バクマン。 #131-1 「模倣と無意識」 洞察力とメンタル面

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『バクマン。』 131 ページ 「模倣と無意識」 (週刊少年ジャンプ 2011 年 23 号)

Weekend Love
(人の精神が目に見えたら──話は簡単だ)

今回は、小杉編集が良いことを言っていました。自分が思っていることと下の言葉とは、一字一句違わず同じです。やるな、メガネくん……!

悪いのは本当に 犯罪を犯すバカと 面白半分な 報道の仕方をする TV 局です

これは、当たり前のことであり、あらためて言うまでもない。それなのに、創作物をマネした犯行が起こるたびに、「マンガのせい」「ゲームのせい」と叫ぶ人がいる。

そんな「現実と虚構との見分けがつかない人たち」だから、いまだに「マンガの精」「ゲームの精」を信じているのでしょう。サンタクロースや妖精を信じるのは、子どものうちだけにしないと、見ていて つらいぞ。

亜豆から メール…

久しぶりに登場した亜豆ですが──、こんなにも浮かない表情です。2 人の夢にとって危機的な状態ですから、仕方がないですね。読者からしたら、『PCP』のアニメ化なんて とっくに絶望的だと分かっているけれど──。

こんな時でも、お互いに「業務連絡」みたいな内容のメールをやり取りするなんて、本当に将来は結婚する気があるのか不安になってきます。

いっそのこと、このまま 2 人は「別居結婚」すると良いのでは? ビデオ・チャットで結婚式をして、ハネムーンもお互いに ほかのところへ行く。「おめでた」や育児も別々に済ませて、いつのまにか金婚式(結婚 50 周年)へ──。

シュージン「あいつら未来に生きてんな


サイコーも亜豆も、持っている携帯電話のデザインが、2016 年の話にしては古い気がします。シュージンがスマートフォン(のようなデザイン)を利用しているから、余計に古臭く感じてしまう。

気になって『バクマン。 (3)』あたりを見てみると──、もしかして、この 2 人のケータイは高校生の時から変わっていないのでは !? ほぼ同じデザインです。

DEATH NOTE』では近未来的な携帯電話をいくつも見せてくれた作者だけに、デザインを思いつかなかったとは思えません。自分も同じ携帯電話を 6 年ほど使っているけれど、サイコーと亜豆も物持ちが良いのでしょう。「2 人とも頑固な性格だから」かも。

たとえばラブコメ的に、「2 人で一緒に買った携帯電話」だったら話が広がりそうだけれども──、そんな甘ったるい思い出とは無縁の 2 人なのであった。

真城くんが大丈夫でも

シュージンの方が繊細? と亜豆の言葉にサイコーは驚いているけれど──、それを知らないのはアナタだけです……。

あれほど「気配り上手の高木秋人」と接していて、そこに気がつかないのは、じつにサイコーらしい。さいこーは もっと、シュージンから人付き合いのコツを学ぶべきです。

シュージンも、意外とほかの作家との交流が薄い。でもそれは、サイコーに遠慮しているだけだったりして。あるいは、作中に描かれていないだけで、毎週のようにマンガ家同士の飲み会に参加して、蒼樹紅と仲良くしている──とか。

サイコー:
「(え、そんな会 知らない……)」
カヤ:
「(あたしも……)」
平丸:
「(僕も……)」

「事情通」な顔をした出目田金一(でめた きんいち?)教授は、『PCP』のことを知ったばかりのくせに、的外れな批判している。こういう名を売ることに必死な人たちのせいで、どんどん事実がゆがんでいく。

この教授の名前は、明らかに『DEATH NOTE』の登場人物である出目川仁(でめがわ ひとし)のパロディですね! 「出目」がつく名字に、作者は何か恨みでもあるのでしょうか。

虫の居所の 悪そうな顔

さくら TV での報道によって、あの「非・銀行強盗」は「PCP」の模倣犯であると確定してしまいました。実際には、犯人の意図はどこにあるのか分からないのに……。

そして、やはりテレビ局の人間は、「ジャンプ」の編集部には いっさい連絡をしていませんでした。『PCP』のイメージ・ダウンは まぬがれないため、「販売妨害」や「名誉棄損」に当たりそう。

しかし、佐々木編集長がさくら TV には 直接電話して 怒鳴り散らした──だけで終わっている。「えっ、それだけ !?」と思ってしまいました。

この結果が見えていたから、『PCP』を「悪」としてテレビ局は大々的に出したわけです。悔しいなぁ……。

まずい事 やったかな

出社して早々、編集長に呼び出された服部は、まるで「悪いことをした学生」みたいになっている。このタイミングで話があるとすれば 1 つしかないのに、なんだかノンキに見えました。

相田と小杉の熱気に押されて、港浦は ちぢこまっている。外に出ては岩瀬に怒鳴られ、編集部では部下からも叱られる──。港浦くんの受難の日々は続くのです。

そういえば、服部も港浦も、最近は見せ場がありませんね。もともと港浦の格好いいシーン自体が少ないけれど、たまには亜城木コンビに良いアドバイスをしていました。服部は、また策略の限りを尽くして欲しい。

七峰透という「いままでにない不正スレスレの やり方を試すマンガ家」を出したのだから、その「編集者版」がいても面白そう。

逆に触れない方がいい

全国放送のテレビで報道されるという──けっこうな一大事が起こっているはずですが、服部のほうから編集長(とおそらく相田)に相談する気はなかったようです。編集長がこの場を作らなければ、ずっと個人の考えで服部は動くつもりだった。

──前から思っていましたが、この「社員(編集者)の独断に任せる」という方針は、「普通の会社」として当然のことなのでしょうかね? 出版業界での常識──なのかもしれない。

自分が働いていた職場では、上司と部下を交えたミーティングで、方向性の確認が何度もありました。まったく業種が違うから、一緒には できないけれど。


この場面では、亜城木のことを信頼しすぎている服部に、不安を感じます。たしかに、サイコーとシュージンは、いろんな困難を乗り越えてきました。しかし、今回の騒動は、いままでとは性質が異なると思う。

そこですかさず、服部に釘をさす編集長が見事です。作家のメンタル面を一番に考えているのは、ウラを返せば、「週刊少年ジャンプ」に連載して、精神的に壊れていった作家の多さを物語っているけれど……。

コメント

  1. kaminashi より:

    こんばちわーヽ( ´¬`)ノ
    (改心したけど)七峰といい模倣犯といい亜城木ファンにはとんでもない爆弾がいっぱいいますね
    今週の中ではカヤちゃんの
    「やっていいことと悪いことの区別がつくように育てる」
    ってのが
    自分の言いたいことまんまでした!!
    親妖怪といい世間一般の一部の大人はなんでもゲームやマンガ、TVのせいにしたり
    「これだからゆとりは……」
    で若者世代をひとくくりでまとめて見下したりする…
    真似をしないよう注意するのが親だし、ゆとり教育もそもそも勉強内容を少し遅らせたり減らしたりしただけ……
    だのに注意が行き届かないのをメディアのせいにする大人が多いですよね(・_・;)
    PCPの順位を落とし、非・銀行強盗ができる賢い模倣犯
    …………犯人は岩瀬できまりですね←エ

  2. asiamoth より:

    (深夜でも)こんにちは!
    なんでもメディアのせいにしたがる気持ちも
    分かりますけどね。
    それくらい、オトナも子供も本気にさせる力が
    創作の世界にはあります。
    だから、放っておけない。
    『PCP』の不調を本当は心配しつつも、
    岩瀬が強気の姿勢でシュージンを挑発してくる──
    という展開もありそうですね!