バクマン。 #106-4 「試合と祭」 メリットと限界

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『バクマン。』 106 ページ 「試合と祭」 (週刊少年ジャンプ 2010 年 47 号)

Gethin Bath 9 Jun 08
(「メリット」といえば──)

今回のエントリー させてくださいというサイコーのセリフは、なんだかシモネタっぽい(──か?)。映画・『インシテミル』のタイトルもあわせて思い浮かべると、いやらしさが倍増です。

インシテミル – Wikipedia

もしくは、『新世紀エヴァンゲリオン』(旧エヴァ)の第拾九話・「男の戰い」を思い出しました。

──ずんぶんとタラコくちびるなゲンドウだな。

高木くんは「PCP」が ある上に

そのゲンドウ──服部は冷静に無理があるだろ、とサイコーにツッコミを入れています。思えばサイコーは、ムチャとムリばかり言っている(ついでにムッツリ)。しかし、今までやってきたことに、ムダはなかったはず。

今回の読み切りへの挑戦が、サイコーだけではなくシュージンも含めて、亜城木夢叶の将来につながっていくことでしょう。ムチャなことをするたびに経験値が上がっていく──。まるで RPG ですね(携帯対戦車グレネードランチャーではない)。

最近、「お金か時間をかけた者の勝ち」というゲームばかりが流行している。テクニックを駆使して・リスクを冒して・頭を使って勝ち進む──、そんな手応えのあるゲームをしてみたいです。

人生

やらせて ください!

自分から言いだしたことなのにサイコーは、シュージンの(いつものように勢いに流された)宣言を聞いて驚いている。半分以上は、サイコーひとりで原作も作画も描くつもりだったのでしょうね。どんな判断だ

これまでは、亜城木夢叶のチャレンジ精神を支援してきた服部が、読み切りに乗り気ではありません。不思議に思った人も多いのでは?

服部は、サイコーとシュージンに才能を感じて、人気のマンガ家に育てようと努力してきました。いまや人気作家と 言ってもいい亜城木の 2 人ですが、まだまだ上を狙える──と服部は思っているはず。

亜城木夢叶が「人気作家読切祭」に参加することは、現在の連載作品・『PCP』とは関係がない。──そう服部は判断したのでしょう。

『PCP』の次に描く作品──もしかすると同時に連載する作品のことを、すでにサイコーは考えている。そこまで考えてのエントリィだとは、さすがの服部も読めないでしょうね。察していたら、もっと強引に止めている。

中途半端にやって

「格式を重んじる」みたいな言い方は、服部らしくないですね。それほど、いまの亜城木には『恋太 & ピース』と『PCP』をがんばって欲しい──ということなのでしょう。

これは、服部が「守りに入った」からではありません。

シュージンが言うとおり、『恋太』の連載がなければ、服部も「読切祭」への参加を止めなかったはず。入院中のサイコーにムリをさせない、と心配するようなものです。

「恋太」で連載狙うのは

僕はあくまでも 亜城木夢叶 なんです !! とシュージンは声を荒らげる(○: あららげる, ×: あらげる。熱い場面です!

でも、なんだか白鳥がかわいそうに感じるなぁ……。

『バクマン。』の世界を外から見ると、「サイコーとシュージンにムチャをさせるために、『恋太』を出した」ように思えます。もちろん、作中の人物たちは、そんなことを考えてはいない。白鳥は、本当に喜んでいる。

今回の宣言をする以前にも、『PCP』の連載に支障が出るようであれば『恋太』からは手を引く──とシュージンはハッキリと白鳥に言いました。最悪の場合は連載が途中であっても、『恋太』の一時休載か終了もあり得るわけです。

このように不安定な状態で連載をしているマンガ家は、現実世界にもいるのでしょうかね? ──それが「業界の常識」だったりして……。

あと、ガタッと 2 人が立ち上がる場面にはワロタ。