TAMRON 18-270mm F3.5-6.3 DiII VC PZD
結論: 高倍率ズームのレンズを使いましょう!
上の結論が出た理由はあとで書くとして──、いまならタムロンの新しいレンズが「買い」です! 下のページで見てのとおり、広く写し取ることも、ボケを味わうこともできる。
この素晴らしいレンズのズームの倍率は「18-270mm・15 倍」という世界最高クラスで、どのメーカよりもビシッと止める「手ブレ補正(VC)」が付いています。
この記事の一番上にある写真は、旧 18-270mm で撮りました。「片手を猫にかじられながら、シャッタ・スピードは 1/20 秒」というムチャな状況です。それでも、タムロンの VC は手ブレをピシャッと止めて、猫(とオレの腕毛)のモサモサ感がよく出ている。
じつは、15 倍ズームと手ブレ補正だけなら、旧 18-270mm(TAMRON B003)
さらに新製品には、タムロン初の「超音波モーター(PZD)」を搭載しています。これが旧 18-270mm 使いの自分には、うらやましい! 旧レンズは、たまに「オートフォーカスがもっさり」しますからね……。
交換レンズ 高倍率ズームならタムロン ピエゾドライブ搭載/PZD(Piezo Drive) B008
超・高性能のままコンパクトになった、PZD 付き 18-270mm は絶対におすすめですよ! 単焦点レンズ派の人は、18mm・28mm・35mm・50mm・70mm・100mm・200mm ──をまとめて買ったと思えばいいのです。
ぜひ、下のリンクからどうぞ!
肝心の写りは?
タムロンは、新レンズによっぽど自信を持ってます。
というのも──、タムロンのサイトやカタログをざっくり見た限りでは、どのレンズの説明にも「MTF 曲線」のグラフが見当たらない。これは何かと言うと、レンズの解像度をあらわすグラフです。
ところが新製品の 18-270mm VC PZD は、ハッキリと MTF 曲線のグラフを公表している!(タムロンでは初めて?) これがまた、すごいグラフになっています。
交換レンズ 高倍率ズームならタムロン スペック・MTF B008
広角側は、レンズの周辺近くまで、グラフ上部にビタッと曲線が張り付いている(上に行くほど高解像度)。旧 18-270mm の弱点だった望遠側は、むしろ広角側より解像度が上がっています。素晴らしい!
同じ高倍率ズームであるシグマの 18-250mm と比べると、タムロンの新 18-270mm のすごさが分かります。
手ブレ補正機構を搭載した、デジタル専用13.8倍高倍率ズームレンズ 18-250mm F3.5-6.3 DC OS HSM 株式会社シグマ
グラフを見てのとおり、残念ながらシグマのほうは、望遠側の周辺がガックリ落ち込んでいる。──でも、これが普通なんですよ。タムロンがすごすぎる。
田中希美男氏の評価
カメラとレンズのことなら This is Tanaka の田中希美男氏に聴け! とこの業界では決まっています。毎回楽しみにしている氏のブログに、今回のスーパ・レンズのことが書かれていました。
「望遠側はあと 10mm 欲しかった」という無理難題(でもない?)以外は、べた褒めの内容ですね。写真で見ると、新旧のレンズは大きさに違いはすくないけれど、実際に持ったらかなり違いそうな気がする。
一年間使い続けて魅力がうすれない・愛用の Canon EOS 7D と旧 18-270mm は、大きさが合っています。手にズッシリと来る感じがたまらない。
ただし、Canon EOS Kiss X4 や Nikon D7000 のような小型・軽量のボディには、旧 18-270mm は大きすぎ・重すぎるでしょうね。
やはり、新 18-270mm の出番だッ!
なぜ高倍率ズームを勧めるのか
レンズキットでカメラを購入して、1 本・あるいは 2 本のレンズで満足していますか? 「短いほう」だとズームの距離が足りないと感じたり、「長いほう」では 1 歩も 2 歩も 64 歩も下がったりしているのでは?
または、「カメラにはやっぱり、単焦点レンズだよ」と「先輩方」から勧められので、焦点距離: 50mm のレンズ
キットのレンズや単焦点レンズを最初に買った人の中で、全体の 8 割が数か月でカメラに飽きてしまう。残る 2 割のうち、8 割の人がレンズを付け替えずに「日の丸構図」の写真を量産する。
──と勝手に考えたのですが、ほぼ合っていると思う。
最初に書いたとおり、レンズは高倍率ズームが楽しい!
キットについて来たレンズは「オークションで売るため」に、単焦点レンズは「レンズの使い所が分かってきた時」に使いましょう。
余談
例によって、タイトルはゲーテから借りました。
なぜいつも遠くへばかりいこうとするのか?
見よ、よきものは身近にあるのを。ただ幸福のつかみかたを学べばよいのだ。
幸福はいつも目の前にあるのだ。
「遠くにあるものを、近寄らなくても撮れるレンズだよ!」ということを、今回のタイトルから何とな~く感じて欲しいです。自分で勝手に決めたタイトルの文字数制限で、言葉足らずになりました。「幸福」とは、「シャッタ・チャンス」のことだったり……。
ゲーテの言葉からタイトルをよく借りていて、気がつきました。彼は「故き(ふるき)を温ねて(たずねて)新しきを知る」・「温故知新」といったことを、ほとんど書き残していないのです(自分が知らないだけかも)。
21 世紀の今になっても、180 年ほど前に亡くなったゲーテの言葉を引用し続けている現実を、彼はなんと思うのでしょうかね?