HUNTER×HUNTER 16 巻 「対決」 2 – 男なら逃げず隠さず

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『HUNTER×HUNTER(ハンター×ハンター)』 No.16 「対決」

Dodge the hail 脳天直撃の衝撃に──耐えられるか?

第 16 巻の後半は、指定ポケットに入るカードの説明が おまけで書かれています。この説明書きだけでアレコレ妄想できて ご飯がススム!

昨日の感想で書いた「身重の石」などは、「現実世界」(島の外)へ持ち出さなくても効果が発揮できる(できてしまう)。「物理法則なら隣で寝てるよ」みたいにムチャな設定だけれど、念能力で可能なのかなぁ……。

たとえば「縁切り鋏」の効果も、どうやって実現させるのだろう? これを使えば「爆弾魔」などの危険人物に襲われなくて済むから、究極の防御カードですね!

ただ、グリードアイランドにはカメラがないのかも。

No.158 「似た者同士2+1」

アベンガネも名前を変更するなんて予想を下の感想では書いたけれど、ゴンのバインダーには普通に彼の名前が載っていました。

HUNTER×HUNTER 15 巻 「躍進」 2 – 解除×少女×魔女 | 亜細亜ノ蛾

これでは、ゲンスルーに生存を気づかれてしまいます!

──では、なぜゴンたちも不思議に思っていないのだろう。じつは、ゴンとビスケの前でアベンガネは一度も名乗っていません。同様に、ゲンスルーたちにも名前を明かしていないと考えました。

ただ それでも、ゲンスルーが同じ時期に接触した人物のライトは大量に消えているはずです。慎重な彼らしくない見逃しですが、自分の能力に絶対の自信があるから確認しなかったのかな。


もう一度バインダーのライトに注目すると、モタリケの名前は残っていて、ビノールトは消えている。無事に島を出たのでしょうか。

もしかしてビノールトは、ツェズゲラと別れた後でフィンクス・フェイタン組に遭遇したのでは──などと不幸の連鎖を想像しました……。ちゃんと島から出て自首したと考えたい。


「自称クロロ」の推測に、それぞれの性格が出ていて楽しめます。話の中心に入れない時には機嫌が悪くなるビスケだけれど、今は猫をかぶっている。「日常茶飯事 ですので」が笑えるなー。

あと、今ごろ気がついたけれど、ゴンとキルアが「幻影旅団の団長」が「クロロ・ルシルフル」だと知ったのは いつだろう?

本編を読み直すと、当然のように団員たちは「団長」と呼び、クラピカは「頭」と呼んでいる。そもそもクロロの名前を呼んだ人物は、ネオン・ノブナガ・ヒソカ(と回想シーンのマチ)くらいです。

作中には描かれていないけれど、ヒソカ経由でクラピカが知っていたから聞いたとか、ハンター・サイトを調べたか、「ようこそ幻影旅団ホームページへ! (あなたは 000032 人目の訪問者です)」を見たことにしておきましょう。


ドドン! と素っ裸で登場のヒソカです。不自然な位置にある吹き出しに吹きだしました! 「グググ…」は 10 年経った今でも色あせない名場面ですね。

ガン見しているビスケも笑えますが、危険な人物だから目を離さずに着替え終わるまで ずっとヒソカに注目している 4 人の図が奇妙でした。

たっぷりとアレに注目した後だから台なしですが、最大限に猫をかぶっているビスケがチャーミングです。なんだか──「女の顔」に なっている(ごくり……)。

ゴレイヌには本性を見せているから、ビスケにとって彼は完全に仲間──というかゴン・キルアと同じ扱いですね。


「天空闘技場」に出てきたシャワーの場面(特定の読者へのサービス)でも気づきましたが、ヒソカの髪型や顔の模様は、整髪料やメイクによるものなんですよね。

いつもクレイジィな彼だけに、そういう「普通」な面が見えてしまうと──より魅力的です!

──いや、次の回で急に普段の外見に戻っているから、髪もメイクも念で作り上げている可能性が ある。

たとえば、ヒソカが道化師の容姿になるためだけに、「整髪料としても使える『バンジーガム』」と「メイク用の『ドッキリテクスチャー』」を修得したのだとしたら──、より狂気を感じて おもしろい!

つまり、メイク道具でカストロは命を奪われた……。

No.159 「恋愛都市アイアイ」

アイアイは、一年中でも遊んでいたいステキな街です!

ところがゲームの参加者は、『グリードアイランド』攻略を真面目に取り組んでいる堅物か、このゲームの恐ろしさを思い知った臆病な人たちばかりなので、どちらにしてもアイアイには似合わない。

お姫様と付き合うことがカード入手の条件だなんて、ゴンやキルアでも むずかしそうです。ゴレイヌは──どうなんだろう。外見からするとモテそうですけどねー(棒)。

意外と女性にも積極的なヒソカなら、楽しんでカードを手に入れるはずです。

──というか、指定ポケットカードは すべて必要だから、いつかは攻略する必要がある。でも、トレードでサックリ済ませるのだろうなぁ。


ヒソカを熱く見つめるビスケの目が、異様なまでにギラギラと輝いています。あきらかにゴンとキルア・ゴレイヌを見る目つきとは違う。

ウソつき男・ヒソカの隠し事を見抜くため──だけとは思えない「あわよくばオーラ」がビスケから出ています。

ずっと時間が連続して描かれているけれど、「ビスケとヒソカの居場所が不明な空白の時間」を入れて欲しかった! ヒソカなら、10 代でも 50 代でも……!

ただ、ゴンのせいでビスケも化けの皮が はがれてきました。ゴレイヌもヒソカも ほぼ察している。ヒソカの「わさ?」には大笑いしたなー。


推測だけで除念師の存在に近づくキルアが見事でした!

「読者が知っていること」と「登場人物が知っていること」との違いを、冨樫先生は いつも効果的に見せてくれます。

また、ヒソカが本(バインダー)を見せるかどうか──という何げない場面にも緊張感を持たせる。別に戦いが始まるわけでも、なにかの危険があるわけでもないのに、妙にドキドキします。

ヒソカにとってのピンチ(というか面倒)を、軽やかに「薄っぺらな嘘」で切り抜けていて鮮やかでした。珍しくハート・マークを 2 つ重ねているヒソカが楽しげで おもしろい。

No.160 「対決 3」

指定ポケット No.1 のカード・「一坪の密林」をツェズゲラが手に入れた過程には、「ん?」と引っかかった人も多いでしょう。「宝籤」でたまたま 当てたなんて不可能なのでは──と。

じつは、「リスキーダイス」と「宝籤」(ロトリー)のコンボでは上限が A ランクだけれど、普通に「ロトリー」を使うと ものすごく低確率で SS ランクでも出るらしい。──本編では書かれていない「ソース: ネット」情報だけれど。

SS ランクを引き当てるなんて恐ろしい幸運の持ち主ですが、奪い取られたときはショックなんてもんじゃないだろうな……。人ごとながら、想像するとゾッとします。


キルアが逆に「ツェズゲラを審査」した場面では、単純な脚力だけではなく「練」の力強さを問われる。自分の実力を分かりやすく示す良い方法ですね。

念を応用したこのジャンプは、「強化系」であるゴンのほうが向いていそうなのに、結果はキルアが勝ちました。臨戦状態に入っていないから、ゴンは集中ができていないのでしょう。全力を出したら、ツェズゲラの倍は飛ぶだろうなぁ。

和やかな雰囲気のなかで、不吉な情報が出てきたけれど──、ゲンスルーたちがカードを入手できた理由は なんだろう? 「ゲイン待ち」状態から独占されているカードが手に入るとは思えません。

ハガクシ組やトクハロネ組からも、ツェズゲラの時と同じように「徴収」したり、あるいは武力で奪ったのかな。


ボポボに跳び蹴りをしていた男までもが、「船長」のレイザーを恐れています。その理由は──直後に分かる。

冨樫先生の伝統芸である「海苔」が出てきました!(ベタで塗りつぶして隠すこと)しかし、次のコマで「ミソ」が飛び出してしまっているから、隠す意味が分かりません。もしかして週刊連載では、もっとハッキリ描かれていたのかな?

No.161 「対決 4」

口ばかりは 1 人前の ウジ共めが」って、ツェズゲラのセリフと言うよりも、作者が一部の読者に(以下省略)。

また、ボポボの罪状を少年誌で そのまま書くのは いかがなものか──とか、いろいろとヤバい回でした。

「ゲームキャラの死」にショックを受けているゴンとは違い、ボポボの死を利用して点を稼ぐキルア──という対比も おもしろい。2 人の性格の違いが上手に表現されています。


グリードアイランドは「ゲームの世界」ではなく、現実にある孤島である──。ツェズゲラに解説役を取られて、すねているヒソカが笑えます。

ネテロの次くらいに熟練者であるプロ・ハンターのビスケですら、この事実に気がつかなかった。おそらくヒソカも、普通に参加していたらゲームだと思い続けたはず。

では、なぜツェズゲラは現実の世界だと知っていたのだろう? シャルナークのように最初から疑って掛かったのか、多くのハンターから情報を得たバッテラから聞いたのかな。


ゴレイヌが最後まで念獣を出さなかったのは、彼の とっておきだからでしょうね。ツェズゲラが感心しているくらいだから、これくらいの大きさの念獣を 2 対も出して操作することは、かなりの技量を要するに違いない。

「必殺技」を最後に出すとは、やはり彼が主役か……!


普通であれば和気あいあいと楽しめるドッジボールも、(おそらく最大で)「14 人の悪魔」を操るレイザーが相手では、通常のアウトではなく先ほどのように「少年マンガ的にアウト」に なりかねません……。

さらにレイザー式のドッジボールはルールが すこし複雑す。初めてドッジをするゴンなら、頭がこんがらがって当然でしょう。自分も、キルアのおかげで なんとなく「ああ──うう」と理解しました(できてない)。

しかも これは冨樫作品なのだから、ルールの中にサラッと重要な点ワナが仕掛けてあると思ったほうが良いでしょう。この仕掛けがあるから、『H×H』の載ったジャンプは捨てられませんね!

とくに「クッション制」が最高に臭うぞ……。

No.162 「対決 5」

ゴレイヌからの攻撃でドッジボールは始まりました!

彼の かけ声といい顔つきといい──負けていった二流プレイヤーとソックリだけれど、こここれは神ならではのお茶目でしょうねねねッ(もう負ける絵しか思い浮かばねぇ……)。

全力を込めたボールを余裕で受け止められて、一瞬でレイザーの実力を把握するところもゴレイヌ師匠の すごさですが──、どう見ても お互いにオーラをまとっていません。これもゴレイヌ先生が手を抜いている証拠です。

オーラを込めてレイザーが投げてきたボールに対して、ゴレイヌ先輩の「思考が ついていかない」表現が おもしろかった!

──たとえば、「なんて 力強くて速い球を 投げて来やがる……! 避けるか……(略)」なんてセリフを書いていたら、「そんな暇があったら避けられるだろう」と読者は思う。

「相手の技が届くまでに解説」することが当然な、凡百のバトル・マンガとは違うんです! (本作品でも似たような場面は山ほど あるでェ)


ゴレイヌ(どんどん格が下がっている)の「白の賢人」(ホワイト ゴレイヌ)は、瞬間移動系の念能力でした。

事前に念獣の配置が必要とは言え、戦闘中に入れ替わりながら戦えば戦力が増大します。危険な場所は念獣に先回りさせて入れ替わったり、いくらでも応用が利く。

なによりも、死の危険が目前に迫った状況で「発」を行なえる判断の瞬発力が素晴らしい!

そして、おそらくはゴレイヌよりも念の世界に長くいるビスケとツェズゲラから「もう ダメだな」と思われているのに、まだ あきらめていません!

ほかの人物よりも表情が豊かに描かれているし、神(作者)に愛されているゴレイヌです。ゴレイヌ先生の次回の活躍に ご期待ください!(完)


「悪魔」たちは番号が大きいほど強力だと思われます。

たかだか 4 番の投げた球ですら、ツェズゲラを戦闘不能にして転がった後でも、まだズッシリと威力が残っている。──無理ゲーすぎるだろ……。

無様に敗退しながらも、まだ「総合的な戦闘能力なら まだまだオレが上のはずっ」と子ども相手に言い張るツェズゲラは、なんだか哀れに見えました。

しかし、もう一度 一から 鍛え直す決意を固める点は素晴らしい! ツェズゲラが一つ星ハンターを取った時には、ひたむきさが残っていたのでしょうね。

ゴンとキルアは、周りにいる人間をも成長させる

ヒソカの「伸縮自在の愛」(バンジーガム)は、まさにクッション制ドッジボールのために あるような能力です。彼のセリフ自体はゴレイヌと同じレベルの勝ち気さだけれど、ヒソカが言うとグッと重みが増しますね!

No.163 「対決 6」

幻影旅団のなかでも腕相撲が強かったヒソカは、レイザーが認めるほど威力の強い球を投げる。イヤラシく応用力が高い念能力だけに溺れていない証拠です。

体つきから考えてヒソカは、誰にも見られないところで筋トレに明け暮れる日々なのかもしれませんね。そういう一般性を想像すればするほど愛着が湧いてくるという、なんとも不思議な人物です。大好き!

ヒソカの快進撃を止めた「No.13」について、キルアは審判にルールを確認しています。でも、その No.0 もレイザーの生み出した「悪魔」だから、「オレオレ・ルール」を主張されている可能性もある。でも、どうしようもないか……。


ゴンもキルアも「堅」が できるとは言え、当たり所によっては命を落とす危険性がある──と自分で言いながら、頭部を狙うレイザーは容赦ない! ゴンの父親・ジンから言われた通り、本当に手加減していませんね。

ボールを受けたゴンが、狙われた頭にオーラを集中して「硬」を使った気持ちも分かります。というか、それ以外の受け方では人生ごと「アウト」だった可能性が高い。

ゴンが吹っ飛ばされた時の躍動感が すさまじいし、その破壊力が恐ろしかった。ゲームが進むごとに、どんどん無理ゲー臭が強くなりますね……。

ところが、あきらめていない男がいた。


黒い賢人」(ブラック ゴレイヌ)は、今までに登場した念能力のなかでも最高級に汎用性が高い! さすがはゴレイヌ神ですね!

「強制的に他人の場所を移動させる念能力」はクロロも使っていたけれど、本を右手に持って該当するページを開く必要がある。その不自由さは、ゼノ・シルバ戦で見ての通りです。

一方のゴレイヌ絶対神は、戦いながら念獣を自由に配置して、いつでも発動できる。それだけでも神の偉大さが よく分かります。ありがたやー、なむなむ!

今回はボールを投げていたけれど、爆発寸前の手榴弾や劇薬だったら? あるいは、断崖絶壁や超高層ビルから念獣を「I Can Fly!」させた後で入れ替えたり、はたまた念獣と抱きついてから美女と(自主規制)

──など、「バンジーガム」よりも使い勝手が良い!

事実上、レイザーから最初に 1 本取った人物もゴレイヌ天上天下唯我独尊唯一無二神だし、やはり彼が今後の『H×H』を(毛深い腕で)引っ張っていくに違いない!

今後も神の活躍に目が釘付けです!