dxomark.com – デジタルカメラの RAW データを比較するサイト

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dxomark.com

Bowed - DxO (by ecstaticist) (by ecstaticist)

(にわか)デジタルカメラマニアの自分には、下の海外サイトが面白い。ビールを片手に いつまでもニタニタ笑いを浮かべながら眺められる。

Welcome to dxomark.com (beta), a free resource dedicated to RAW-based camera image quality

DxO Labs というソフトウェア会社は日本にもあり、上記サイトの説明も日本語で書いてあった。非常に助かる。

2008 年 11 月 17 日 ? DxO Labs 社は、さまざまなデジタルカメラ機種の RAW 画像をベースにした、客観的なセンサ性能に関するデータを提供する新サイト www.dxomark.com を発表いたしました。 無料のオンラインリソースとして公開される「dxomark.com」では、いかなる RAW 現像処理が行われる前の、各カメラ機種自体のクオリティを評価することを可能にする世界初のウェブサイトです。

DxO Labs 社、RAW 画像をベースにした、デジタルカメラ機種の性能に関するデータを提供する新サイト「dxomark.com」を発表

カメラの性能テストというと、普通は撮影した写真を評価する。当然だろう。

dxomark.com では、「写真」になる前の「データ」を評価するというのだ。その発想はなかった(あっても、誰もやりたがらない)。

Nikon D90 が優秀

さて、各メーカのカメラの性能は、DxOMark Sensor から見られる。これを見ると、Nikon D90 のバランスが非常に良い

性能テストの総合順位は、D90 が「13 位」となっている。とくに高い順位ではない。当たり前だが、上位はフルサイズ機が並んでいる。

しかし、この表の価格帯を「All Price」から「<3000」(3,000 ドル未満)に変えてみよう。D90 は 2 位となる。

3,000 ドル未満の部門では、Nikon D700 が 1 位となるのだが、D90 との価格差は 2 倍以上だ。コストパフォーマンスは圧倒的に D90 が上である。

それ以前に、映像素子を「All Sensor Format」から「APS-C」へ変えれば、たちまち D90 が 1 位になるのだ。点数がほかのカメラよりも飛び抜けている。

自分は以前に D90 で写真を撮った。撮れた写真の透明感に驚いたものだ。──今回のテストを見て、また D90 で写真が撮りたくなってきた。

Nikon D90 – 動画の撮影もできるデジタル一眼レフカメラの新境地 : 亜細亜ノ蛾

このテストの意味は?

いや、そもそも「RAW データを評価する」ことに意味があるのかどうか、自分の中でも疑問がある。

JPEG でしか撮影しない人もいるし、RAW から現像した結果のほうが大事だ。

dxomark.com の評価では、Canon 50D はすべての要素で Nikon D90 に負けた。ほかの機種も全体的に「Canon よりも Nikon」という結果になっている。ライバルのメーカとしては、くやしいところだろう。

しかし、GANREF の性能テストを見ると、50D も D90 も大差がない。ダイナミックレンジは 50D が上のようだ。── D90 で「アクティブ D- ライティング」を使っていないことが気になるけれど。

テストのやり方しだいで、評価は変わるということである。

カメラにテストは必要か

いやいや、カメラというモノはテストの結果で選ぶものではない、という意見もあるはずだ。自分もそう思う。

こういう時のたとえ話をする際には、シグマ DP2 という非常にありがたいカメラがある。そして、「SIGMA DP マスタ」「カメラの達人」として自分が心の師と仰いでいる shio さんがいるのだ。

「SIGMA DP2 で どんな素晴らしい写真が撮れるか」を示すためには、下のリンクを 1 つ張ればよい。非常に楽だ。

shiology: SIGMA DP2

さて、DP2 の美しすぎる写真を見ていただいた上で、話を進める。

では、コンパクトで写りの良いデジタルカメラを選ぶなら、DP2 で決まりか。──と聞かれると、DP ユーザでも「うーん」とウナると思う。相手が「カメラは初心者です」という人なら、なおさらだ。

それくらい、SIGMA DP シリーズは、デジタルカメラとしての立ち位置も操作感覚も「扱いが難しい」カメラなのである(でも、shio さんなら笑顔でオススメしそう)。

カメラを決めるポイントとしては、性能そのものよりも「シャッタチャンスを逃さない(レスポンスが良い)」とか「持ち運びやすい(小さい・軽い)」・「好きなメーカである」などといった部分を重要視する人が多いだろう。

だから、結論としては「性能テストは参考程度にしておいて、使い勝手の良いカメラを選ぼう」である。

余談

結論が二転三転・七転び八起き(?)するのが、自分のチャームポイントだ(悪いクセ、じゃなくて?)。

上で書いたことと矛盾するが──でもやっぱり、dxomark.com のサイト上でテスト結果をグリグリとイジっていると、面白い。

たとえば、価格を「<1000」にすると、PENTAX がズラズラと並ぶ。しかも、なんと PENTAX K10D が 1 位なのだ。3 年前の機種なのに、この性能である。

というか──。PENTAX K10D といえば、「あのお方」しか思い浮かばない。どこかで鼻高々──どころか鼻がグングンと伸びる音が聞こえてきそうだ(「どこか」には異界を含む)。

coco’s bloblog – Horror & SF

この調子でいくと、PENTAX K-7 も良い結果になるのではないか。半年も待てば価格もこなれるだろう。