『バクマン。』 126 ページ 「分析と結果」 (週刊少年ジャンプ 2011 年 17 号)
七峰に協力する人たちの中にも、いろいろなタイプがいるはずです。たとえば、下のような例が考えられる。下に行くほど希少生物になっていくでしょうね。何しろ、無報酬だし……。
- 面白がって参加している(だけ)
- 人気マンガに関われるなら参加
- 真剣に協力したい
そう言えば、「七峰透」という本名を出して天下の「ジャンプ」に連載を始めたのだから、知り合いが連絡してきても良さそうなものです。しかし、そこから新たな「判定人」が生まれる──という描写はなかった。
やっぱり、七峰って友だちが──。
同じ人ばかりと言うか
追い詰められた「マンガ新世界の神」──七峰透の顔がこわい。何日も寝ていないような、悩み疲れた表情です。それでも、亜城木夢叶に勝ちたいという一心で、七峰は がんばっている。その気持ちだけは、評価に値しますね。
プロの作家になって何年も描き続けていたら、そのうち「ほかの作家と常に勝負している」なんて感覚もなくなってくるはずです。「打ち切られないこと」を優先して考えてしまいそう。
最期の最後まで戦い続けた、川口たろう先生はすごい。
『有意義な学園生活に必要なそれ』の順位を、まだ 1 桁の順位
だと七峰はごまかしているけれど──、ネット上の評価
を見なくても、掲載順位で丸わかりです。「判定人」の大半には、すでにバレているのかも。
会心の 出来だ!
亜城木と七峰が同じ話を描く──と決めて以来、初めて編集者の服部が登場しました。前回の小杉編集は、本当に服部に許可を取ったのだろうか──。現時点の答えは不透明です。
この先の展開を見ても、とくに「編集部で大問題」には なっていません。どうやら、「同じ話で対決」は編集部も公認のようです。「ジャンプ」誌上では前代未聞のはずなのに、なんだか あっさり風味だなぁ。
「判定人」からはアイデアをもらうだけで、原稿にまとめるのは七峰ひとりの仕事です。シュージンの解説でもよく分かるとおり、このまとめ作業には高度な分析力が要求される。それを毎週続けていくことは、かなり困難でしょう。
作家の多くは、ファミレスなどで、ネームを書いたりネタ出しをしたりするそうです。その作業中に、何気なく聞いた客の会話が、作品のアイデアになったりする。そうやって生まれたキャラクタもいるらしい(by. 『さよなら絶望先生』)。
七峰の「判定人法」は、上記を積極的に発展させた形です。というか──、普通の会社で新製品を開発する際におこなうブレインストーミングと同じで、とくに新しくはない。それなのに、「七峰 = 悪」と感じるのは、『バクマン。』の作者による魔術ですね。
もしも、現実世界の「ジャンプ」で七峰のやり方を取り入れるならば、もっとプロ意識の強い人選だけにするだろうし、金銭的な交渉もキッチリ決めておくでしょう。七峰のやり方に問題があるのは、左記の点だけかもしれない。
また、「判定人」との会議(チャット)を毎週やるのは、効率が悪すぎます。キャラクタの設定とシリーズの構成だけを大人数で決定して、あとは作家が仕上げていく──とするのが理想でしょう。
8 話目で この掲載順…
まさかの見開き中井さんです。中井のグラビアページ?
中井巧朗だけが、『有意義』の真実を知っている──。あとの展開にこの事実が どうつながるのか、現段階では分かりません。
1 コマ 1 コマに多くの情報が詰め込まれている本作品だけに、このページのような「中井がコソコソするだけ」の場面が出てくると、妙に目立ちます。作品の流れにアクセントをつけて、リズム感を出しているのでしょうね。
──できればそれは、女性キャラでやって欲しかった。
完全に打切コース
中井は、アシスタントとしては超一流です(もしくは「だった」?)。ところが、七峰の仕事場にいられなくなったら、即ホームレス
になると想像している。彼なら、いくらでも仕事が見つかるはずなのに……。
『hideout door』が終わった時点で、「伝説のスーパーアシ」に声を掛ける編集者は一人もいなかったのが、そもそもおかしい。
蒼樹紅には茨木編集長がアプローチしていたけれど、あの時点の彼女は「少年誌には合わない作家」だったはず。どう考えても、(あの時の)蒼樹よりは、中井を確保しておいたほうがお買い得物件です。
「ヒント: 話の都合」だとしても、編集者たちが無能なのでは──と今ごろ思ってしまいました。
2011-04-06T00:05:36+09:00 追記
──って、メチャクチャなことを書いてますな。その前に、高浜のアシスタントをしていましたね! 自分の中で、『ハイドア』の終了から「蒼樹ビンタ」までの中井が、カット・アンド・ゴミ箱へペーストされている。
そして、大半の読者にとっては、それで大きく外れていなかったりして──。
アシスタントのユキは、言葉にエンリョがない。二重にひどい悪口(お父さん
・カッコ悪い
)を本人の目の前でサラッと言い放っている。この態度は、ほかに人がいないからでしょうね。
女って──。
この時点では、「中井が『DEATH NOTE』ばりのトリックを駆使して危機から脱出する」という展開を想像していました。「判定人」たちと連絡を取り合って、マンガ業界に長くいる者のアイデアを伝授するのでは──。
そんな格好いい役目が、中井に回ってくるのだろうか?
このページの最下段にいる中井は、つーか そんなの無理!
と数ページ前で見得を切るシュージンと、ほぼ同じポーズです。この 2 人が「似ている」とは、とても言えないけれど。
年内最後の打合せ
気合いが入った直接対決の号
は、実際の原稿が見られると期待していました。最近は、その機会が ありませんね。たぶん、『バクマン。』の原稿を仕上げる労力が、普段の倍以上は かかるのでしょう。
「いかに中井を憎たらしく描けるか」で忙しいのかも。
自分の分析を語るシュージンが、ムダにスタイリッシュです。いままでは、地獄のミサワ絵が似合うのはサイコーだったのに、シュージンがその地位を奪うかも(?)。
顔芸も七峰に取られたし、ヒロインは読者の 8 割から忘れられているし(※ asiamoth 脳内調査)、主人……公? のサイ……コウ? の明日はどっちだ!?
コメント
声はかかってましたよ。
港浦の電話から中井は高浜のアシやってましたし,
山久も蒼樹とのコンビで連載させようとしてました。
それを自分で潰して実家に帰ったんじゃなかったでしたっけ。
編集部にとって大切なのは「漫画家」で「スーパーアシ」ではない
ということなんだと思います。
ありゃー、そうでした!
高浜編(?)は、黒歴史として脳から抜け落ちてたり。
記事を訂正しておきます。ありがとう!