ダークナイト
自分の脳内調査によると、今年度の最高傑作である映画、『ダークナイト』。自分が書いた感想をどうぞ。
『ダークナイト』 バットマン対ジョーカー、だけではない : 亜細亜ノ蛾
批評家の声
竹熊健太郎さんが、ここまでお勧めしている映画も珍しいのでは。
シリーズ物の娯楽映画の中にあって、「特別な作品」として突出してしまう一本がおうおうにしてあります。(……)
いずれもシリーズ物に本来内包されている「設定とキャラクターの面白さ」に加えて、スタッフや役者の才能が絶妙のタイミングで絡み合って、シリーズでも二度と再現できないような、奇跡的傑作になってしまったものです。
現在公開中のクリストファー・ノーラン監督『ダークナイト』もまた、「特別な作品」であります。(……)
特別な作品は、冒頭の5分くらいを見たらすぐにわかります。同じシリーズの他の作品と比べても、画面に流れる「空気感」が違うのです。
(強調は asiamoth による。以下同じ)
辛口で有名な前田有一さんも、この書きっぷり!
『ダークナイト』は、米国ではいまや興行新記録の投売り大セール状態である。その勢いたるや、永遠に破れないと言われた「タイタニック」の不沈神話にも迫る勢いだ。世界の映画史上、間違いなく記録に残る作品となったこの特大話題作は、中身のほうも文句なしの大傑作である。
これを読んで気になったのが、「『ダークナイト』の興行収入は、どれくらいすごい?」。さっそく調べてみました。
- ダークナイト 特別版 [DVD]
- クリスチャン・ベール, マイケル・ケイン, ヒース・レジャー, ゲーリー・オールドマン, クリストファー・ノーラン
- ワーナー・ホーム・ビデオ 2008-12-10
by G-Tools , 2008/12/09
興行収入
まず、アメリカでは、封切りからすごい勢いで観客が劇場へ足を運んだようです。
(……)「ダークナイト」(……)が現地時間の18日、北米で公開され、初日3日間の興行収入が1億5534万ドル(約165億円)を記録した。「スパイダーマン3」(07年5月公開)が持つ記録した1億5111万ドルを超え、初日から3日間の興収で新記録となった。
その勢いは止まることなく、4 週連続で 1 位とのこと。よく、「全米で 1 位」みたいな宣伝文句を聞きますが、いまとなっては笑いのネタと化してますよね。しかし、4 週間も 1 位をキープする作品は少ないようです(下のデータは全米ではなく北米だけですが)。
title=" [ロサンゼルス 10日 ロイター] 8月8―10日の北米映画興行収入ランキングは、アクション映画「バットマン・ビギンズ」の続編となる「ダークナイト」が2600万ドル(約28億7000万円)で4週連続1位となった。 配給元のワーナー・ブラザースによると、公開24日間の興収は4億4150万ドルで、1997年の「タイタニック」(6億0100万ドル)、1977年の「スター・ウォーズ」(4億6100万">(……)「ダークナイト」が2600万ドル(約28億7000万円)で4週連続1位となった。
配給元のワーナー・ブラザースによると、公開24日間の興収は4億4150万ドルで、1997年の「タイタニック」(6億0100万ドル)、1977年の「スター・ウォーズ」(4億6100万ドル)に次ぐ北米の最高興収映画の歴代3位に入った。ワーナーでは、来週末には同作品が「スター・ウォーズ」を抜いて2位に浮上し、最終的な興収が5億2000万ドル程度になると見込んでいる。
しかし──、その勢いも『タイタニック』には届かないようです。
title="映画のことならeiga.com映画ニュースで洋画や日本映画のHOTなニュースを配信中">一体いつになったら「タイタニック」を超える映画が現れるのだろうか? バットマン最新作「ダークナイト」が健闘を見せたものの、2位に留まることになりそうだ。
配給元のワーナー・ブラザースでは、「ダークナイト」の北米興行収入を5億1000万~2000万あたりと予測しており、97年12月に公開された「タイタニック」の6億100万ドルには到底及びそうもない(もっとも、39年の映画「風と共に去りぬ」の興収を今の貨幣価値に換算すると14億ドルとも言われ、それに比べればどちらも微々たる金額に見えてくる)。
「ダークナイト」健闘するも「タイタニック」強し!歴代興収ランキング : 映画ニュース – 映画のことならeiga.com
オチにワロタ。『風と共に去りぬ』って、そんなに強かったのか……。まぁ、いまと違って娯楽が少なかった、というのが大きな要因でしょうね。
- 風と共に去りぬ
- バーバラ・オニール/オリヴィア・デ・ハヴィランド/ヴィヴィアン・リー/レスリー・ハワード/クラーク・ゲーブル, クラーク・ゲーブル|ウ゛ィクター・フレミング|ウ゛ィクター・フレミング, ヴィヴィアン・リー, レスリー・ハワード, バーバラ・オニール
- ファーストトレーディング 2006-12-14
by G-Tools , 2008/08/22
日本では苦戦
ところが、アメリカでは大好評の本作は、意外なことに日本ではそれほど見られていないようなのです。
title="視点をリニューアルする情報誌「サイゾー」の公式ブログ。巷間で話題のニュースに独自な視点で斬り込む。マスコミ業界人が最も注目する、事情通ウェブマガジン。">(……)国内の映画ファンの期待は高く、前売り券も良く売れていたが、オープニング2日間の成績は動員24万8167人、興収3億3318万4700円(先行上映の数字を含む)。実はこの成績、前作『バットマン・ビギンズ』(興収14.1億円)の114%にすぎない。『バットマン・ビギンズ』は渡辺謙が出演していたこともあって、興行では案外健闘した印象なのだが、『ダークナイト』の最終的な興収はこれを下回る可能性が高い。
全米では、最終的には5億ドル(550億円)近辺の興収が見込まれているから、何と日本ではそのたった3%以下しか稼げない計算になる。『パイレーツ・オブ・カリビアン』や『スパイダーマン』『ハリー・ポッター』などのフランチャイズ映画が、日本市場で全米興収の20~30%に匹敵する成績を上げていることからすると、何とも寂しい数字である。
(……)ある意味『ダークナイト』は、『日本では当たらなかった』と言うよりは、『全米で異常なまでに当たってしまった』と言うべきなのかも知れない。
いやはや、すっかり日本でも大ヒットと思っていましたが……。お国柄の違い、だけでは納得できない残念な結果に終わりそうです。
(どうせテレビでキム■クが絶賛したら見に行くくせに)
まとめ
結論: 面白ければ興行収入なんてどうでもいい
──とはいえ、これから先は、もっと個人の趣味が広範囲になり、ますます劇場映画は苦しくなると思います。いまの内に、『ダークナイト』が 1 位になって欲しかった……。