『SKET DANCE(スケット・ダンス)』 第 8 巻 感想・2

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『SKET DANCE(スケット・ダンス)』 第 8 巻「第1回キャラクター人気投票結果発表」

Giant House of Cards (by Tjflex2) (by Tjflex2)

ジャンプの「アンケート至上主義」を嫌う人も、キャラクタの人気投票は好きだ。

いや、そもそも本当にジャンプが好きな人は、アンケートにも人気投票にもハガキを出している。中途半端な人は、ハガキを出すことを面倒くさがるものだ。──それ、オレ。

『SKET DANCE』のキャラクタ投票は、一人で一票しか送れない。キビしいルールだ。

それなのに、なんとも面白い結果になった。人間ではないキャラがこんなに出てくる人気投票は、ほかにはないはずだ。

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SKET DANCE 8 (ジャンプコミックス)
篠原 健太
集英社 2009-06-04

by G-Tools , 2009/06/07

第 67 話 「ガチャガチャトレーダー」

ダークサイダーがカワイらしい! これなら商品化できそうだ。ジャンプ(集英社)が太っ腹だったら、うっかり本当にガチャガチャのフィギュアを作るところなのに。

ヒメコは寂しがり屋、という描写が出てくる。これをサラッと描けることが、この作者のスゴさだ。なにしろ、あのヒメコの過去編を描いたあとである。

──ああそうか、もうヒメコは いつでも「寂しがっていい」のだ。近くに仲間がいる。そう考えると、ホロッと来た。

アンソニーの天丼ネタはズルい! ボッスンとフィギュアを交換する場面は、ページをめくる前にオチが分かったけど、笑ってしまう。

本当に、この作者は「ちょっとイラッと来るキャラクタ」を描く天才だ。アンソニーは普通のアメリカン・ボーイなのに、何でこんなにムカッとするんだろう。不思議だ。

最後のページは、コレクタにはショッキングである。幸いにして、自分には収集癖はない。しかし──たまに、このブログに費やした時間のことを、ボンヤリと考えてしまう。

人生は長い。たまには、ムダなことをしても良いのだ。──と思っておく。

第 68 話 「第 1 回キャラクター人気投票結果発表」

送るハガキは一人一枚」というルールの「キャラクタ投票」なのに、「ボッスン塔」に 11 票も入っている。そんな人気投票だ。

この中で、実況役の新田が 0 票というのはスゴい。ミラクルだ。ちゃんとエントリィしていたのに、投票なしである。これは珍しい。──まったく不憫に思えないところも、彼の人柄が出ている。

ガチンコルールで集計しているはずだが、結果は非常に面白い。劇中劇のキャラクタが比較的上位に入ってくるキャラ投票なんて、ほかのマンガではあり得ないだろう。

なんと、「ただの絵」が 5 位なのだ! それを除けば、10 位までは納得できる結果である。

ロマンのファンとしては、彼女が上位で良かった。ホッとひと安心、である(嫌いな人もいるだろうから)。「空中に文字書き」も 最高に萌えた。──あいかわらず、計算でやっているのか天然なのか、あいまいなところが良い。

第 69 話 「ガラス男」
第 70 話 「誰…!?」
第 71 話 「ガラス乙女」

久しぶりに推理物である。三部作になってることも、最近では珍しい。

正直なところ、連載中は、犯人を推理する部分に面白さを感じなかった。しかし、コミックで通して読んでみると、良くできていることが分かる。とくに、「暗号とか?」はスゴい。マンガならではのトリックだ。

冒頭で、八木の密着取材を想像するボッスンが面白かった。たしかに、八木の密着取材は──良さそうだ(ゴクリ)。なんというか、『To Loveる』に出てくるような女子に密着されるよりも、八木のほうがグッと来る。

そういえば以前にも、ボッスンは「八木の DVD」(ダブルミーニング)で妄想していた。──ひょっとして、ボッスンの好みは八木なのではないか。「まるで僧」の彼が、女性を意識している場面なんて、ほとんどない。

以前から思っていたが、ボッスンとヒメコは、結ばれない気がする。5 年後・10 年語も たまに会って楽しく酒を飲んだりするのだろうが、お互いのパートナは別──となりそうだ。なんとなくだが、ボッスンの隣には八木がいるのでは……。

安田も高島も、いいキャラクタだ。この話だけで消えるのは、もったいない! たぶん、再登場するだろう。そのときには、二人とも いい恋をしていることを望む。

(でも、『スピード2』ではヒロインがアッサリと前作の主人公と別れていたよなぁ、とも思った)

番外編 「BISCUIT DANCE」

「セルフライナーノーツ」を読む限りは、締め切りが迫る中、勢いで描いたようだ。そのことがオチにも表われている。

それは置いておくとして、ヤバ沢が安形のことを意識していることは事実なのだろう。「ガチンコ・ビバゲー・バトル」での一件が思い起こされる。この生徒会長は、こうやって自分でも知らぬ間に女子をトリコにしていそうだ。

よく見ると、2 コマ目で安形にパンチを入れているのは、デージーではないか。彼女の 2 頭身が見られるなんて……。正面からの顔を見られないことが、非常に残念だ。

今後も、ほかの園児キャラクタを見てみたい。