雁屋哲の美味しんぼ日記
『美味しんぼ』が大好きです。単行本で言うと、なんといっても『美味しんぼ (47)』が素晴らしい! この巻のゆう子さんは、本当に神がかっています。
「『美味しんぼ』? 山岡の口が横に付いている時代(最初期)は、良かったけどね……」──と思っている人も、ぜひご覧ください。
原作者の雁屋哲さんが、いつも食べているものを紹介しているブログ・「美味しんぼ日記」も面白いです。たまに『美味しんぼ』のボツになったネタや裏話を書いているので、ファンは見逃せません!
お茶とコーヒーの話
中でも、この記事には驚きました。
お茶とコーヒーを美味しく飲む方法を、雁屋さんが苦労の末に会得した話です。さて、その方法とは──?
まず、「お茶を美味しく飲む方法」は、かなり難しそうです。雁屋さんを満足させるような お茶は、シロウトには無理でしょう。上手にお茶を入れるのは、ご本人でも難しいそうです。
コーヒーも、やっぱり美味しく飲むのは大変なのか?
そう思って読み進むと、あまりにも簡単な方法で、拍子抜けしました。コーヒー豆さえ良ければ、失敗なしで美味しくできそう! ぜひともお試しください。
結論を言うと、水出しコーヒーが正解です。
『美味しんぼ』でも、水出しコーヒー(ダッチ・コーヒー)の話がありましたよね。あの話では大がかりな器具が必要でしたが、今回の方法はものすごく お手軽ですよ!
コーヒーは「水出し」にする
ダッチ・コーヒーという水出しコーヒーに出会った。大きなガラスの管にコーヒーの粉を詰め、湯ではなく水を注いで、じっくり何時間もかけてコーヒーを抽出しようと言うものである。その水出しコーヒーを飲んだ時、自分の今まで苦労は何だったのか、と力の抜ける思いをした。コーヒーの粉の時のあの香ばしさがそのま残っているではないか。味もとげとげしさがなくふっくらとしている。
水出しコーヒーはそのまま冷たくても美味しいし、温めても香りは変わらない。自分でコーヒーを淹れる時にコーヒーの粉に熱湯を注ぐことで香りが飛び、味が変質してしまっていたことに、私はその時になってやっと気がついたのだ。
「コーヒーを入れるには熱湯」という常識が、ひょっとすると大事な香りを飛ばしていたのでは──という話です。
「香りを味わうためにコーヒーを飲んでいる」という部分が大きいですからね。その香りを守るためなら、水出しコーヒーの道具を買っても良さそう。ところが、ちょっと高い。
では、どうするのか──。
安価な道具を使う
必要な道具は、麦茶などを作る時に使うガラスの瓶。何処のご家庭でも、袋入りの麦茶をその瓶に入れて、水を満たして冷蔵庫に入れておく、なんてことをしているでしょう。無かったら買いなさい。たかだか数百円のもののはずだ。必要なのはその瓶だけ。
その瓶に好みの量のコーヒーの粉を入れる。水を注ぐ。それを冷蔵庫に入れて一晩おいておく。翌日、濾紙で濾してカップにとって見ると、おお、なんと言うこと、素晴らしい水出しコーヒーが出来上がっている。
実際にやってみたところ──、うーん、コーヒー豆の粉が少なかったのか、時間が短かったのか、なんかシャビシャビ。失敗。そこで、豆の量を増やして一晩かけて「水出し」してみると、見事においしい珈琲ができあがりました!
「お湯だしより濃いめに豆を入れる・ひと晩以上は寝かせる」がコツです。
ボトルは、ナルゲンがおすすめです。
過去に書いた記事もご参照くださいね。
水筒2.0──Nalgene(ナルゲン)ボトル : 亜細亜ノ蛾
粉対策
フィルタを使わずに水出しするのも良いですが、どうしても最後にコーヒー豆の粉が残ります。「珈琲は、豆を味わうものだ」という通(気取り)の人でも、これはちょっと きつい。
お茶用の「パック」に豆を入れておけば、この問題も解決です。水にずっと浸すことになるため、できる限り無漂白で良いパックを使いましょうね。
専用のポットもある
2011-08-06T00:13:07+09:00 追記
この記事は好評のようで、いまだに読まれ続けています。感謝!
ところが、今回の方法を根本から くつがえすような製品がありました。水出しコーヒー専用のポットです。これを利用すれば、粉っぽさの問題もなく、シンプルにおいしいコーヒーが飲めますね!
ホットで味わう
水出しコーヒーをホットにする方法は、『美味しんぼ』に出てきました。ようするに「湯煎」するわけです。耐熱容器にコーヒーを入れ、ナベで お湯を沸かして──となるので、一般家庭では難しそう。
自分は、カップにコーヒーを入れて、電子レンジで温めています。楽々で おいしい!
電子レンジで加熱したコーヒーは、ごくまれに「突沸」が起こる可能性があるので、取り扱いには注意を!
電子レンジで加熱した豆乳の突沸(消費者からの相談事例)_国民生活センター
おわりに
最近、オーディオに興味を持ち始め、その世界の不思議さを知りました。
そこで、前からモヤモヤと思っていたのが、「オーディオもファッションも食も、上のほうに行けば行くほど、オカルトが入ってくるなー」ということ(ここで言うオカルトとは、神秘的と言うより怪しいという意味で使っているので、オカルトのファンは怒るだろうなぁ)。
上のほう、というか、高額な商品になるほど、「それ、10 分の 1 の値段で良くね?」と思ったり。オーディオケーブルとか、オートクチュールとか、高級料亭の料理とか──。
たとえば、今回の「水出しコーヒー」を作る道具は、どこの家庭でもありそう。さて、これと同じくらい美味しいコーヒーを入れるための道具、ほかの方法なら いくらになるか──。
食に限らず、「値段を込みで味わう」ということって、多いですね。
追記
もっと手軽に美味しく味わえる「お湯出しコーヒー」の記事を書きました!
コメント
お得な情報ありがとうございます!
緑茶や紅茶も最近は水出しで飲む方が多くなっていたのですが、これからはコーヒーも水出しでいこうと思います。
茶葉や粉の量を湯で淹れるときよりも1.5倍ぐらい多くするとピッタリな感じですね。
かぶり猫さんへ:
お気に召していただいたようで、自分も うれしいです!
そうそう、「ちょっと濃いめ」がコツなんですよね。
濃すぎたら、薄めれば良いだけですし。
一年中いつでも楽しめて美味しい
水出しのコーヒー・緑茶・紅茶が、
もっともっとお店にも広まるといいですね!