諫山創 『進撃の巨人

Recoleta Coffin 行き着いた先は──希望か絶望か

巨人が一体も登場しないのに、衝撃ばかりの巻です!
文字どおりに世界を揺るがす秘密が明かされたり、誰もが気になっていた人物の名前が判明したり、意外な人物同士の つながりが見えてきたり──。

それより、あのゲスな顔のほうが破壊力あったりして。

兵士長の本名

ついに、リヴァイのフル・ネームが語られました!
そう、みんな(作中の人物やファン)は「兵長」とか「へーちょ」とか愛称を付けているけれど、ちゃんと「兵士長」と呼びましょう! ──ではなくて……。

リヴァイ・アッカーマンが兵士長の本名らしいです!
言うまでもなく、本作品のヒーローであるミカサ・アッカーマン同性同棲同姓ですよ! 単純に考えれば、リヴァイとミカサは血縁関係(兄・妹)にある──のか?
リヴァイは当然、ミカサの名字を知っているはずです。なにも疑問に思わなかったのでしょうかね?
そもそも、調査兵団の人間は、リヴァイの姓について誰も気にしていなかった。それも不思議な話です。

もしかすると、リヴァイの名字は読者に明かされていなかっただけで、調査兵団の団員は全員 知っていたのかも? リヴァイとミカサも、「きょうだい」だと普通に認識されていたりして。

姓が不明な もう一人

姓(名?)が不明と言えば、ユミルも同じです。
彼女は、命を狙われる危険を承知してまで、「ユミル」という本名を大切にしている。それでは、親とのつながりを示す名字は どうなのか? なぜ姓のほうは誰にも明かさないのだろう?


ユミルの目つきの悪さはリヴァイと似ています
どちらかと言うと、リヴァイとミカサよりも、リヴァイとユミルのほうが血縁を感じました。

さて、「ユミル、17 歳です!」「「ヲイヲイ!!!」」 ──とツッコミを入れたくなる公称年齢ですが、実際は +60 年以上は生きているはず。
ただし、その 60 年間は巨人の状態だったわけで、一瞬だけ考えた「ユミルはリヴァイの母親!」という可能性は かなり薄そう。

空飛ぶ銃

思わぬ人物が重要な位置を占めてきました。
切り裂きケニー」ことアッカーマン隊長は、おそらくリヴァイの父親(兄?)と思われます。
しかし、立ち振る舞いや目つき・性格(・なにより身長)が、悲しいくらいにリヴァイと似ていません。「孤児だったリヴァイをケニーが引き取った」という感じがしました。

対人制圧部隊の存在も謎です。
ケニーが率いる部隊は、立体機動装置で高速に移動しながら正確な射撃をする。まさに対人戦のみに特化した集団です。自分がハマっているゲームの『Titanfall』を思わせる。
巨人に脅かされる人類に対して、そこまで殺傷能力を高める必要が あるのでしょうか? というか、最近になって見えてきた憲兵団の仕事と重なります。憲兵の なかの精鋭が制圧部隊なのかな。

笑顔で趣味

ハンジ・ゾエが心底うれしそうに拷問して恐かった!
今回の「囚人のジレンマ・ズルい版」だったら、あそこまで手ひどくサネスを痛めつける必要は ありません。たしかに、楽しんで拷問していそうですよね。
満面の笑みを浮かべている表紙のハンジが、別の意味に見えてくる……。

ただ、真実を引き出すためには、サネスを絶望させる必要があった。
そのためには、「痛みに耐えている意味がない」と理解させることが重要です。そして、同志・ラルフの裏切り(の芝居)が決定的でした。
──それでも、また生えてくる爪をはがすだけにして、永久歯を抜くのは止めれば良かったのに。


そのハンジから名言が飛び出しました!
フレーゲル・リーブスに言った「何言ってんの? 調査兵団は未だ 負けたことしか ないんだよ?」は、本来は不名誉なのに格好良い!
そして、彼らの使命の過酷さが よく分かります。

舞台の上の女王

ただでさえ女神のヒストリア・レイスが女王様に!
クリスタ・レンズ」を演じてきたヒストリアにとっては、「女王も役の一つ」と なりそうです。せっかく「ユミルと一緒に生きる」と決意したことで見えてきた彼女の素顔が、また役のなかに埋もれていく……。

ジャン・キルシュタインたちが心配したように、このままではヒストリアは、本当に「リヴァイの言いなりになるだけ」という気がします。それでは、ロッド・レイスに操られている現在の王と変わらない──。
最後の場面で優しく接している──ように見せかけているロッドも、ヒストリアを利用する気でしょうね。
ヒストリアが自分の意志で王位を継ぎ、自分の考えで統制を行なうことが、最良の結末です。あまりにも障害が多いけれど……。


リヴァイに乱暴されて「離して 下さい!」と叫ぶヒストリアの表情が、なんだか反抗的にも見えました。
本当は、「(このままでは真の力が解放されて、チビすけ肉片に なってしまう……!)」とか思っていたのでは!?
今回の題名とは無関係だけれど(棒)、「ありのままの自分になる」ところでしたねー。

「化け物の力を借りる主人公たち」が戦った末に、「最後の敵は同じ人間」となる。──旧『エヴァンゲリオン』的な展開です。
エルヴィン・スミスの仮説が正しいとして、はたして現在の王政は間違っているのか? エレン・イェーガーの「叫び」の力を正しく使えば、人類が生き延びられる可能性が高まるのでは?
ただ、現在の王政を支持する役人たちは、力を自己保身に使うだけです。エルヴィンやリヴァイたちは──、正しい目的に利用できると良いけれど……。

おわりに

ゲスミンの悪夢ふたたび!
第 49 話でボツになったアレよりも凶悪さが増しています! 陰湿で姑息な性格であることがエレンに強調されているし、今後はアルミン・アルレルトに向ける みんなの目が変わってくるのかも。


ニファは、ようやく名前が判明したと思ったら、すぐに退場してしまった……。
男をも狂わすアルミンと似ている彼女は、ヒストリアと同様に貴重な「美少女枠」です。美しい女性にも容赦のない作品ですが、せめて安らかに眠って欲しいな。


サシャ・ブラウス食いしん坊キャラだけ ではない!
フードをかぶっている状態なのに、遠く離れた場所の銃声を聞き取っています。ほかの誰も聞こえなかったのに、これはスゴい!
地中に眠るイモの成長を聞き分ける聴力でしょうかね。


ウソ予告が全力で笑わせに来ています!
画力がアレな作者にしては妙にリアルで、本当に「ギャル版ミカサ」がスピン・オフで描かれそう! あるいは本編でも、「エレンを落とすには力尽くじゃダメ!」と今ごろ気がついたりして。

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