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恋染紅葉 4』 坂本 次郎×ミウラ タダヒロ

IMGP0578.JPG 天に昇るほど──もえ上がる

コミックス第 4 巻の表紙は紗奈が飾りました!
本編とは一味違う表情の秘密は、ふんわりとした塗り方です。少年マンガのカラーと言えばコピックでアッサリ塗りが多いなかで、『恋染紅葉』の表紙は かなり目立つ。
何十巻も並んだら壮観だったろうなぁ──。

連載終了後の世界を描いた描きおろしが 3 話分と、番外編まで収録された豪華な 1 冊です!
ぜひ、紅葉色に染まってください!(ビンタのこと?)

告白の行方

葛城 翔太(かつらぎ しょうた)の告白に対して、紫之宮 紗奈(しのみや さな)の返した「わたしも! 好き…かも!!」が笑えました。サナらしい正直さとヘンテコさが、この一言で表現されています。
「じつは以前から紗奈は翔太を見ていた」話も良い味付けでした。翔太の良さである一所懸命さ優しさは、少年マンガの主人公らしい分かりやすさでは ありません。こういう過去のエピソードを早くに重ねて欲しかったな。

告白後の ふたりを見られて良かった。
「つき合っている」けれど「会えない」──つまりは『バクマン。』方式の恋は、翔太と紗奈の年齢には厳しいでしょう。自分なら想像するだけで心が折れる。
少年マンガでは、恋愛中の男女をハッキリとは描きません。紫之宮と葛城が本格的に恋をするのも、まだまだ これからです。その後の ふたりは想像するしかありません。

しかし、このモヤモヤ感は、恋愛の楽しさと似ている。

恥ずかしがり屋の葛城と世間知らずな紫之宮の恋愛は、なにもかもが新鮮です。お互いの新しい一面を何度も発見するでしょう。たぶん、ケンカの日々も多いはず。その日常を見たかった!

恋の七転び

七里 由比(ななさと ゆい)の告白が胸にしみます!
「不憫ちゃん」マニアとしては、「どう転んでも残念な結果」に終わる由比に熱い視線を送りました。
この作品で一番カンの鋭いナナのことだから、告白する前から結果は分かっていたでしょう。さらに、「きょうい的な実力行使」によって、もしも翔太が一時的な欲望で由比を選んでも、それは彼女の希望では ないはずです。

それでも、由比には告白するしか なかった

ありがとう …翔ちゃん!」とナナが泣きながらでも笑顔で言えて良かったと思う。自分も涙が出てきました。
よく頑張った、由比……!

海音のフォローも素晴らしかった!
ナナの失恋自体には、救われる部分が見当たらない。けれども、海音や紫之宮・春日といった良い友だちに恵まれているから、七里も いつかは幸せをつかみ取るでしょう。
自分で自分を変えた強い子だから、由比は大丈夫です!

飛び立つ小鳥

春日 小鳥(かすが ことり)は かわいかった!

彼女が仲直りした友達とは、「7 ドロップス」のメンバでしょうね。でも、ツンデレな小鳥の場合は、プライベートな友だちともケンカしそうだからなぁ……。
そんな小鳥は「翔太病」に感染しています。紫之宮と七里を仲直りさせようと世話を焼く春日がキュートでした。
そりゃ、京子さんが見逃すはずもない!

ドキッ! 女だらけの「湯けむり慕情」

あと 50 回くらい前に「温泉回」を見たかった!
連載は終わっているから、いわゆる「テコ入れ」とは違い、コミックスを買い続けた読者への純粋なサービス──の はずです。
ところが、話としても しっかりしている。お色気だけではなく登場人物の魅力を掘り起こしています。
葛城 莉子(かつらぎ りこ)の視点から兄を見る構成も良かった。リコは「ウチのお兄ちゃんの 良さをわかる人」としてサナとナナの名前を挙げているけれど、最初に見いだした人物はリコ自身ですよね。
そんな分析なんか置いておいて──。

小鳥のタオルの巻き方がヤバかった!
春日 小鳥は、オレから何リットル搾取すれば気が済むんだ……! ──さりげなくタオルで「寄せて・上げて」いる努力に対する「涙」の量ことですケド。

怪しく輝く星

星 京子(ほし きょうこ)の存在も大きかった!
ワクドナルド」の窓に貼り付いている場面を見ると分かるように、京子さんは まだまだ「現役」で活躍できそうです。「女優」さんにも いろいろと存在するし……。

京子は、描きおろしの 2 本と番外編にも出演しています。おそらく作者の お気に入りでしょうね。
「ジャンプ」にはマニアックすぎるけれど、ほかの雑誌(や薄い本)で京子のスピンオフ作品が読みたいなー! 女性でなければ いつ逮捕されても不思議ではない彼女の暴走っぷりをもっと見たかった!

真打ち登場?

ギャルっぽく髪を下ろす海音(うみね)が最高でした!
最後のページは海音が飾っているし、やはり彼女こそが本作品の真のヒロインです! ──か?
完全に「猫娘」と化している海音ですが、ちゃんとメイク・アップしたらアイドル並に化けそう(「化け猫」的な意味ではなく)。

翔太の恋の応援ばかりしてきた海音にも、義孝(よしたか)の恋心に気がつく日は来るはずです。海音が どんな顔をして義孝とつきあい、翔太と再会するか、じっくりと想像して楽しもう!

おわりに

紅葉が散る前に、物語が終わりました──。
あまりにも早すぎる連載の終了です。「ジャンプ」で読んでいた時には、終了の数週間前から「終わっていく感じ」が悲しかった。
でも、しかし──。

ああ、おもしろかった! 次の作品も早く読みたい!

恋染紅葉』は、「アイドルに恋する高校生」という ありきたり(すぎて最近は見ない)な題材です。
そこを、登場人物と画力の魅力──つまりはマンガとしての おもしろさで読者を引っ張っていく。かなりの「マンガ力」を感じながら楽しみました。
この作者コンビが一作で終わるなんて もったいない!

もしも AKB48峯岸みなみさんが、『恋染紅葉』を片手に「アイドルでも恋がしたい!」とか叫んでくれていたら、復活も あり得た──かなぁ……。

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