『アイシールド 21』 285th down『小泉花梨』
えーっと、今回はグチです。しかも、(週刊少年)ジャンプで連載中の『アイシールド 21』のグチ。30 過ぎのオサーンが。
今週号(2008 年 29 号)の『アイシールド 21』 を読んだ人は、半分以上が「どんだけ~」と、のけぞったことでしょう。
──この画像は、のけぞりすぎですが。(ところで、この 4 コマの作者を誰か教えてくだちい)
うーん、作者、どうしちゃったの? というくらい、今週はダメダメでした。次回からは、このマンガをギャグマンガとして読もう、と思うくらい。
さて、今週号のネタバレありで、『アイシールド 21』を読み込んでいる人向けに書いたので、知らない・忘れた部分は、Wikipedia をどうぞ。
小泉 花梨
今週号の主役は、小泉 花梨(こいずみ かりん)でしたね。さて、この(我らが)花梨ですが……。
キャラクタのデザインは、オーケーです。ルックスも性格も、最高。なんだかんだ言って、いままでは気の強い、または芯の強い、あるいは押しの強い女性ばかりでしたが、まるで「セナの女性版」みたいな謙虚さがグーです。
また、アキレス(安芸 礼介)を使って、さりげなく「彼氏はいない」ことを公言させているのも、バッチリ。「分かってるなー」という感じで、下の雄山先生のお眼鏡にかなうでしょう。
海原先生が仰ると説得力がありますなぁ:アルファルファモザイク
花梨が超人すぎる
しかし、肝心のアメリカンフットボールの選手としての描写が、まるでダメ。というか、トンデモ選手に見えます。
まず前提として、花梨が所属している「帝黒アレキサンダーズ」について。このチームは、日本中から一流選手を引き抜き、部員は 200 名以上。入部時には 6 軍から始まります。強豪選手たちの中で、1 軍の選手になるためには、並大抵の努力では無理でしょう。
──という大前提を、何回にも渡って描いて来ました。
なのに、花梨が帝黒の 1 軍で QB(クォーターバック)ができている理由が、つまるところ
「手先が器用だから」
──なんですよ! 今回を見る限りでは。
花梨が、イラストを描くこととピアノを弾くことが趣味、だから手先が器用。これはいい。しかし、それだけで「捕りやすさ 100 億万 %」の「フローラルシュート」を放つことができる、というのは信じられない。
単純に考えて、スポーツ初心者の女子が、ロングパスを投げられるのか──?
それより何より、「帝黒アレキサンダーズの 1 軍は全員、40 ヤード走で 5 秒を切る」という余計な設定のせいで、花梨の 40 ヤード走のタイムは 4 秒 90 ! おいおい、元・陸上部とか、元・パシリ(セナと同様)なのか !?
もっと言うと、「しくしく」泣きながらも退部しない理由って何?
この、花梨の身体能力のトンデモなさを含め、ウマく解説している記事を紹介します。コメント欄も素晴らしい!
暇つぶしブログ:今週の「アイシールド21」 – livedoor Blog(ブログ)
泥門の情報不足
そのほか、今回のマズいところとして、泥門デビルバッツの選手のほとんどが、「花梨は男」という蛭魔のウソに引っかかっていること。
これ、どういうことかというと、「泥門メンバは帝黒の情報を何も知らずに戦っている」、ということになるわけですよ!
いままで、あれほど試合前に敵チームのビデオを見たり研究していたのに、よりによって、(夢の)クリスマスボウルで戦う、日本アメフト史上でも最強のチームのことを調べずに、のこのこと試合会場にやってきたのかよ!
セナたちが帝黒に視察に行った際、どう見ても「格下」の泥門デビルバッツのビデオを、帝黒が全員でチェックしているのを見ました。
帰ってきたセナは、蛭魔だけに報告したのでしょうか? それとも蛭魔は下調べ済みで、ほかのメンバには
「帝黒、なんかスゴかった……!」
と伝えただけなのかも。──あれ、そもそも、セナ達が大阪に行ったことを知っているのって、何人いるんだっけ……。
昔は良かった
思えば、神龍寺ナーガ戦の前半くらいまでは、神展開が多かったのですが──。
「高校生で一番の反応速度と二番目のベンチプレス」を誇る無敵のプレイヤ・阿含を、「非力なセナ」が、
あっさり頭をつかんで地面にたたきつける
という描写で「オワタ」と思いました。そのあとの、神龍寺の二流チームっぷりとか……。
まとめ
まぁ、ざっくり見た感じ、ブログの感想の大半は「花梨、かわいい!(だから許す)」という感じでした。
あんまり、『アイシールド 21』を「本格的スポーツマンガ」として読んでいる人はいないだろうし、実際「本格的」じゃないのですが、それでもある程度の「リアルさ」は欲しいところ。
そもそも、主人公チームが「正当・邪道のありとあらゆる作戦を駆使して勝ち進む」というのが、少年マンガでは珍しく、好きでした。ほかのマンガって、けっきょく「ギア・セカンド! ドン !!」で勝利、と似たパターンばかりですからね。
しかし──、『アイシールド 21』も、敵チームが化け物みたいに強くなってくると、やっぱり「根性で勝利」パターンが増えてきました。「友情・努力・勝利」のジャンプだから、良いのかもしれませんが……。
ここで、「本当に泥門デビルバッツは 0 点のまま惨敗してクリスマスボウルが終わる」、しかも感動する終わり方、というのができたら、作者は神だなー。と、嫌がらせ的にハードルを上げておきます。
あと、台無しなことを書くと、「帝黒アレキサンダーズの男子選手: 200 名以上」+「女子: 1 名」+「同人誌」……あとは、分かるよな?(オレにくれ)