青春──トーキョースクールガール – 100 人の少女×写真の自由さ

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『青春──トーキョースクールガール』 小林 基行 (著)

Off To School (by josefnovak33)
(こんな感じの写真集──ではない)

写真家の小林基行さん(現在は「小林幹幸」さん)は、自分がいつもブログの更新を楽しみにしている 1 人です。

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それに、『フォトテクニックデジタル』で連載している「スクールガール」シリーズも好きですね。この雑誌自体はたまにしか買わないケド……。

ところが──、彼の出した写真集を自分は 1 冊も持っていません。せっかくなので──、と買ってみた『トーキョースクールガール』は、大当たりでした!

この写真集は、モデルの表情が素晴らしい!

おそらく、この本に出てくる女子高校生の制服を着た 100 人の少女たちは、全員がプロ──モデル事務所に登録されている人たちだと思うんですね。

だから、「破顔」としか言いようのない笑顔も、物憂げなうつむいた顔も──、演技ではあるのでしょう。

それでも、写真を見ている側には、自然な表情と見分けがつかない。そこが──スゴイのです。こんな表情は、ほかの写真集では見たことがありません。

自分もポートレイト──コスプレイヤさんをよく撮影します。だんだんと「自分のスタイル」らしきモノが身についてきたけれど──、ちょっとマンネリ気味な時期かも。そこで、この写真集は強烈な起爆剤になりました!

ああ、もっと写真は自由に撮っても良いのだな、と気付かせてくれた 1 冊です。

自由な写真

この写真集を見て、その自由さに驚きました。しかし──、構図と背景はいたって普通です。

無地の布の前に制服を着たモデルを配置して、バストアップと全身をまっすぐ前から撮っている。けっして、奇をてらって下から広角レンズでアオって撮ったり、奇妙な背景や服装でデコレーションしたり──はしていない。

たまに女の子が寝そべっている写真が出てくると、ドキッとするくらいです。

ではつまらないのかというと──ものすごく面白い!

この本では、おそらく、写真の撮り方自体は普通の技術を使っているのだと思います。しかし──モデルたちの表情が絶妙なんですね。作った笑顔でもなく、完全な「素の表情」でもないのです。

いわば、その人の個性を超えた個性──「超個性的な表情」とでも呼びたくなりました。

この表情を引き出せるのが、カメラマンの技術ですね。もちろん、モデルたちも「ただのシロート」ではないのでしょうけれど……。

「私」

ここに写っているのは──「私」です。私──わたし──アタシ──ウチ──自分。どのページを見ても、彼女たちは、

「私を見て!」

と叫んでいる。

自分を出すことについては、モデルじゃなくても──女子高生はプロ級です。でも、それをキャッチできる技量と度量がカメラマン側にないと、わざとらしい写真になってしまう。

では、どうしたらいいのかな──と考えるキッカケを写真集からもらいましたね。感謝!

そういえば──、「だから私を見て!」と言えばアスカです。小林さんは綾波派──とのこと。ううむ、これはぜひとも、新旧の『エヴァンゲリオン』(『ヱヴァンゲリヲン』)について、じっくりと話し合いたいものですなぁ!(写真のことはいいのか)

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