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鬼頭莫宏 『のりりん

Artisan, locally sourced, organic protein powder. Moving to Brooklyn and setting up shop. 時には──適量を超すことも大事

珍しく緊迫した前巻の終わりが気になっていました。
現役の女子高校生である織田 輪デリケートな部分(意味深)に侵入してしまった丸子 一典は、その責任を取る(意味深)ことが できるのか……?
口げんかは、ノリに とっては呼吸と同レベルだけれど(?)、リンには慣れていないはずです。この関係の修復は容易ではない──と予想してしました。

また、杏 真理子の告白も待っている!
2 人のヒロインから「両手に花」状態(?)なのに、いつまでもノリはドンカンでいられるのだろうか。
はたして、待つは修羅場か、酒池肉林……!?

まさに「無事がなにより」?

──と期待でワクテカしていただけに……、両方ともスルーするとは思いも寄らなかった!
予告だけを見て「第 8 巻では、ついに女同士の戦いが本格化します!」なんて感想に書いて、スンマセン、反省してま~す(てへぺろ☆)。自分も だまされた!

『のりりん』 7 巻 鬼頭莫宏 - 鬼の居ぬ間に頂上 | 亜細亜ノ蛾

しかし、あのリンの「素の表情」は忘れられない。
いつもニコニコと「困りながら笑顔」をしていたリンが、博多弁へのツッコミだけは笑いながら返せなかった。そこには、なにか言えない事情がありそうです。

重大発表!

カラモモさんのゴマカシは、その理由が良かった。
最初は軽いノリで参加した合コンからノリを好きになって(どやぁ)、いつしか趣味の時間をすべて自転車に費やしている。
いまのカラモモにとっては、ノリも自転車も大事です。だから、その仲間たちと離れたくない。
そしたら みんなと一緒に いるの 難しく なるかなって」と語る杏の表情は大人びているけれど、まるで部活動と恋に がんばる高校生のようです。青春だなー。

恥ずかしかったウエアの着用も、新しいロード・バイクの購入も、車と免許も──、カラモモは「マリコさんのために(はぁと)」だったのに、ノリは なにも気がついていませんね。どこまでラブコメ主人公なんだよ!
「下はレーサ・パンツ 1 枚」(ごくり……)を「大好きなカレの前」で披露したのに、「おお サマに なってる」と流す男前さに笑いました。でも、そこでジットリ見られたら、そのほうがイヤかな。

いつものこと

ノリのキレ具合が「いつもどうり」でした!
ガマン ガマン」と心に念じてから、ゼロ・コンマ数秒も経過していないのに、グチグチとイヤミを言っている。
すぐキレることで有名な『こち亀』の両津 勘吉だって、数コマは溜めてから爆発しますよ!

さらには、等々力 潤とも口論している。
もう いい加減、トドローとも「仲間」に なったはずなのに、いつの間にか桧山の肩を持っています。誰でも敵に回すノリらしい一場面でした。

負けからスタート

門真 洋一のコミュ力(りょく)がスゴかった!
あの流れから「ノリの友人」がヒイヒイ言いながら やってきたら、「遅いヤツには遅いダチだな」と桧山に冷笑されて当然でしょう。それなのに、なぜか意気投合している。
ドマチの性格の良さが伺えました。

門真の家は金持ちですが、それを鼻にかけていない。
それどころか、自分自身を「どうせ オレの人生 負け人生 だよ」などと言う。一方では、トドローと一緒に峠を登ってマジメに鍛えています(※)。今後、彼は伸びていきそうですね!
女に だらしない」と認識されているくらいだから、女性にモテるでしょう。それも納得です。

(※: 「ドマチは一体 何を目標に トレーニング してんです?」なんてノリに言われていますが──、お前じゃー! いや、違うのかな? 「ノリに勝って、リンちゃんと……!」がドマチのゴールだと思ってる)

幸せは どこに

老松さんの珍しい態度にビックリしました。
杏のフレームをゆずってくれた人に対して、なにか裏のありそうな顔をしている。──と思ったら、ただたんに妻帯者へのヒガミだったのか。てっきり、どこかへ つながる伏線かと勘違いしました。

オイちゃんが結婚しない理由は、陽子さんなのでは?
どう見ても、オイちゃんは陽子さんと結婚したかったのだと思う。それが叶わなかったから、ずっと独身で いると決めた──そう感じました。
でも、老松さんと陽子さんは、結婚したらウマくいかなかった気がします。いまのような「常連客と店員」という「ユルい つながり」のほうが、ずっと仲良くして いられそう。

番外編 「とあるラーメン屋さんの裏メニュー」

ついに織田家の父親の正体が明かされる!
──って、あまりにも「そのまま」でしたね。むしろ、「普段はラーメン屋」のほうが観客は驚くはずです。

リンの お父さんは織田 栄(おだ ひさし)なのですが、「サッチャン」と呼ばれている。「さかえる」という読みから来ているのでしょうか。それとも、プロレス関係かな?


番外編の見どころの一つは、リンちゃんです!
ほおを赤らめて汗だくに なりながら(意味深)ラーメンをすする姿は、なんとも──健康的で良いですねー(ぜったい そんなことは思ってない)。
陽子さん視点だからか、「下から見上げる」リンもグーです!(なにが?)

しかしリンは、母親にも父親にも似ていません。
もしかして──。

おわりに

最近の鬼頭 莫宏作品には、技術的な特徴が ある。
それは、「コマとコマの間に差がある」点です。左や下の方向へコマが移る時に、つながりのあるコマ同士は間隔が狭くなっている
次のコマと つながっていない場合(p.116・3-4 コマ目)や、時間の経過がある時(p.90・4-5 コマ目)は例外です。

また、セリフのない「捨てゴマ」も多かった。 いままでも「みんなでキョトン顔」(p.34・2 コマ目)などを多用していたけれど、この巻は「セリフなしで視線誘導」(p.37・3 コマ目)が新鮮に見えました(前巻までも あったっけ?)。
この手法は、多田 由美さんの得意技です。「言葉に ならない」感情を「絵にする」ことがマンガ家の仕事だけれど、文学的なテクニックに感じました。

以上 2 点は、おもしろさとは無関係ですケド。

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