『ニセコイ』 6 巻 「ホンバン」 1 – 彼女とは上手くいかない

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『ニセコイ』 vol.6 「ホンバン」

Romeo & Juliet
似た者同士が──恋に落ち

表紙の小野寺が最高に かわいい!
カバーをめくった下の絵や、カバーの折り返しも、コミックスを買ったあとの お楽しみです。それぞれの かわいらしさが出ていてサービス精神 128% でした!


さて、いよいよキスしてもいい…?」の続きです!
これまでにも(自分の ゆがんだ目と頭で見れば)スキあれば寝取──ネットリと楽に接近してきた小野寺が、とうとう「既成事実」を作る実力行使に出る! ──か!?

『ニセコイ』 5 巻 「タイフウ」 2 – 本当はダメじゃない | 亜細亜ノ蛾

第 45 話 「モヤモヤ」

結果は、安定の すれ違いでしたー。
ラブコメものではアリガチな「耳■ンボ」状態です(「ダンボ」ではない)。「こんなことは あり得ない!」とネットで話題でした(※オレ調べ)。自分も「なんでやねん!」と声に出してツッコんだ。

しかし、まったく意識をしていない言葉を急に聞いたら、脳が都合良く変更することは、日常的に起こることです。この「自分にとって都合の良い改変」がポイントですよ!
つまり、この「居眠りキムチ事件」は、桐崎が一条のことを好きになっている証拠で、無意識のうちに内容をわざと聞き違えた──と見ることも できる。

この回のラストも、千棘が楽を好きだからこそ、「本当の恋人だったら うまく行かなかった」と言われて傷つきました。


キムチでもいい?」と言っている小野寺の顔がセクシィ!(千棘からは顔が見えなかったはずだけど)
ほぼ 2 ページにわたって小野寺の顔ばかりな見開きも、小野寺ファンには胸にキュンキュンきます! なかでもレイp ──精気を奪われた目の小咲は珍しい。ヤンデレというか「病んでる」属性も発揮しそうな勢いでした。

だから、楽は永久に寝ていたほうが良かったですねー。


「水着回」も残念ながら終わりです。
ハイキュー』とコラボした『ニセキュー!!』の感想でも書いたように、意外と現実的なヒロインたちの体形が素晴らしかった!

『ニセキュー!!』 『ハイキュー!!』×『ニセコイ』コラボは誰得!? | 亜細亜ノ蛾

ONE PIECE』のナミやロビン(を始めとして女子全員)も、『ニセコイ』を見習ってウェストに肉を付けたほうが良いと思う。


さりげなく小野寺と桐崎が、ギネス・ブックに余裕で載れるくらいの芸術作品を作っています。それに対して主役もモブも無反応でした。
このフォローのないシュールなギャグは、あまり少年マンガでは見かけません。だいたい「なんでだーーー!(ガビーン!」とツッコミが入る。
今後の『ニセコイ』が、少年誌におけるシュール・ギャグの先駆者になったりして。

第 46 話 「エンゲキ」

ここぞとばかりに橘が目立つ回です!
どのコマの万里花も かわいらしい! とくに、「やりましょうよ 楽様~!!」(意味深)のコマは、顔文字みたいにデフォルメされたマリーの表情が良かった。

ふ~ん…?」と小野寺の恋心に気づいたかのような表情は、下の動画に出てくる先輩風を吹かせるマミさんが思い浮かびました。

どどどういうことだおい…!こ、こいつ!しし死んで…! ‐ ニコニコ動画:Q(1:48 あたり)


橘だけではなく、小野寺も絶好の機会です。
林間学校での写真に関する誤解も解けて、桐崎と一条の仲が悪い今こそ、小咲のネットリ☆タイムが来ました!
千棘のことを気にかけて「もやんぬ…」としている楽を、ウヤムヤのウチにナニしてしまえば、アレですよ!(?)

現実世界では、こういう亀裂の すき間を埋めるような時機に、男女の仲は新たな局面を迎えます。けっこうな「恋愛あるあるネタ」と言える。
しかし、この作品はラブコメものだから、そんなリアルなシリアスさは不要でしょう。ドロドロしていながら乾ききった過酷さは、現実ひとつで十分だ! (過去を振り返りながら)

第 47 話 「イショウ」

一条と桐崎との関係は、(まだ)「ニセコイ」です。
それでも楽は、千棘との「つながり」を感じていた。好きや嫌いよりも以前に、家族のような親密さで接する。心優しい一条らしい感情です。
──ただし、その点では小野寺や橘が相手でも同じだし、集英組の人間に対しても優しいけれど……。彼の中で恋愛が始まるまでは、まだまだ時間が かかりそう。

「桐崎とは合わない」と一条は言っているけれど、「嫌い」とは言っていません。千棘と同じで、このトリックには気づかなかった!


ジュリエットの衣装を着た小野寺がキュートです!
『小野寺のアトリエ』や『テイルズオブ小咲』みたいに見える。デフォルメしてある「」なミニ小野寺なんて、ゲーム化を意識しているとしか思えません!
本当にスピンオフでゲームが出ないかなぁ……。


橘は、この回も冒頭から飛ばしていました!
生き生きとした表情が愛らしく、積極的な女の子だから、読者も男子もニヤケてきます。しかし──。
万里花って──クラスの女子から思いっきり嫌われていそう……。その証拠のように、後半でも孤立した彼女が見られます。

それ以前に「なん股かけとんねん!」な一条も、全クラスの女子ネットワークに「女子の敵」として情報が流れているのでは? 普通の男子なら生きていけない!


一方、鶇はデフォルメ顔と後ろ姿だけだった。
なぜ衣裳合せでベストを尽くさなかったのか……! ポロリをいつやるか? 今でしょ!

第 48 話 「カイエン」

この回も、立っているだけで小野寺がプリティ!
桐崎との件さえなければ、一条も終始デレデレしていたはずです。演技の練習にも身が入っただろうから、「良かったら 2 人きりで 練習しない?」なんて展開も見られたかも しれないのに……!


またもや桐崎は、他人の手伝いに巻き込まれています。
──みんな千棘に頼りすぎ! 林間学校の時も彼女の気持ちも考えずに利用されて、乗り捨て目的で利用されるヨッシーみたいでした。
そして その結果、桐崎の料理ベタがシュールなギャグを展開しています(第 45 話の砂の城ネタみたい)。文化祭にテロリストが おるでェ!

『ニセコイ』 3 巻 「ヨビカタ」 2 – 運だけでは守れない | 亜細亜ノ蛾

「お嬢様で近寄りにくい印象」を消し去れたことは、桐崎には うれしいことだと思う。そのために彼女は努力してきました。一条と一緒に。誰かのために力を発揮する点では一条も同じです。
本当に似た者同士の 2 人ですね!


そして小野寺も、同級生のために自分を犠牲にする。
この場面は、『寄生獣』で母親がシンイチを助けるエピソードを思い出しました。意味は微妙に違うけれど、「火事場の馬鹿力」が出たのでしょうね。
ただ、自分の子どもや身内が相手なら分かるけれど、他人を助けるために動けるなんて すごい! 「宇宙よりも自分が大事」な自分は、このような状況で絶対に手を出しません。


桐崎に謝る一条が男らしかった。
いつもの「なかよく けんかしな」な言い争いのつもりだったから、楽に悪気はありません。しかし、それよりも千棘が傷ついたことを反省している。
その上で、正直すぎるほど本心を語る一条が男らしく・自分らしかった。
もしも、ここで「バカだな あれは お前──」なんて切り出したら、もう完全に修復が不可能です。

もしかして、いまだに楽のことを「女々しい女たらし」なんて思っている読者も いるのかな?
美味しんぼ (23)』でも分かるように、「もやし」とは人の役に立って中身のある人間の敬称ですよ!

おわりに

これ以上は二度とない機会を逃した小野寺と橘です。
彼女たちの「一発」逆転(意味深)は、後半で見られるのでしょうか……!? 小咲は ともかく、万里花は そんな星の下に生まれていない気もするけれど。