『SAW 4(ソウ 4)』
昨日(2007/11/17)、劇場公開したばかりの『SAW 4』を見てきました。面白かったし、すごかったです!
全編、「手に汗握る」という言葉通りの映画でした。オープニングから、まったく容赦ない残酷な描写が続き、とても R15 指定じゃ足りない、と感じました。なにも、あそこまでやらなくても……。ひと言で言うと「『ハンニバル』越えちゃった☆」です。
今回の見どころは、「なぜ"ジグソウ"が生まれたのか?」という、いままで断片的にしか出てこなかった謎が、やっと明かされたところです。
"彼"が"ジグソウ"になった理由、そして"ジグソウ"であり続けた理由を知って、「共感」できるだろうか──。というのが、今回のテーマだったと思います。
『1』から『3』まで通して見てきた人は、『4』も見るべきですよ! このシリーズを見ていない人は、いまからでも遅くないので、一作目から順番にどうぞ。

- ソウ4 DTSエディション
- スコット・パターソン ベッツィ・ラッセル コスタス・マンディラー
- 角川エンタテインメント 2008-03-19

- ソウ×4 バリューパック (初回限定生産4枚組)
- トビン・ベル ケアリー・エルウェス ダニー・グローヴァー
- 角川エンタテインメント 2008-03-19
ここから途中までは、『1』から『3』までを見た人を対象に、なるべくネタバレなしの感想を書きます。
"ジグソウ"は死んだ!
オープニングから、もう徹底的に「"ジグソウ"は死んだ」ことを見せ付けられました。『3』のラストを見た人の中には、まだジョンが生きていることを信じていたと思いますが、全否定されましたね。
淡々と「"ジグソウ"の正体(中身)」が暴かれていきます。──もう、ホラーとかそういうモノでもなかった、というくらい、冷酷に。
ここまではっきりと冷酷な映像を見せたのは、
「"ジグソウ"は、ジョンの肉体の中にはもういない」
という事を描きたかったのでは、と思いました。
さて、では"ジグソウ"亡き後、ゲームは終わったのかというと──。
「GAME OVER.」
今回も「ショート・ゲーム」から始まり、「GAME OVER.」で終わる、といういつもの『SAW』を踏襲していました。
この「ショート・ゲーム」というのはオレ用語で、
「制限時間が極めて短く、『絶対、プレイヤ助ける(救う)気、ないだろ!』というゲーム」
のことです。映画の宣伝に使いやすい用に作ったゲーム、と見るのは邪推でしょうか?
"ジグソウ"誕生秘話
いままでも断片的な映像で、ジョンの脳裏に浮かぶ女性が現れていました。
きっと、彼女が"ジグソウ"を生んだ原因だろう、と思わせるような演出だったのですが、『4』ではっきりと示された理由は、少しひねってありましたね。
ジョンがあれほどの怒りを覚えたのはわかりますが、なぜ彼女も遠ざけるようになったのか──。
あと、ジョンが初めて作ったゲームが、なんともぎこちないギミックになっているのが、ちょっと面白かったです。
原点回帰
ジョン亡き後、
「"ジグソウ"は誰だ? どこにいる?」
を久しぶりに考えさせられた本作で、いままでのシリーズと同様、答えのヒントは始めのほうにちゃんと出てきていた、という憎らしい演出です。
そういえば、(詳しく言うとネタバレになりますが)本作を引いた視点で見ると、『1』の構造に似ていることに気付きます。
原点回帰というか、監督なりに『1』に敬意を払っているのだな、と感じました(単に脚本家の趣向かも)。
共犯者
(ここから先は、『4』を見た後でどうぞ)
『1』から『3』まで見たファンの中で、
「でもこんな複雑なトラップって、ジョンとアマンダだけで作れるの?」
という当然の疑問は「暗黙の了解」として置いておくのがマナーでした。
そこを『4』では「共犯者がいるはずだ」という、FBI 捜査官じゃなくても気付きそうな、もっともな意見が浮上しました。──『3』で、アマンダとジョンが『1』のセットを作っているシーンを見て勘違いした、とも言えますが。
そういえば『3』も、"ジグソウ"の後継者への試練、という話でしたね。
ということで、『4』では、当然、共犯者が ほかにもいる、ということを臭わせる場面がいくつもありました。
それに──期待の新"ジグソウ"が、ジョン(というかトビン・ベル)ほどのカリスマ性はなさそうですよね。正体がわかったときにはビックリしましたが。
最も悲惨な男
『SAW』史上、もっとも悲惨なのが、エリック刑事でしょう!
『2』のラストから『3』の冒頭の つながり方が衝撃的だったのに、生死が不明なままフェード・アウトしたと思ったら──。
まさか、今回のゲームのためだけに、4 か月もの間、囚人以下の扱いで生かされてきた、という衝撃の事実! しかも、せっかく生き残りのチャンスがあったのに……。
そしてここでも、「わざわざエリックを監禁して生かしていたのは、誰の意思か?」というのが謎ですね。『3』の時点では、新"ジグソウ"にはできそうにないし。ここでも、首謀者が別にいることを臭わせています。
『5』への期待
『3』の時点で『SAW 5』の制作は決まっていたようですが、『4』を見れば、たしかに『5』に続けることはできますね。
少し気が早いですが、『5』への期待や疑問を、箇条書きで書いてみます:
- 最後に閉じこめられた FBI 捜査官はどうなるのか?
- 「ジョンがアマンダへ送った手紙」には何が書いてあった?(パンフレットを参照)
- そろそろ、ゴードン先生に出てきていただきたい……
- 我らがアダム君も
- 『2』のアレは別人だったということで
- 『3』のアマンダの行動とか、かなり謎だったしね
- そういえば、アマンダの生死って、本作には出てこなかった?
- "新ジグソウ"と自分たちが思っている人物は、はたして首謀者なのか?
- ジョンの元妻の語った「理由」が、まったくのウソで、彼女が主犯だった──というのはどう?