『アドレナリン』 サイテーな主人公とビッチなヒロイン

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『アドレナリン』

公開したばかりの『アドレナリン』を見てきました。

映画『アドレナリン』公式サイト映画『アドレナリン』公式サイト

『ダイ・ハード 4.0』を見に行ったとき(『ダイ・ハード 4.0』 非道な主人公が武士の情けを : 亜細亜ノ蛾)に、予告編が流れて、面白そうだったからです。いやぁ、予告編は面白そうに見えますね(意味深)。

主人公(ジェイソン・ステイサム)は殺し屋で、請け負った仕事のせいで敵に毒を盛られます。"新型の中国製毒物"らしく、打たれた人間は、一時間後には死んでしまう。死の時間を延ばす方法は、体内でアドレナリンを出し続けること──。

「止まったら死ぬ」ということで、走り続ける主人公。そして、時間に限りがある状況──。

まるで『スピード』と『SAW』を足して 4 くらいで割ったような映画です。──割りすぎだって? 足りない分は、「おバカ」と「お下品」、そして「お色気」が足されていました。

ということで、スピード感あふれる、おバカ映画でした。

主人公がサイテー

『ダイ・ハード 4.0』の主人公は非情、などという記事を書きましたが、スンマセン、本作の主人公と比べれば、ジョン・マクレーンはヒーローでした。

ありとあらゆる方法で自分を興奮させながら、敵の居場所を突き止めようとする主人公。やむにやまれぬ事情があるとはいえ、「他人の迷惑」なんてまるで考えずに突き進みます。始まって早々、軽~く一般市民を車で轢きながら──。

主人公に協力する、子分のようなイカした奴が出てくるのですが、そいつにも酷い扱い。「ひょっとしたら普段はいい奴だけど、毒物でおかしくなっているんだ」なんて、みじんも感じさせないのです

そのため、主人公に「いいぞ、もっとやれ!」とは感情移入できませんでした。

ヒロインがビッチ

そんな主人公にも恋人(エイミー・スマート)がいます。美人ですが、まぁ、ちょっとオツムが温かそうな──。平和にうまくやって行けそうなタイプ。

主人公は、殺し屋であることを彼女に打ち明けていないので、事情もわからないままに連れ回します。そして、街中で「興奮するために」とんでもない行動に出るのですが──。

意外にも、もう、ビックリするくらいヒロインはビッチだったのです。「奥様は魔女だったのです」の 128 倍は衝撃的! 主人公を完全に「食って」いましたね(お下品な表現)。

『バタフライ・エフェクト』の時といい、エイミー・スマートは主人公の運命をもてあそぶような役柄が多いですね(でも嫌いじゃないぜ☆)。

『バタフライ・エフェクト』と『バック・トゥ・ザ・フューチャー』 : 亜細亜ノ蛾

他にも色々とアレなシーンがあるので、くれぐれも、ご家族でそろって茶の間で見るとか、初めてのデートで見に行くとか、映画好きのおじいちゃんを連れて行くとか、間違ってもしないように。

ラストにおまけ

最後の方に、意外にもどんでん返しが用意してあります。もっとストレートな話でもよかったのに、ちょっと得した気分。

そして、最後の"オチ"もなかなかよかったですね。潔い終わり方です。

エンド・クレジットが流れても、席を立たずに最後までいると、おまけの映像が流れます。まぁ、あんまり見ても映画の評価が大きく変わるような、謎解きのようなものではないですが、お好きな人はどうぞ。

ちょっと気になる人を、もっと気にさせると、「『SAW』みたい」とだけ言っておきましょうか……。

2007-07-19T22:01:53+09:00 追記

下記リンクが面白いです。主人公を演じたジェイソン・ステイサムや、彼の元カノ(ケリー・ブルック)の情報、写真があります。

【今週のクローズアップ】『アドレナリン』ジェイソン・ステイサム – シネマトゥデイ | 映画の情報を毎日更新