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SKET DANCEスケット・ダンス)』 第 28 巻 「スイッチ・オン」

Cat Scanning いつか窓は開かれ──光が差し込む

第 28 巻の後半は、「スイッチ・オン」を最後まで描きました。重苦しい話だったけれど、スケット団が存在する意義をあらためて示す重要なエピソードです。

後日談(前日談?)の「その頃の」は、軽い息抜きになって いました。無関係なギャグ回を持ってくるよりは、後味の良い余韻が残りますね。

第 248 話 「スイッチ・オン 8」

奥山は まったく懲りていなかった!
もともと裏サイトを作って「粛正」なんてやっていた性格だから、笛吹のことを知れば報復を考えて当然です。前回で管理人の謎を解いた時に、藤崎はそこまで考えておくべきでしたね。

片桐は反省して、被害者たちに謝罪を決意しています。もしも彼がいなかったら、藤崎たちは今回の襲撃を知りようもなかった。笛吹を「引っぱり出す」人物が奥山になるところだったかも。
ただ、あとで分かるように、両親が芯の しっかりした人たちだから、不良たちが来ても和義の部屋は守り続けたでしょうね。


体を張って報復を止める藤崎は、格好良いが痛ましい。
ボッスンは「ケンカがダメ」という印象でしたが、それよりも「やる時にはやる」気合いのほうが大きいのです。ヒメコが さらわれた時も、機転を利かせて乗り切りました。
遊び半分でケンカやら報復やらに手を出す連中よりも、本気で立ち向かったり止めようとする人間のほうが強い。

『SKET DANCE(スケット・ダンス)』 第 26 巻 感想・2 | 亜細亜ノ蛾


「鬼姫」ではなくなった鬼塚は、「スイッチ・オン」では まったく暴力に頼っていません。「殴られても分からないヤツ」である奥山を たたいたのも、彼女にとっては暴力に入らないでしょう。
しかし、殴られるより・殴るより、藤崎が殴られる様子を黙ってみているほうが、鬼塚には つらかったはずです。

第 249 話 「スイッチ・オン 9」

笛吹が動揺する場面は珍しい──こともなく、いままでも よく焦りを感じていました。ただし、じつは彼とは無関係な物事(ボッスンが大変な目にあった・爆発したなど)に対して驚くことが多い。
さすがに、今回のように泣く場面は皆無だけれど──。

過去編以外では、スイッチを中心として彼の心理を描く場面は少なかった。だから、どこか「第三者的な視点」に見えて、「スイッチ黒幕説」まで連載の初期では考えました(なんの黒幕?)。
作者の篠原 健太先生は、意識してスイッチを遠くへ置いているのでしょうかね。笛吹の過去編に対する気合いの入り方を見ると、彼を通して作者が本当に訴えたいことは まだある気がします。誰かモデルがいるのかな。


藤崎が言うように、部屋に閉じこもった結果、笛吹は悪い方向へ変わってしまった。友だちの気持ちを考えることは大事だけれど、そっとしておくだけが正解じゃない。

おもしろかったのは、けっきょく藤崎が「正しいかどうかは わかんねえ」ままに笛吹の部屋まで来たことです。彼はカウンセラでも教育委員でもないし、ただの高校一年生として・藤崎佑助として、この行動は正しい。

それはそれとして──。
最近の週刊連載でも藤崎は、「友だちが押し掛けてきたんだから相手をしろ」という展開が ありました。笛吹だけが特別じゃなかったのか!


その窓が こじ開けられ─」の場面が ついに描かれました! ──が、まるで印象が違う!
心の大きく傷を負った笛吹には、これくらいの衝撃が ちょうど良かったですね。

最初に読んだ時は、「カベをよじ登って窓を割った」みたいに読みましたが、よく見るとベランダに藤崎と鬼塚が普通に立っている。じつは その前に、ちゃんと母親に許可を取る描写も あるのです!
スクスク育った弟の「スイッチ」を見ると分かるとおり、両親はノビノビと子どもを育てたのでしょう。
現在の和義が家で過ごす場面も、いつか見てみたい!

第 250 話 「スイッチ・オン 10」

藤崎が言う「文句 あるか!」は、「文句があるなら言ってみろ」という意味です。本当は ここで、笛吹に怒鳴って欲しかったでしょうね。
男なら拳で語る時もある──なんて時代後れだけれど、たまには本当に必要です。

一方で、赤の他人に対して暴力で黙らせるチンピラもいる。笛吹の父親は、よく こんなゴツい男を注意しましたね! 「昔は雇い兵だった──」みたいな裏設定でも なさそうなのに。

そして、一番強いのは鬼塚だった。
──と三段オチみたいになっていて笑えます。このシリーズでは、鬼塚は ずっとガマンしてばかりだったから、ゴリラ顔の彼でストレス解消していたりして。


思わぬ所で 3 人が力を合わせる場面になり、笛吹の「あと一歩」を踏み出す きっかけができて良かった(ある意味ではゴリさんに感謝?)。
解決が不可能と思われることでも、時機が来れば先に進むことも あります。その一歩を助けるのがスケット団ですね!

──「この寒い日に窓がなくて笛吹は大変だな」などと無粋なことを思いつつ。

第 251 話 「スイッチ・オン 11」

ごく普通に笛吹と接した小田倉が素晴らしい! 彼のおかげで、笛吹がクラスに打ち解ける次の一歩を踏み出せました。

弟の件では不幸の連鎖が起きてしまったけれど、笛吹の周りには幸せをもたらす同級生ばかりです。
たとえば、小田倉は性格的に避けられそうなのに、彼が倒れた時は心配する生徒が多い。しかも、笛吹に対して普通に原因を聞いています。
まさに「何ていい クラス なんだ」!

笛吹の気持ちは、他人には完全に理解できるはずがない。そのため、共感することは不可能だし、同情も重荷になるだけです。かといって「なかったこと」にも できない。
そこで、弟のことを「大事に しないとな」と声を掛ける同級生が見事でした!

──じつはコミックスの 5 巻を読み返すと、けっこう陰口をたたくクラスメイトも多い。そんな環境にいたら、もっと笛吹の心が壊れていたでしょう。
今回の件で空気が変わって良かった!


それでも現在のスイッチは、いまだに しゃべらないし笑わない。パソコンも手放しません。
「『SKET DANCE』では良い意味でも悪い意味でも『人は変わらない』ことを描く」と このブログでも何度か そのことを指摘してきました。

スケット団にできることは手助けだけで、他人を救うことはできない。いや、「救う」なんて考えるべきではないでしょう。
あくまでも自分を救うのは自分だけです。

第 252 話 「その頃の」

ヒメコのチョーカは、連載の当初から気になっていました。ほぼ どんな状況でも外さないから、首に傷でもあるのかなと思ったりして。

『SKET DANCE(スケット・ダンス)』 第 23 巻 感想・1 | 亜細亜ノ蛾

それが まさか──、こんな しょーもないアイテムだったとは意外にもホドがある!
ヒメコにとっては「大事な人」から もらった物だから、いつまでも大切に しているのでしょう。それでも、チョーカのために髪型まで変えるなんて──。ヒメコとボッスンは付き合っちゃえば良いのに。


付き合えば──と言えば結城澪呼とスイッチです! 初めての会話から良い空気じゃないですか!
意見の相違で「一瞬で 終わった」なんて言われているけれど、むしろ仲良く始まった感じがする。

一昔前までは「スイッチと澪呼」・「ボッスンとロマン」という恋人同士を予想・夢想しました。それが いつの間にか、女性陣が両方とも「お笑いネタ担当」に降格(昇格?)されている──。

少年マンガ──とくに「ジャンプ」では、恋愛を「ゴール」として描きすぎです。連載中に主役級が恋人同士になったり別れても、中高生として自然でしょう。
篠原先生だったら、『スケダン』の作中で自然な恋愛が描けるはずです!

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