲しかったに違いない。

それは、ほんの少し前のキルアも同じです。

そして今までのキルアは、ゴンを通してしかツレができなかった。キルアひとりではイカルゴが初めての友だちなのかもしれませんね。

命を賭けることと 命を軽く扱うことは 似てるようで 全然違うぞ」とイカルゴに言ったキルアの言葉は、おもしろいことに前半の王への忠告にも聞こえます。

今から地獄へ出発しようという時に「目の前に 楽園だぜ?」と言い返せるイカルゴや、「致死量 ギリギリの毒を──」のセリフも格好いい!

すでに 2 人は名コンビですね!


メレオロンとナックルは、昔からの友人みたいに打ち解けています。この 2 人は、絶対に仲良くなれると分かりきっていましたよね。

ここにレオリオが来たら、すぐに全員とバカ話ができると思う。キメラアントなんて知らなくても、「みんなゴンのツレ」で十分です。


アカズの棋士も、命を賭けて戦い続けていた。さらにはシャウアプフの敵意まで向けられています──。

ある意味では、彼女が一番過酷な戦場に居続けている。

No.256 「2-2」

だんだんとシャウアプフの本性が分かってきました。この人だけは、自分の意志で自分の命を絶つことは──絶対に あり得ないでしょうね! 見た目は怪物なモントゥトゥユピーが、一番まともだったりして。

アカズを最大限に危険視するシャウアプフもまた、自分自身が彼女を神格化しつつあることに気づいていません。

この女」・「彼女」・「」──と心の中でアカズを呼んでいる。つまり、ちゃんとした人間として人格を認めている証拠です。その上、「軍儀王」とまで呼称している。

もしもシャウアプフがアカズを下の存在に見えていたら、もっと差別的な言葉で呼ぶはずです。

(今までの記事で「アカズ」と呼んでいるのも差別的だけれど、劇中で明かされている単語を使っているだけなので良しとしてね!)


王とアカズは のんきに軍儀談義に花を咲かせています。完全に「先生から教えを学ぶ生徒」と化している王が、なんだか かわいらしかった。

塔の上で「うにゃ~~~」と叫ぶネフェルピトーがキュートです!

本当ならピトーは、今すぐにでも護衛から抜け出したいでしょうね。この時点では、そうやって逃げ出す可能性もあったと思う。ピトーの忠誠心が不透明だからです。


突入の計画について話し合うメンバのなかでも、キルアは元・プロだけあって、この手の作戦について誰よりも詳しい。パームについても嫌いだから冷たいわけではなく、専門家として冷静な意見を出しています。

でもキルアは、何に ひっかかると感じたのだろう?

シャウアプフが王の近くに寄れなかったり、アカズの存在が大きくなってきたり、たしかに王宮の中では異変が起きている。しかし、それらは外部には絶対に分からないはずです。

キルアの心配性が治っていないだけかな。

No.257 「1-1」

アカズの少女棋士・コムギは、おそらく これまでの棋譜を 全て記憶しているという。彼女もまた怪物だったのか──!

彼女が初めて名乗る場面は、こうなるかと思いました。

「コッココ・コムギか なかなか いい名前じゃないか」
コムギ
「あ… はい(まっ いいか)」
シャウアプフ
「(いいのかよ)」

そして盲目の少女が怪物に名前を聞く──という場面が、どうして これほどまでにロマンチックなのか! 2 人の恋愛が始まるのは、これからです──って、そんな話じゃない……のかなぁ。

コムギからしてみれば当然の質問をしただけなのに、自分の力では手に入れられないモノを「絶対の王」が知る──という重要な場面でもある。

王は、自分が唯一無二の 存在であることを、ただの前提と軽く言う。これこそ王の器ですが──、護衛軍どころか兵隊蟻でも持っている自分の名前を、王は知らない。

護衛軍の 3 人は王の名前を知らないから、聞かれたところで答えようがありません。無理難題を言い付けられることは日常茶飯事だからか、あまり困っていない点が愉快でした。


国民大会と偽って人民たちを「選別」し、そこで得た兵士を利用して世界統一へ乗り出す──という考えは、そもそも王が言い出したことなのだろうか?

たいした 意味もなく幼い芽を抓んだ王は、強さにも色々 あると学んだ今では、深く後悔しているのか──と この回には思いました。自分自身に対して強い怒りを向けているのかな、と。

興味深いことに、コムギは「王が初めて『選別』した人間」とも言えます。彼女が光に 包まれて覚醒」したことが、念能力に目覚めた結果か それ以外かは不明ですけれど。


ピトー・ユピー・プフという あだ名は、絵本の『カロリーヌとゆかいな 8 ひき』シリーズから来ているようです。

No.258 「1-2」

暴力こそ この世で最も 強い能力(チカラ)」とは、残念ながら歴史が証明した事実でしょう。どれだけキレイゴトを並べても、たった一発の銃声や握り拳で ねじ伏せられる。

ただひとつ暴力に勝ちうる力が、昨日の感想でも書いた「美意識」だと思います。

──言うまでもなく、「美しい」とは外見的なことだけに限定していません。むしろ内面的なことが重要です。美を追究する精神──暴力を醜いと断言できる心こそが、武力に対抗できると信じている。

ドラゴンボール』で最強の敵である魔神ブウに対して、宇宙で ただ一人「友だちになる」という平和的な解決方法を実践したミスター・サタンが、あの作品で一番美しい。──のかなぁ……(もう前言撤回!?)。

コムギがサタン的な立場に なっていきそうで、おもしろいけれどハラハラします。だって、いろんなところが『ドラゴンボール』とカブっているからなぁ……。モラウは筋斗雲に乗っていたし。


コムギを襲っているカラスは、前話の終わりで意味深に飛び立った鳥でしょう。ここでカラスがいなかったら、王は本当にコムギの命を奪っていたのだろうか──?

コムギに向ける王の気持ちは、妹に対する兄のような感情だと見ています。もちろん、コムギと王との間に血縁関係は皆無ですけどね。

世界の王に なるべく生まれてきたメルエムですが、すべての生物が持っている本能の 1 つとして、家族を思いやる心も受け継いでいるはず。その感情が、ほかの国民へも向けられると良いのですが──。


キルアが心配する「予期せぬ出来事」は、今まさに王宮で起こっている。ピトーが「円」を使っていなかった理由を推理だけで解いていく場面は、いかにも冨樫作品らしい展開でした。

ただし、考えすぎると動けなくなります。それはそれでキルアの性格が よく出ているけれど、モラウまで巻き込まれつつあるから心配だ。


コルトが育てている「レイナ」は、成長が異常に早いですね! 人間で言えば、2-3 歳くらいの幼児に見えます。

王や護衛軍・兵隊蟻たちは、ある程度の大きさになってから産まれました。ところが「レイナ」は、胎児の状態で生まれた初めてのキメラアントです。人間に一番近いのでしょうかね。

そして、人間だったころを覚えているのかな──。

No.259 「1-3」

プフが もっとも警戒していることは、物質移動ができる 能力者に王を強制移動させ られてしまうことでした。ネテロ会長を中心とした突入作戦の目標とも一致していて、さすがにプフは鋭い。

でも この仮定からすると、たとえ王の近くで護衛していても、「王だけを瞬間移動できる能力者」の存在を用心しても良さそうな気がする。クロロがノブナガに対して使った能力ですね。

プフの深層心理では、むしろ自分の力で王を守ることが最優先なのだと見ました。なんだかんだ言いながらも、最終的に自分で王の周囲にいることを選んだ点が証拠です。


髪の毛が真っ白になるほどの恐怖を味わったノヴは、まだ任務に関わろうとしている。精神的なショックを強く受けたのに、念能力も解除されないから、彼もまた怪物ですね。

ナックルたちは、ありとあらゆる状況を想定しています。それでも、国民大会の延長や中止だけは絶対にない──とメレオロンは断言している。それは事実ですが──。

おそらくシャウアプフは、そこを逆手にとって「選別」の決行を早めたかったはずです。「統一」の計画も早急に実現したかったけど王に邪魔者扱いされたから、大会の予定変更は言い出せない。


王がカラスを駆除したことも、「円」でピトーは知っている。コムギのために王が大きく変わったことを、ようやくピトーも気づきました。

いよいよ「王(アレ)は要らない」が来たか?(ガタッ

No.260 「1-4」

チョウチョが元になっている(と思われる)プフは、鱗粉に催眠作用がある。華麗な彼らしい能力です。役に立った場面が すくなかったから、ようやく活躍できましたね。

そしてモラウたち討伐隊にとっては、人民たちの催眠状態は好都合──というところが面白い。


いびきを立てて眠っているナックルの姿は、『幽☆遊☆白書』の桑原を思い出しました。起きてすぐに会話ができるところから考えて、眠りながらでも周囲に気を配れるのでしょう。

突入前に おのおのが考え合う場面は、しんみりとした良い ふんいきです。

ただ、宮殿内には潜入できないノヴは例外として、ゴンだけが私的な理由で作戦に加わっている。任務のため使命感に燃えているメンバのなかで、ゴンの意識のズレは、作戦の重大な致命傷に なりそうな気がします。

キルアが身に付けたという「神速」(カンムル)でゴンを助ければ大丈夫──なのか?


キメラアントの王直属護衛軍のなかで、いまだにモントゥトゥユピーの性格だけが つかめません。プフのように本を読みながら王に貼り付いているわけでもないし、何が趣味で何が好きなのだろう。

一方、王も自分自身のことが分からない。しかし──、

何の為に 生まれて来た…?

──その答えを出せる者は、人間でも限られている。


いよいよ突入の直前で 7 人の緊張感が高まるなか、パームの安否も物語の行く末も、まるで見当が付きません。

メタな視点から見れば、ノヴの離脱もパームの行方不明も、潜入作戦をおもしろくするためでしょう。すべては作者の手のひらの上で 転がっている──。

もしコムギのことを知っていたら、突入できたのかな?

おわりに

タイトルが指している者とは、生きる道を見つけたイカルゴと、覚醒したコムギと、そして──。

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