『バクマン。』 71 ページ 「才能とプライド」 (週刊少年ジャンプ 2010 年 09 号)
今週号の『バクマン。』は、表紙と巻頭カラーを飾りました!
──ということで、いつものように、1 ページ増えて 20 ページ分あります(普段は 19 ページ)。この 1 ページが、感想書きにとっては重いんだよなぁ……。──って、「1 ページずつ感想」なんて書いている人は、ほかにいないと思いますが。
見開きのカラーもネタが満載です。
目樽 桃(めたる もも)が良いですねー! ぜひとも、コスプレイヤさんに着て欲しい衣装です。『バクマン。』のコスプレは少ないから、ぜひ……。
あと、たったいま発見しましたが、発明品の名前が間違っています! 見開きではアクトル
(アルファベットのつづりも AKUTO
──)と書いてあるのに、本編ではアクルト
となっている。どっちなんだ! コミックスでは修正されるでしょうね。
また秒殺
連載会議に落ちて「GAME OVER」を宣言したところから、静河流は出てこないと思っていました。あるいは、最後まで容姿は分からないままではないか、と。
それがいきなりの登場ですよ。しかも、「静河」の表札よりも先に本人を見たのですが、一発で分かりました。イメージどおりです。静河流は、引きこもっているワリには、清潔感がありますね。本棚の整頓具合からして、潔癖症ぎみなのでしょう。
山久が静河の家に来てコミュニケーションを取ろうとしているのは、吉田にそう言われたからです。ただ、もし静河の担当が港浦だったら、引き籠もりと 言われるのが 嫌なんだ…… 当たり前か
とは思わなかったでしょうね。能力的な問題ではなく、港浦の性格上、ということですケド。
外見だけを見ると、山久と静河は正反対に見えます。しかし、相性は良さそうですね。静河も、山久だから家に上げて一緒にゲームをしようと思ったのでしょう。
自分の世界を 表現する
自分のひと言に対する静河の反応を見て、山久は静河の内面を探っています。山久は、編集部ではいつも自信満々でいる。一見するとナルシストのようで、他人の事なんて考えていないように見えます。ところが、ちゃんと他人の心の痛みも分かるんですね。
山久のいい所は、人を持ち上げるのが上手なところです。港浦のように根拠のない自信を押しつけるのでもなく、服部のように上げたり下げたりするのでもない。もちろん、相田のように適当なことを言って済ませたりしません。
いまになって考えてみれば、静河流の担当は山久しか勤まらないでしょうね。運命と言ってもいいと思います。
クリスマス ですか
ライバル発明家 目樽ブラック
のネーミングについて、シュージンは悪役なので 車の名前は まずい
と説明していますが──、アクルト
はいいのか-! 飲むと悪い事 したくなっちゃう 乳酸菌飲料
って。
「桃」って書いて 「ピンク」って 読ます
なんて、どんだけ DQN ネームなんだよ! まるで、「月」と書いて「ライト」みたいな感じです。
連載会議の直後、亜城木夢叶の 2 人は、ネームを直す場所が見つかりませんでした。ところが、港浦の「ライバルを出す」というアイデアひとつで、かなり面白いマンガになったようです。こういう時だけ、港浦も頼りになるな、と思いますね。
──いまのところ、港浦が一人で盛り上がっているだけなので、油断はできませんが……。
是非この方に
肝心なところで抜けている自分には、MONEYS くん
(マニーズくん)とは誰のことか、最初は分かりませんでした。「──え? 新妻エイジ以外にネームを描かせたのか」と思ったり。
岩瀬はプライド 高そう
だと、服部も思っていました。実際、そのとおりであるハズですが、マンガに対して岩瀬はものすごく謙虚です。
本当に、不思議な人物ですね、岩瀬は。シュージンが近くにいると暴走ぎみだし、蒼樹に対しては失礼な態度だし、見吉とは──最近会っていないけど修羅場になりそう。ところが、服部の前では、岩瀬は従順になる。なんだろう、この差は。
文学出身の岩瀬は、しっかりと「少年マンガ」を書いていますね。物語作りの基本は、文学にあるのでしょうか。──なんとなく、「やる夫が小説家になるようです」を思い出しました。
月曜発売の見本本
以前から加藤のことを「さげまん」扱いしている自分としては、蒼樹紅の仕事場のチーフが加藤であることに、不安を感じます……。とはいえ、男に対してしかその能力が発揮されないかも(失礼)。
というか、3 人とも高浜のことをひと言も話していません。──どこまでも不憫な高浜です。
いつの間にやら、蒼樹はカンロクが付いていますね。絵に描いたような「女性マンガ家の仕事場」です。そして加藤もまた、典型的な「先生に期待されるアシスタントさん」になっている。
──なんだか『バクマン。』の同人誌ネタを提供しているように見えるのは、気のせいでしょうか(気のせい)。