『バクマン。』 106 ページ 「試合と祭」 (週刊少年ジャンプ 2010 年 47 号)
今回のエントリー させてください
というサイコーのセリフは、なんだかシモネタっぽい(──か?)。映画・『インシテミル』のタイトルもあわせて思い浮かべると、いやらしさが倍増です。
もしくは、『新世紀エヴァンゲリオン』(旧エヴァ)の第拾九話・「男の戰い」を思い出しました。
──ずんぶんとタラコくちびるなゲンドウだな。
高木くんは「PCP」が ある上に
そのゲンドウ──服部は冷静に無理があるだろ
、とサイコーにツッコミを入れています。思えばサイコーは、ムチャとムリばかり言っている(ついでにムッツリ)。しかし、今までやってきたことに、ムダはなかったはず。
今回の読み切りへの挑戦が、サイコーだけではなくシュージンも含めて、亜城木夢叶の将来につながっていくことでしょう。ムチャなことをするたびに経験値が上がっていく──。まるで RPG ですね(携帯対戦車グレネードランチャーではない)。
最近、「お金か時間をかけた者の勝ち」というゲームばかりが流行している。テクニックを駆使して・リスクを冒して・頭を使って勝ち進む──、そんな手応えのあるゲームをしてみたいです。
つ 【人生】
やらせて ください!
自分から言いだしたことなのにサイコーは、シュージンの(いつものように勢いに流された)宣言を聞いて驚いている。半分以上は、サイコーひとりで原作も作画も描くつもりだったのでしょうね。どんな判断だ。
これまでは、亜城木夢叶のチャレンジ精神を支援してきた服部が、読み切りに乗り気ではありません。不思議に思った人も多いのでは?
服部は、サイコーとシュージンに才能を感じて、人気のマンガ家に育てようと努力してきました。いまや人気作家と 言ってもいい
亜城木の 2 人ですが、まだまだ上を狙える──と服部は思っているはず。
亜城木夢叶が「人気作家読切祭」に参加することは、現在の連載作品・『PCP』とは関係がない。──そう服部は判断したのでしょう。
『PCP』の次に描く作品──もしかすると同時に連載する作品のことを、すでにサイコーは考えている。そこまで考えてのエントリィだとは、さすがの服部も読めないでしょうね。察していたら、もっと強引に止めている。
中途半端にやって
「格式を重んじる」みたいな言い方は、服部らしくないですね。それほど、いまの亜城木には『恋太 & ピース』と『PCP』をがんばって欲しい──ということなのでしょう。
これは、服部が「守りに入った」からではありません。
シュージンが言うとおり、『恋太』の連載がなければ、服部も「読切祭」への参加を止めなかったはず。入院中のサイコーにムリをさせない、と心配するようなものです。
「恋太」で連載狙うのは
僕はあくまでも 亜城木夢叶 なんです !!
とシュージンは声を荒らげる(○: あららげる, ×: あらげる。熱い場面です!
でも、なんだか白鳥がかわいそうに感じるなぁ……。
『バクマン。』の世界を外から見ると、「サイコーとシュージンにムチャをさせるために、『恋太』を出した」ように思えます。もちろん、作中の人物たちは、そんなことを考えてはいない。白鳥は、本当に喜んでいる。
今回の宣言をする以前にも、『PCP』の連載に支障が出るようであれば『恋太』からは手を引く──とシュージンはハッキリと白鳥に言いました。最悪の場合は連載が途中であっても、『恋太』の一時休載か終了もあり得るわけです。
このように不安定な状態で連載をしているマンガ家は、現実世界にもいるのでしょうかね? ──それが「業界の常識」だったりして……。
あと、ガタッ
と 2 人が立ち上がる場面にはワロタ。