HUNTER×HUNTER No.322 「兄妹」 (週刊少年ジャンプ 2011 年 47 号)
今週号の巻末で、冨樫義博先生は「gif アニメなるものを見ました
」と書かれています。あきらかに、下のページに貼ってある画像のことですよね!(とくにネフェルピトーのほう?)
【ゴンさん】 「HUNTER×HUNTER」 覚醒したゴンのgifアニメ、凄すぎる件
たしかに、アニメほどの迫力はマンガでは描けない。──そう思った人は いませんか?
上の GIF アニメの元になっている「カイトたちとピトー」や「ゴンとピトー」の場面を読んで、それでも「動いて見えない」のなら、目が真っ黒か、頭の中が真っ白か、どちらかだと思う。
冨樫先生も『幽☆遊☆白書』のころは、「止まった絵が続くバトル・シーン」が多かった。
しかし、『ハンター×ハンター』では動く動く! 作画が壊れていた「ヒソカ vs. カストロ戦」ですら、むりやりに動かしていました(『HUNTER×HUNTER (7)』)。
本作品や『ドラゴンボール』といった圧倒的なバトルを描いている作品と同じ雑誌で──、よく「気がつくと背後にワープしている」マンガが描けるなぁ、と感心します。1 秒間に 3 コマくらいの「廃・スピード・アニメーション」ですね!
──という、バトル論とは無関係の感想を書きました。
おとうと or いもうと?
前回の感想で、アルカが「弟」──つまりは男性という点について書きました。
HUNTER×HUNTER #321 「怪者」 けもの×ケモノ×のけもの | 亜細亜ノ蛾
そうしたら、今回のタイトルは「兄妹
」と書いて「きょうだい」と きましたよ! 本来は「けいまい」あるいは「あにと」と読むのですが、たしかにルビは自由で構わない。
アルカは、女性だったのか──?
しかし、アルカのことを「妹」と思っているのは、キルアだけです。しかも、内心で 1 回 思っただけ。イルミは「弟」と呼んでいるし、執事たちは「ぼっちゃん」です。
タイトルやナレーションは、登場人物よりも作者に近いけれど、キルアの心情を書いているだけ──かもしれない。
アルカは「男であり、女でもある」のかも。
──どちらにしても、最近の登場人物を詰め込むだけで、「けものびと×ガチムチ×オッサン×ジジイ×ハンサム×■リ×ショ■×(弟 | 妹)×ゴレイヌ本」が出せてしまう……!
欲望が渦を巻く
「うっかりと お金欲しさに 大勢を巻き込んじゃった☆(キャピッ」──で おなじみのヤスハさんは、これまた男性なのか女性なのか、悩ましい人物でしたね。
そんなことよりも、あの怪作・『うずまき』を思い出しました(ナルトじゃないほう)。完全に意識して描いていますよね。また「トレスだっ!」とか何とか言って、アンチ・スレが伸びるな……。
Reviewer: あじもす @asiamoth,
イルミが連れてきたカスガも、男なのか女なのか分からない。前後の文脈から、カスガとヤスハは恋人同士なのでしょうか? そう言えば、オナベが美味しい季節ですね(?)。
あとの説明からすると、カスガはその次の 別人
──つまりはヤスハとは無関係という可能性もあります。うずまきヤスハさんは、とっとと金を持って逃げれば良かったのかな(1,200% 消される)。
奇跡の価値は
アルカの能力でユニークな点は、下記の 3 者が別々になっているところでした。
- アルカの「おねだり」を聞く者
- アルカに「お願い」を叶えてもらう者
- 4 回連続で「おねだり」を断わって死ぬ者
よくある「願いをかなえる悪魔」や「ランプの精」だと、願った者に何らかのリスクが付きものです。「欲望を満たすには、それなりの代償が必要」という教訓にするためですね。
アルカの場合は、それが関係ない。
また、4 回連続という点が、カギを握っているかもしれません。3 回までは断われるわけです。機転の利くキルアなら、そのあたりを突いてきそう。
錬金術──ではない
アルカの能力は等価交換
と説明されているけれど、実際には「お願い」の 3 倍も「おねだり」されます。どこかの国のプレゼント交換(という名の強制)みたいですね。
能力名は「3 倍返し(ブラック・ホワイト・デイ)」あたりと見た! あるいは、ウロボロス絡みかな。
ですのーと
を手にしているキャラクタは、グリードアイランドに出てきた「トラえもん」に似ていますねー(棒)。インターネッツ・マニアなら、下のページを思い出すはず。
画像を一切使わずにCSS3だけでドラえもんを描いてみた! – 裏技shop DD
ミルキはワガママの味
ミルキは、執事の誰かに「おねだり」 3 回を聞かせたあとで、しれっとコンピュータを要求したに違いない。これは 67 人
もの犠牲を出した あとだったはずです。アルカを隔離したのは、ミルキのせいなのかも。
それでも、当時 最新だった パソコン
程度で良かった。もっと高額な物だったら、キルアへの「おねだり」は、とんでもないモノに なっていたでしょう。
- ミルキ:
- 「世界一のスーパー・コンピュータをくれ」
- アルカ:
- 「あi ── 2 位じゃダメなんですか?」
ミルキとシルバは家族なのに、取り引き
で情報を交換しました。過去にキルアも、ミルキと交換条件をかわしている(『HUNTER×HUNTER (8)』)。また、「付き合いが長い」ヒソカの頼み事を、イルミは有料
で引き受けています(『HUNTER×HUNTER (12)』)。
以上から、「ゾルディック家の人間は、現金な人たち」という印象を持っていました。でも、家族にまで取り引きを要求するのは、ミルキだけかもしれませんね。イルミとヒソカの場合は、普通に「仕事」だし。
キルアの願いは
今回の話で最高に面白い点は、「キルアは、ゴンもアルカも助けたい」ということです。「親友を助けるため、仕方なく恐ろしい人物と会いに行く」んじゃないんですよ。
この近代的な「地下牢」からアルカを救いたいのなら、念能力に頼るしかないでしょう。パッと思いつくのは、「メレオロン(「神の共犯者」) + ノヴ(四次元マンション)」ですね。
ほかにも、もう 1 人の有力候補がいます。それは──最後に書きました。期待せずに お読みください。
2011-11-03T05:03:32+09:00 追記
コメント欄で(またまた)ご指摘いただきました! アルカを外に連れ出しただけでは、「彼(女)を助けた」ことになりませんよね。いまわしい能力を封じるか何とかしない限りは、アルカは呪われたままです。では、どうするか──。
シンプルな答えとしては、「アルカの念能力をなくして!」とアルカに「お願い」することでしょう。「何でも」 かなえて くれる
のであれば、成立する可能性は高い。
このアイデアの元は、クラピカの「律する小指の鎖(ジャッジメントチェーン)」です。
ただし、両者を比べると、「念能力で念能力を消す」と「念能力で念能力を強化する」という具合に、正反対なんですよね。微妙かなぁ……。
なにを「おねだり」される?
パソコンと同じ価値の物で、ノコノコと手ぶらでやってきたキルアが与えられるモノは、なんだろう?
- アルカ:
- 「目か………… 耳だ…………!」
- キルア:
- 「……!(ざわっ」
冗談抜きで、「ねー お兄様ー 右手の小指ちょうだい」くらいは言いそうな気がします。回想シーンの描写からすると、「通常の感覚で幼児が要求する限度」を、アルカは大きく超えている。
ただしアルカは、「おんぶ・だっこ・高い高い」以上の「おねだり」を、自分の家族に対しては求めなかったと思います。今回が初めてになるはず。
本人の希望で「おねだり」しているのか、念能力によって自動的に言っているのか、どちらなのかも気になりました。アルカ自身の意思で、家族を守れるのかな……。
父親として
シルバの若いころ──というか、ほんの 6-7 年前(キルアは 5 歳くらい?)は、和風が趣味だったようです。──奥さまの好みに合わせているのかもしれないけれど。
ミツバとハサムの惨事(ゾルディック家には よくあること)について、「一体… どういう
」と考え込む夫婦の姿は、なんとなく『レベル E』のバカ王子とルナ王女を思い出しました。
『幽☆遊☆白書』・『レベル E』・『HUNTER×HUNTER』の共通点として「人を食った話」が登場します。あとの 2 作品には、「ほかの種族を食って進化する生物」も出てくる。
今回、さらに 3 作品とも共通する点として、「子どもの成長に手を焼く親」が強調されましたね。独身だった『幽白』のころから、作者自身の将来について、そんな予感があったのかも。
シルバも奥さまも、今回の話を読むと「普通の人」みたいに思えました。ゼノも「仕事熱心な おじいちゃん」です。──この家の特殊さは、きょうだいたちが原因なだけかも。
兄として
自分の弟の緊急事態なのに、ハンター協会まで出向いたイルミが、いまだに謎として残りました。ヒソカと組んでアルカを始末
するつもりのようですが──、もっと良い方法があります。
イルミがキルア(とついでにゴン)を本当に助けたいのであれば、誰かテキトーに操作すれば良い。本人の意思とは無関係に「肉体を操作」できれば、人間の限界を超えた「おねだり」も聞けるはず。
「囚われの身代わり王子」こと、モタリケさんの再登場か……!(ガタッ
おわりに
今回のサブ・タイトルは、ハロウィンで よく聞く「トリック・オア・トリート」から取りました。──ソウ言えば、毎年いまの時期に上映していた『SAW』は、もう終わったんだよなぁ……。
ソウ (SAW) – この一作から映画史の新しい時代が始まる | 亜細亜ノ蛾
アルカの表情は、「目を白黒させる」という慣用句から来ているのでしょう。それと、「Black or White」と「Trick or Treat」の語呂合せを作者も考えたのかな──とも思ったり。あのカボチャ(ジャック・オー・ランタン)にも似ているし。
前回・「怪者」の感想で書いたように、そんな言葉遊びが仕込んである気がします。
というか──、作者の趣味とセリフから考えて、マジックポットかな。
さて──、『H×H』でブラックとホワイトと来れば、「あのお方」しか いらっしゃいませんよね! キルアがアルカを救出するための、もう 1 人の助っ人と言えば──、
ゴレイヌ神しか考えられない!
「黒の賢人(ブラックゴレイヌ)」を使えば、アルカを外に出せるはずです!! キルア、急いで賢者の所へ行くんだッ!
HUNTER×HUNTERの能力 #具現化系 – Wikipedia
まぁ、シルバたちに怪しまれないよう賢人を待機させて、アルカの部屋まで何とか行き、能力を発動させて、無事に帰ってくる──くらいなら、ゴレイヌ先輩は朝飯前でしょうね!
レイザーの球を顔面でキャッチした程度の難易度です。
コメント
アルカを助けるってのは、あの場所から連れ出すことじゃなくて、あの能力を失わせることだと思いますね。しかしながら、一時的にならハコワレとかで可能なんだろうけれど、永久に失わせるには難しい気もしますね。
永空さんへ:
そうそう、ネタに走ったのでスルーしましたが、
本来はアルカの能力をなんとかしない限りは、
助けたことにはなりませんよね。
イルミの「始末」発言も、
もしかしたら能力のことなのかな?
どうするんだろう……。
──と考えているうちに、思いつきました。
追記しておきます!