バクマン。 #115-1 「記念撮影と教室」 教習所と特殊能力

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『バクマン。』 115 ページ 「記念撮影と教室」 (週刊少年ジャンプ 2011 年 05・06 合併号)

メインストリート
(どこか見覚えがある──路上では見かけない道)

今週の「ジャンプ」には、なんと──、地獄のミサワ先生の『カッコカワイイ宣言!』が載っています! 「ジャンプ SQ.(スクエア)」からの出張ですね。

じつは、『カッコカワイイ宣言』は初めて読みました。意外とオーソドックスなギャグマンガで、ツボを押さえた作りになっています。

今回のような外国人ネタは、「ペリー」の動画を知っていると、脳内再生して面白さが加速する……! たぶん、先生も意識して描いているはず。

YouTube – ペリーの開国要求


ミサワ先生は、なんといってもご自身のサイトが有名ですね。(ほぼ)毎日更新されていて、自分も楽しみに見ています。

地獄のミサワの「女に惚れさす名言集」

この「一コマでドヤ顔を見せて笑わせる芸風」は、われらがサイコーも会得している。ときどき彼は、決まっていない顔で決めゼリフを言っています。あれは本人からすると、格好をつけているのか・天然なのか、どちらなのでしょうね?

今回はシュージンまで、キメようとして外しています。

仕事の 合間ぬって 気長に

サイコーたちは教習所へ行くらしい。

自分も 10 年ほど前に通っていました。懐かしいなぁ……。去年で 2 回目の年男(としおとこ)を迎えた自分の年齢なら、もっと昔に行かないとマズいですけどね!(自家用車を持っていない歴・イコール・実年齢のエコライフだから)

そう言えば、このあたりの地域(三重県の北のほう)では、教習所とは言わずに「車校(しゃこう)」と呼びます。「自動」を省略しているわけですね。考えてみると、「教習所」(何の?)よりは本質を突いている。

ついでに、東海三県で通じる言葉を紹介します。最後の例を関西圏の人に話す場合には、充分に発音を注意しましょう!(これが書きたかっただけ)

  • 自転車→ケッタ(またはケッタマシーン)
  • 名古屋駅→名駅(めいえき)
  • 名古屋港→名港(めいこう)

教習所へ通うのに 3 人でって やめようぜ──とサイコーが言う気持ちは、よく分かります。中学生からの仲ですからね。そろそろ、すこしは距離を置いても良い時期でしょう。そんなことくらいで離ればなれになる間柄でもない。

しかし──、普通ならばサイコーが、高木夫婦にエンリョするべきでしょう。どうして、カヤをのけ者にしようとしているのか。

やっぱりサイコーとシュージンって……(何?)。

人気も上々

月例賞(トレジャー)の審査員は、すくなくとも 5 年くらいは連載をしているベテランだけかと思っていました。じっさいは、1 年連載した 作家にはまわってくる システムとのこと。

──連載の年数が短すぎないか……?

亜城木夢叶の場合は、原作と作画が分かれていて、なおかつサイコーが信念を持って作画のスピードを上げたおかげで、ようやく 2 人とも余裕が出てきました。1 人でマンガを描いている人は、審査員なんてやっている時間があるのでしょうか。


これに対して、シュージンがすごいことをサラッと言っています。サイコーもするっと受け入れているけれど、下の言葉は「ジャンプ」への痛烈な批判とも受け取れる。

自分達で ライバル選ぶって どうよ?

たしかに、そのとおりですよね……。新人にとってはプロから批判を受けられるメリットは大きいけれど、作家には──何ひとつ得がない。ボーナスくらいは欲しいですよね。


このページの見どころは、「亜城木夢叶先生」のイラストです。サイコーとシュージンを合わせて 1 人にしたような絵になっている。

読者から見れば、亜城木は 1 人の先生だと思うでしょうね。いつまで隠しているのだろう? ファミリィ・レストランで作業をしている時に、「──もしかして、亜城木夢叶先生ですか!?」とバレにくいからそうしているのかも。

本編でこの絵が出てきたかどうか覚えていませんが、自分が意識して初めて見たのは、絶賛発売中の『キャラマン。』です。

バクマン。 キャラクターブック キャラマン。 – パラレルとリアル : 亜細亜ノ蛾

方向性って?

「ジャンプ」と言えば王道バトルマンガ──と言われて久しい。あらためて確認すると、前半に載っているページのマンガは、ほとんどが王道バトルものです。

たしかに、今から同じジャンルを描いても、きびしいでしょう。たとえるなら、京都でしにせの和菓子店へ、シロウトが作ったお菓子を持ち込むようなものです。現状を冷静に考えれば、すぐに結果が分かる。


こまかいところに気がつきました。

シュージンは、次の時代を作るのは 新しいマンガじゃないかと言っています。それに対してサイコーは、新しい スタイルって もう出つくしてて ないだろと反論している。

「マンガ」と「スタイル」は、大きく異なります。

『バクマン。』は、「マンガ家を主役にしたマンガ」という意味では、『まんが道』と同じです。ちょうど、2 人組のマンガ家という点でも似ている。

しかし、両者を「まったく同じだ!」と思う人はいないでしょう。なぜなら、スタイル──話を見せる手法が違うからです。もしも、藤子不二雄先生は声優と結婚するためにがんばっていた──という話が『マンガ道』だったら、ビビる。

「バトルマンガ」というような大きなくくりで、まったく新しい作品を生み出すのは、かなり困難です。凡人にはムリかもしれない。しかし、自分なりの斬新なスタイルを盛り込むことは、挑戦のしがいがあるでしょう。


『バクマン。』は、バトルマンガのスタイルを取り入れた恋愛マンガです。これはまったく新しい!

──と思いきや、バトルもの(というか少年マンガ)には、恋愛要素がつきものです。なにしろ、某・ガチホ■グルメマンガですら、最近はオナゴにうつつを抜かしておる(あ、それでも主人公は女に興味なしか)。

ということは、これからの少年マンガには、恋愛以外の要素を足す(あるいは引く)必要があるわけです。それは、なんだろう?

言い方は カッコいいわね

シュージンが出した結論は、邪道バトルでした。

何度も「邪道」を試してきた亜城木夢叶なのに、そこへ「バトル」をつけるのは初めてとは、盲点を突かれましたね。

あえて言えば、『TEN』が邪道バトルに近かったのかもしれません。『走れ! 大発タント』といい、港浦が担当だった時代は、亜城木の 2 人は良い挑戦をしていました。


ただ、殴る蹴るのない 心理バトルまで行くと、『疑探偵 TRAP』になってしまいます。もっと言えば、『カイジ』ですよね。

心理バトルものは、カテゴリィとしての新しさはありません。しかし、新しいスタイルを見つけられる可能性はある。

『キャラマン。』に載っている『グラサンピッチャー』(原作: 高木秋人)も、野球──スポーツマンガというよりは、心理戦を中心にしたマンガです。ふんいきが『ONE OUTS』に似ているので目新しさは感じなかったのですが、シュージンらしいシリアスな笑いが楽しめました。

やはり、シリアスな笑いが亜城木夢叶の持ち味です。

ついでにとんちんかん』みたいな顔で、秋人さん カッコ イイと言うカヤも面白いケド。

なんで悩む必要 あるんですか

編集部が騒がしくなっている。内容が「ジャンプ」に 相応しくないマンガが送られてきたようですが、静河流の『斜本(日本の終わり)』でも、こんなに議論は起こりませんでした。

相田が言う「週刊少年ジャンプ」 否定マンガだと聞いても、内容が想像できません。男どもをそっちのけで、女の子同士が戦うマンガとか?(面白いかも)

どんなマンガなのか、気になります! ついでに、「頼りないシュージン」みたいな編集者も、気になる!


吉田がよく口にするセリフと言えば、「よく聞け」です。平丸に向かって、1 時間に 128 回は言っている(かもしれない)。

服部は、「刺激になる」が大好きですね! 何かというと、亜城木に刺激を与えている。マンガ家にとって、非常にありがたい編集者ですね! 原稿を受け取ることだけが仕事と思っているような、(昔の)港浦とは大違い。

その港浦が、なぜかこのページでは 1 番大騒ぎしている。なぜでしょうね? あとから分かるように、港浦の好きなギャグマンガでもないのに……。

「どんでん返し」が大好きなミステリィ・ファンとしては──、「じつは港浦が描いて送ってきた」だったらすごい!