『SKET DANCE(スケット・ダンス)』 第 15 巻 「ビスケット・ダンス」
いよいよ、修学旅行が始まりました!!
この「修学旅行編」のサブタイトルは、「修学旅行狂詩曲」と書いて「スクールトリップ・ラプソディ」です。略して──「ストリップ」で良いでしょう(?)。
修学旅行編の見どころは、お色気だけではありません。
たぶん、作者としては、「仲の良いボッスンとヒメコのところへ、新たにサーヤが近づいてきて──」という部分を見せたかったのでしょう。
本格的な恋愛をまだ知らない、微妙な年齢の心理を、作者は描きたかったに違いない。
とはいえ──、ほかのクラスメイトたちは、普通にカレシ・カノジョがいたりしますからね。スケット団とサーヤ・高橋キャプテンあたりは、恋愛感情的には幼すぎるのかも(ロマンは夢見がちなだけで、普通の恋をしそう)。
第 132 話 「修学旅行狂詩曲 1」
スケット団の中でも、スイッチだけは精神年齢が高そうです。本気で好きだった人もいたし……。
サーヤと同様に、読者もスケット団の 3 人は いつも一緒に 居る
と思っている。しかし、スイッチは、自分でハッキリと割と 単独行動が多い
と言っています。
スイッチは、自分の立ち位置をしっかりと持っている。仲が良い 3 人ではあるけれど、必要以上にベッタリとはしない。やはり、スイッチだけはオトナですね。
──そのワリには、いつもスイッチはボッスンとヒメコの暴走を止めないし、むしろ自分から参加したがるけれど。
サーヤがボッスンの気持ちが気になっている──とスイッチが知った時に、読者の何人かは「サーヤをジャマしようとするのでは?」と思ったハズ。あるいは、「サーヤをボッスンに押しつけて、その様子を楽しもうとする」とか。それは違う!
スイッチは、人の好意を悪用しない。
さて、今回の騒動は、中馬先生が原因でした。
中馬先生──チュウさんの発明品をスケット団が試して、問題が起こる。──これは「いつものこと」ですが、何度も痛い目にあっているのに、ボッスンたちは先生を信じ続けているんですよね。
スケット団がお人好しすぎるのか、チュウさんの口がウマイのか……。
今回は、スケット団のほかに椿がいます。普段だったら、椿が騒ぎの元を抑えそうですよね。それなのに、今回は椿が自分からトラブルに突っ込んで行っている。
椿が薬を飲んだのは、ヒメコの勢いに仕方なく押し切られた──という感じですが、実際には、双子で一緒に何かをすることが嬉しかったのかも。
人格が入れ替わる薬・「イレカワール」はボッスン・ヒメコが飲んだ分しかなくて、残りは 100% 暗示にかかる「サイミン」しかなかった。それが地獄の(読者には天国の)始まりですが──、ちょっと思ったことがあります。
入れ替わったボッスンとヒメコは、それぞれ「サイミン」を飲んで、元の人格に戻ったように暗示をかければ良かったのでは?
チュウさんたちがそれに気づかなくて──、本当に良かった! 楽しい楽しい修学旅行の話が、台無しになるところだったゼ!
第 133 話 「修学旅行狂詩曲 2」
チュウさんは本当に悪人なのでは、と思う今日この頃。
「男女入れ替わりネタ」の第一歩として、着替えの場面がやってきました。その前の会話を聞いていると、ボッスンも普通の男子高校生
という感じですね。
ボッスンは恋愛観にうといのではなく、ヒメコに対して恋愛感情を持てないだけ──なのかも。前にも感想に書きましたが、ボッスンはヒメコ・スイッチのことを、家族のように思っているのでしょうね。椿と同様に。
ヒメコのほうは、かなりボッスンのことを男性として意識していることは、読者(とスイッチ)には見え見えです。そこが、カワイイ。とくに、今ちょっと 間があった !!
と叫んでいる時のヒメコが、『ハチミツとクローバー』に出てきそうな感じで良かった。
着替えている(着替えさせられている)最中のヒメコは、妙にエロい! なぜなのかと考えてみると──、いつもヒメコが身につけている、首輪が原因でしょうか。アイマスクと首輪が組み合わさって、アブノーマルな世界を開花させている。
絵的には、「ボッスンがヒメコの体を賞讃している」ように見えるところが笑えます。それとも──、近い将来の光景なのか……。
第 134 話 「修学旅行狂詩曲 3」
とうとう、オシッ──トイレ編です。
本当にこれは、少年誌における男女入れ替わりネタの タブーに挑む!
と言えますよね。よく「ジャンプ」でやれたモンだ……。
一方、師匠は登場人物にローションをかぶらせていた。
ヒメコ(中身はボッスン)の「M 女ルック」も、だんだんと板についてきましたね。ヘッドフォン・目隠し・鼻セン・手にはヒモ──のヒメコを引っ張るボッスンの姿を、ほかの生徒が目撃していたら、どうなっていたことか……。
拭こか?
の場面は、なんだか介護を見ているようで、イヤラシイ感じはしませんね。このシーンに異常な反応をしている人をウェブ上で見ましたが、そういう人こそションベン臭い。「経験不足」なのだな、とすぐ分かる。
──などと言いながら、状況を冷静に考えると、やっぱりモノスゴイ場面ですよね。ボッスンとヒメコにとっては、一生忘れられない経験でしょう。
そして──、「ボッスンの番」の時は、どうやったんだろう……。絵の構図的には、そちらのほうが発禁レベルです。
あと、修学旅行の間は、2 人とも便秘だったのか。
第 135 話 「修学旅行狂詩曲 4」
トイレがピークかと思っていたら──、お次はお風呂ですよ……!
『To LOVEる』だったら、間違いなくボッスンが女湯に入るところです。ボッスンも開き直っているし、ぜひともそうなって欲しかった。
妄想とはいえ、ヒメコ・サーヤ・キャプテンが背中洗いっこ
をしている場面が見られただけで、満足しておきましょう。
焦ったヒメコせいで、サーヤとキャプテンがボッスンに幻滅している。──これ、サーヤはともかく、キャプテンはずっと勘違いしたままなんじゃないかな……。
ただ、冷静に考えると、「修学旅行効果」のおかげでボッスンとヒメコが急接近して、それゆえの発言──とも見えるシーンです。
それならば、ボッスンがヒメコのことをキレイ過ぎて 裸が見たいと いつも思ってた
としても、ド変態
ではないと思う。──人前で堂々と言うのは問題だけど……。
さて、ボッスン・ヒメコが家族風呂へ突入するシーンですが──、いくら何でも、ヒメコの格好がヤバスすぎる! とくに、ヒメコが風呂場に入るところは、『DEATH NOTE』の弥海砂を拘束する場面以上の衝撃です。
一部の読者には、何で胸 隠すんだよ !!
のボッスンのほうが、キュンキュン来るところでしょうね。ボッスン(中身はヒメコ)の、妙にしおらしい表情が何だかエロい。
今回は、イヤラシイ場面ばかりではありません。ヒメコの髪を洗っている場面では、ポカポカした気持ちになります。やはりこの 2 人は、恋人よりも「家族」という関係が似合う。
肝心の(?)、ボディを洗う場面は、もう映像的に「コミックス全回収」レベルです(回収するのは、オレ)。トイレと同様に、「ヒメコがボッスンの体を洗う」ほうが、よりヤバスだから、いっさい描けなかったのでしょう。
ちょっと思ったのが、ボッスンもヒメコも、洗っている・洗われている姿を鏡で見てしまっていたら……。「一生の思い出」になりますね。
次のコミケが楽しみだな……。