鬼頭莫宏 『なにかもちがってますか

left alone ぬいぐるみは──いつまでも覚えている

なるたる』では、偶数巻に悲惨な描写が多かった。

『なるたる』 1~4 巻 鬼頭莫宏 - 海に沈むホシと出会う少女 | 亜細亜ノ蛾

なにかもちがってますか』では逆に、大量に人が亡くなるのは奇数巻です。2 巻と 4 巻は、すくなくともミッツは人の命を奪っていない。
かといって「ヌルい」内容ではなく、新たな謎や「点数制」など、読んだあとに頭がズッシリ重くなるような充実感が ありました。
この作品の着地点は、まだまだ見えてこない──。

離ればなれは危険

日比野 光の能力には一社 高蔵が必要なのか?
2 人が離れている状況だと、例の「キューブ」の力を使えませんでした。高岳 似子からは「いても 役には 立たない」と さんざん言われていますが、イッサは「能力の発動を助ける能力」の持ち主なのかも。
火災に巻き込まれているという危機的状況だから、精神の統一ができなかった──にも見えるけれど。それにしては、イッサに助けられた直後は簡単に能力を使っている。

同じ状況で、ニコも犯人を感知できなかった。
ここは まぎらわしいですが、精神状態や体調の不良だと思う。なぜならニコは、これまでもイッサがいないところでサイコメトリング能力を使ってきたからです。

人に付ける点数

再犯の防止に「点数制」は有効だと思う。
初犯の場合は、濡れ衣の可能性もあるから慎重に なるべきです。しかし、同じような手口で二回・三回と繰り返す場合は、かなりの重罪として扱うべきだ。

ただし、点数制は「人道的・倫理的に問題がある!」と反対する人が多数になるはず。実際に運用することは難しい。そんなことをしている間にも、再犯による犠牲者は増えていくのに。
運転免許を点数制にしているのは、運転者・つまりは人間に点数を付けているわけではなく、「免許の点数」という詭弁でしょう。

ぬいぐるみの使い方に意表を突かれました!
イッサが持っていた人形とニコが持っている人形は、あきらかに同じモノです(その写真を見た春にまでヒゲが生えていてカワイイ!)。
イッサと春・そしてニコの母親は同じ──つまりは きょうだいである可能性が出てきました。「行方不明」と説明されていたけれど、実際には殺されたのかもしれません。

──もちろん、かつてのモンチッチ人形のように、子供は誰でも(オレでも)持っていた──とも考えられる。しかし、そんな引っかけを出す理由が分かりません。

ふたたび あやしい刑事

桜山 幹雄が ますますアヤシイ!
一人暮らしにしては異常なまでに整理整頓が行き届いている一方で、モミアゲが無精髭のように長すぎる。自宅にガレージや庭がある点も、典型的なシリアル・キラー(連続殺人犯)を思わせます(言いがかり?)。
仕事中──というか殺人の犯行現場にニコが やってきても、しかりもせずに余裕な態度をしている。2 人の関係を探られると やっかいなはずでは? それくらいは自分(の超能力?)で対処できるのか?

イッサ(1)・ニコ(2)・ミッツ(3)と来て、「さくらやま みきお」だけ つながっていない。このあたりも「仲間ではない」という印象が強まります(40 歳では あるけれど)。

おわりに

誰かに 何か 言われた?」とミッツは気にする。
自転車に乗っていることも含めて、同じ鬼頭 莫宏先生の『のりりん』を思い出しました。2 つの作品に つながりはない──はずですが、「もしかして」と臭わせます。

『のりりん』 6 巻 鬼頭莫宏 - 山高く道長し | 亜細亜ノ蛾


ミッツを尾行していた人物は誰だろう?
しばらく前までは桜山っぽかったけれど、どうも違うらしい。まだ登場していない人物とも考えられるけれど、あまりにも意外で思いがけない人なのかも。
──新瑞橋 恵理は、イッサの姉・春のことを知っていた。「女子の情報力」とは、尾行のことなのでは?

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