デクスター ~警察官は殺人鬼』 シーズン 5(Dexter (season 5))

Dexter すべての行動は──血が作り出す

デクスター』シリーズのブルーレイ・ボックスがシーズン 1 ~ 6 まで一気に発売されます!

さらに、少なくともシーズン 8 までは続くことが明かされました! あと数年はデックス漬け(血まみれ?)の日々が過ごせそうですね!

ニュース:製作総指揮が明言! 『デクスター』はシーズン8で終了する! | 海外ドラマNAVI


そんな時期に、ようやくシーズン 5 を見たので感想を書きます。今シーズンも おもしろかった!

自分なりに考えたシーズン 5 のテーマは「後悔と前進」です。人間 誰しも後悔する。いつもニコニコと笑ってばかりは いられない。しかし、そこから前を向くことが大事です。

亡き妻との出会い

リタ・ベネットジュリー・ベンツ)を最初に見た時には、とくに興味が持てませんでした。それほど重要な人物になるとは思わず、恐がっているわりに積極的な態度が奇妙に見えてしまう。

デクスターも似たような感想だったらしく、シーズン 5 の回想シーンはヒドい態度でした。2 人の初デートなのに、デックスは(違う意味で)標的のことしか考えていない

回想シーンは「美しい思い出」として見せることが普通です。たしかに光り輝いているような美しい映像だったけれど、その行動は悪い意味で忘れがたかった。

──その演出が素晴らしい!

デクスターの「もっとリタを大事にすれば良かった」という思いに共感できました。ここで「リタとの感動的な思い出」を映して「お涙ちょうだい」に持っていったら、大半の視聴者は心が動かない。

ラストに出てきた「一見 簡単に見える 他人と絆を結ぶのは…… この世で一番難しいことのはずなのに」という言葉は、じつは一般論では ありません。デクスターならではの視点なのに、見終わるころには自分のことのように感じます。

成長する報復者

ルーメン・アン・ピアスも また、最初は好きになれず、2-3 話で消える(消される)存在かと思っていました。見るに堪えない姿で登場したからです。

ところが、ジュリア・スタイルズの演技が見事でした!

ルーメンの心に刻まれた狂気と恐怖の苦しみを感じさせ、そこから生き生きと立ち直っていく姿勢に応援したくなります。

メイクなのか演技なのか、だんだんとキレイになっていくルーメンにも注目ですよ! なぜキレイになるのか? ──が分からない人は、デクスター並に鈍感ですね!

甘い殺人鬼

デクスター・モーガンマイケル・C・ホール)も、社会人として・人間として・殺人者としての自分を取り戻していきます。シーズンの最初は落ち込んだ表情が重苦しくて、物語が進行するか どうかを含めて心配でした。

もう 1 つ残念だったことが あります。デックスが復帰した きっかけは、「無関係な一般市民」を惨殺したことでした。その行為をハリー・モーガンジェームズ・レマー)が「人間らしいこと」と呼んでいる点も納得できない。

前(の前)のシーズンでも気がかりだったように、どんどんとハリーの──いや「デクスターの掟」は、基準が甘くなっていく……。お父ちゃん、完全に悪者やがな。

デクスター ~警察官は殺人鬼 シーズン 4 - 彼女を力強く守る者は誰か | 亜細亜ノ蛾

デクスターは、あくまでも殺人鬼──専門の殺人鬼で あって欲しい。「正義の味方」として描く必要はないし、描いたら台なしだけれど、ターゲットは連続殺人の犯人に限定するべきです。

だましあい夫婦

マリア・ラゲルタローレン・ベレス)は、エンジェル・バティスタデヴィッド・ザヤス)との結婚後も、自己保身と出世欲の塊ですね。

この夫婦には、両方とも上手に だまされました!

今までの状況を見れば、マリアの浮気を疑って当然でしょう。むしろ、エンジェルが無関心だったら夫として・男として失格です。ただ、話し合いの時間を取るべきでしたね。

お返しとばかりに、「エンジェルがクラブでナンパ!?」という流れも楽しかった。彼も前科が ありすぎるから、絶対に引っかかってしまう。

彼女の善悪

デボラ・モーガンを演じたジェニファー・カーペンターが今シーズンも最高でした! とくにマリアとの口論は、画面から熱意が伝わってくるほど迫力が あって圧巻です!

リタが居なくなって兄貴と同じくらいショックを受けたはずなのに、葬儀の準備まで引き受けるデボラは偉い! その上、捜査を進めながらハリソンの面倒まで見ているし、またもや恋に落ちていますよ!

最後にデボラは、刑事として初めて「悪いこと」をします。あの場面はキワドくて良かった! 父親を尊敬して まっすぐに突き進んできた彼女が、悩んだ末に取った行動です。

しかし、デボラは後悔していないでしょう。

あぶなかった刑事

そのデボラを見て、「男みたいだから好き」と言うジョーイ・クインデズモンド・ハリントン)も おもしろい。ズバッとモノを言い合うカップルは、見ていてハラハラしますが、同時に すがすがしいですね。

そもそもデクスターに目を付けた時点で、この世界では寿命が半分になる。さらには、デボラの恋人には「死亡フラグ」立ちまくりです! どうやってクインが「フラグ」を回避するのか、ワクワク──いやドキドキして見ていました。

結果的に「マイアミ最大の大量殺人犯」をクインは取り逃がしたわけですが、ここでも「悔い改めた」ことで生き延びた点が興味深い。

──で、クインの身代わりに「フラグ」を突き刺されたリディは、なんとピーター・ウェラーが演じていますよ! 『ロボコップ』が とうとう悪徳警官に なってしまった!?

ワルぶるお年ごろ

ワルと言えば、アスター・ベネットクリスティーナ・ロビンソン)が不良に なっていてビックリです! ケバい化粧が──まったく似合っていない点は一安心だけれど、最後までメイクをしていて これから不安でした。

アスターのトゲトゲしい言葉は、デクスターだけではなく自分の心も痛い。「デクスターが来たから みんなが不幸になった」と言われたら、事実だから何も言い返せません。

それはそれとして──、ルーメンのことを「ヤレたの?」とデクスターに聞くアスターには、全米の お茶の間が凍りついた! (発言の真意は本編をご覧ください)


コーディー・ベネットダニエル・ゴールドマン)は「背が 30cm も伸びた」そうで、これは実際に起きたことでと見ました。人気シリーズで子役を起用することは、苦労の連続でしょうね。

ハリー・ポッターの最大の敵は、「加齢」に違いない!

シーズン 6

「シーズン 6」の発売・レンタルは目前です! ぜひ下のリンクから予約をどうぞ!

余談

今回のサブタイトルを最初は「すげぇ奇跡をつかみ取れ!」に しようかと考えました。しかし、あまりにも小物だったジョーダン・チェイスジョニー・リー・ミラー)よりは、いつもどおりにゲーテの言葉を借りました。

行動するものはつねに没良心である。
省察するもの以外、誰も良心がない。

普通は「行動的な人」を誉め言葉として使われているのに、「良心がない」なんて言われるとドキッとしますね。たしかにシーズン 5 で行動的な人物は、良心的とは思えません。

一方でゲーテは、「あせることは何の役にも立たない。後悔はなおさら役に立たない」とも警告しています。後悔省察との差は微妙で、場合によっては同じでしょう。気の持ちよう──かもしれない。

人はパンだけを食べて生きていけないし、良心のためだけに生きているわけでもありません。後悔はホドホドにして、省察の時間を上手にとって、それから行動しましょう!

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