『SKET DANCE(スケット・ダンス)』 第 9 巻 感想・2

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『SKET DANCE(スケット・ダンス)』 第 9 巻 「ハズカシガール」

煮卵 2.0 (by Takanori Ishikawa) (by Takanori Ishikawa)

今回の感想に出てくる範囲では、キャプテンの話が好きです。「高橋の煮卵」だったら、喜んで食べる! ──という人もいるのでは(他人に押しつけ)

第 75 話 「フードファイター・キャプテン」

ラーメン屋のオヤジがいい味を出しています(ラーメンのダシを出している、の意味ではない)。「イマドキこんなオヤジいるかよ!」と思いながらも──いるんだろうなぁ。

ちょっと腹減ってる ぐらいじゃというウィットに富んだジョークが出てくるあたり、なかなかセンスがいいですね。ちょっと思ったんだけど、完食されそうになったら笑わせる、という作戦が有効なのでは?

ボッスンは、人助けをしているとき以外にはカッコイイ場面がありませんね。主人公なのに……。

しかし、ボッスンには人望がある。ラーメン屋を立ち去るときの、ボッスンを支えるスイッチが素晴らしい。友情あふれる姿ですね。──「どうやってこの体勢からキーボードを打っているんだ?」とかは、考えてはいけない!

今回の話はキャプテン・高橋(ハーフみたい)が主人公です。登場のたびに印象に残っているので、「脇役」という感じがしませんね。

この作品の中では、高橋は「普通の良い子」側の住人だと思っていました。しかし、だんだんと彼女のユニークな面が出てきています。

高橋の特技が大食いとは意外ですね。将来、すごい体形になるのでは……。

いや、彼女の消えるキャプ食いを使うと、食べ物の行き先は胃袋ではないのかも(どこへ?)。「デザートは別腹」という人は多いですが、高橋の場合は、すべての食物に別腹が当てはまるわけです。

──煮卵以外は。

超感動ドラマ・「私 煮卵を食べる」は、映画化決定です(?)。

なんとなく、将来は「ヒメコが料理を作って高橋が食べる」というネタで、もう一本くらい出てきそう、と予想します。ほかのマンガだったらネタにならないような話ですが、このマンガなら、できそう。

第 76 話 「きぐるみぶれいく 前編」

『SKET DANCE』の大きな特徴として、「その人をそのまま受け入れる」という姿勢があります。

ヒメコは「暴力で解決する」ことをやめないし、スイッチは「しゃべらない」。それは彼らの個性であって、欠点ではないから──そう言っているように思います。

今回のスイッチは、本当にしゃべれなくなりました。そこでヒメコは、アッサリと彼にかわいそやわあと声を掛ける。──いろんな方面へさんざん気を遣った表現をして、逆に差別的になっている作品が多い中、読んでいて気持ちが良かったです。

だから、レミ自身が「先生らしくない」ことを気にしているのに、ボッスンは気軽にレミオおねえさんと呼ぶ。この作品らしさが、さりげなく出ている場面です。

──などという分析が無意味に感じる、シュールで笑える話でした。

レミのウチワが大量に余っている、という細かいネタも面白い。いや、本人が知ったらショックだろうな……。

そういえば、レミは教師になる夢を実現させるために、転職したはずです。──が、ひょっとして、番組で人気が出なかったのでは、とちょっと思ったり……。どうも、レミには「カワイそうなエピソード」を期待してしまいます。

第 77 話 「きぐるみぶれいく 後編」

いつものように、ボッスンの問題を解決する能力の高さを見せつけて、前編は終わりました。

──まさか、後編で作戦が却下されるとは! せっかく、思いついた瞬間には格好いい顔をしていたのに(着ぐるみで見えないけど)。ちょっと珍しいパターンですね。

後半になるにつれて、どんどんとアブナい状況になっていきます。それでもツッコミ続けるヒメコがすごい。意外と恐がりなのに、突っ込むときだけ別の人格になるのでしょうか。──きっと、スイッチも一緒にボケたり突っ込んだりしたかっただろう……。

オチのページは、「おねえさん」と「おにいさん」のプロ根性が良いです。どんな状況でも、手を抜かない。

──まぁ、ここからはヤボを承知で書きますが……。窓ガラスを割って助けを求めれば良かったのでは?