HUNTER×HUNTER No.293 『変貌』 (週刊少年ジャンプ 2010 年 08 号)
先週号のアオリ文を見てみましょう。
ネテロが生み出した 最終奥義……次号炸裂 !!
週刊少年ジャンプ 2010 年 07 号
──炸裂してねえええェぇeee!!!1
これはもしかして、先週号を作っていた時点(2-3 週間くらい前?)では、先の展開を担当者は知らなかったのでは。ということは、現在の『H×H』は、ストックなしで本当に「連載」をしているのかもしれない。
ら、来週も載っているのかなぁ……(期待よりも不安のほうが大きい)。
見られてる…… !!
キルアの充電完了
とは、作者自身の心境を代弁したもの──と思っておきましょう。
さて、ずっと気になっていた「繭」の中身は、(予想どおりとはいえ)残念ながら──パームでした。外にいる「選別」後の兵隊も繭に覆われているところから、パームもシャウアプフの選別を受けたのでしょう。
胸に血痕らしきモノが見えるところから、護衛隊に捕まった際に、自害したんでしょうね。それでも生きていたのは「ネフェルピトーが治したのではないか」という話をネットで見ましたが、まさか、そんな余裕はないでしょう。息絶える前に捕縛された、と自分は見ます。
ほかの兵隊よりも、明らかにパームは早く目覚めました。これは、彼女と兵隊との資質の違いでしょうか。もともと念能力者を選別すると、より強い念を持てる、とか。
ハギャ──レオルたちも、こうやって「生まれ変わった」のかもしれませんね。彼らの容姿が変わらなかったのは、アリと人間との違いでしょうか。
千里眼に 近い !!
読者は、可愛い 可愛い 人魚さん
(『ハンター×ハンター (No.21)』 p.141)のことを知っています。現在のパームは、人魚みたいなウロコに手足を覆われている。さらにキルアの考えを読むと、「パームの能力は千里眼」と思わされます。
──本当に、いまのパームは千里眼の持ち主なのでしょうか?
そこで、キルアがパームに対して抱いた疑問・オレが視えて ゴンが視えないのは 何でだ?
が引っかかってきます。この疑問は、キルアの脳内で描かれた図解でも、じつは解明できていません。
以前の能力であれば、パームは自らの目で 見た者の現在の 動向を水晶を媒介 してのぞき見る ことができる
(『HUNTER×HUNTER (NO.24)』 p.84)はずです。ゴンに会いたいのであれば、ゴンを見ればいい。なぜ、そうしないのか?
一つ考えられることは、「生まれ変わったことで、見た人間の情報がリセットされた」でしょう。今後は、パームが見た人間(キメラアント含む?)すべてを、千里眼で覗けるのではないか。
もう一つの考えは、「いまのパームには千里眼の能力はない」です。
面倒臭い 餓鬼…
そもそも、パームは強化系の能力者のはずなのに、「水晶」は明らかに特質系の能力ですよね。これは、ヒソカの言う容量(メモリ)の ムダ使い
(HUNTER×HUNTER (No.6) p.197)に当たります。
これにも二つの考え方があります。
一つは「暗黒の鬼婦神(ブラックウィドウ)」が、現在のパームの唯一の能力ではないか。自分は、こちらの説を推します。そうだとすると、ただたんにキルアの足音や気配に気付いて、一度は立ち去ろうとしたパームは戻ってきたことになる。
もう一つは──じつは、「パームが強化系」と思っているのは、ゴン・キルア(と読者)だけなんです(よね?)。「あの時のコーヒー」は、例えば「液体を砂糖水に変化させながら増殖させる」という特質系の結果が出ていた、のだったりして(「ドンだけ甘党なんだよっっ!」とツッコミ)。
──あ、書いているうちに、もう一つの説が思い浮かびました。
パームは、やはり千里眼を持っている。ゴンの「居場所」を聞いたのは、「ゴンの姿」を見ただけでは、場所が分からなかったから。ノヴのことを聞かなかったのは──いまの彼の姿を見てしまったから。──も、ものすごく説得力がある……!
あたしは 間違っていた
パームが「ブラックウィドウ」を発動した姿は、キルアの母親に見えました。もしかすると、やっぱり千里眼のような能力で、「相手がもっとも苦手とする人物の姿を借りる能力」なのでは、と思ったり。──で、『HUNTER×HUNTER (NO.5)』を読み返したら、ぜんぜん似ていなかった。チャンチャン♪
キルアがパームと戦うのは、ゴンを護るためです。そのためなら、パームをためらいなく「始末」できるのでしょう。キルアは、「キメラアントだから」倒すのではないのです。──イカルゴやメレオロンの存在を思い出しましょう。
リミッタも解除して、いくつかの修羅場と修行を通過したキルアを、パームの力は圧倒する! 攻撃を開始する前からキルアはやばい
と感じる相手は、久しぶりですね。あのモントゥトゥユピーでさえ、こんなに恐れていなかったのに(あの時のキルアは怒っていたからだけど)。
表出ろや
キルア v.s. パーム戦が盛り上がりそうなところで、なんと、ナックル v.s. シャウアプフですよ!
──えー、これ、大丈夫かなぁ……。ゴンがヘンな切れ方をしそうで、コワいです。まず、この場からプフが離れることを許すかどうか。そして、プフが「抜け殻」であることをゴンが知ったら……。
プフからすれば、ナックルひとりを煙に巻くことくらい、朝飯前でしょう。この場を離れる、絶好のチャンスです。たとえ外殻のまま・1/7 の力だろうと、「蝿の王(ベルゼブブ)」で打撃をすり抜けるはず。
──そう考えていくと、あまりにもプフが強すぎます。ここでナックル(とメレオロン?)を投入したのは、プフの攻略法を読者に想像させようという、作者からの(イジワルな)プレゼントなのかもしれませんね。
来週が気になるぜェ!(掲載されているかどうかが)