『進撃の巨人』 9 巻 諫山創 – 司祭が隠す子細と私債

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諫山創 『進撃の巨人

Surströmming 女のカンより──動かぬ証拠

前の巻では「女型の巨人」の正体が判明しました。
それだけでも衝撃的だったのに、もっと大きな謎まで登場する! この謎が明かされるかと思われたけれど──、

『進撃の巨人』 8 巻 諫山創 – 眠る姫と巨人 | 亜細亜ノ蛾

また別の謎新たな巨人が第 9 巻で登場します。物語を根本から くつがえすような秘密が、まだまだ隠されている。

いったい いつになったら、ミカサとエレンのグチャグチャイチャイチャ監禁新婚生活が始まるのだろうか!
2013 年・春のアニメの お楽しみかなぁ……。

進撃の巨人 アニメ化 | 進撃の巨人

獣の巨人とは

体毛が生えた猿のような「獣の巨人」が気持ち悪い!
ハッキリと言葉を話す巨人を目の当たりにして、ミケ・ザカリアスは驚いています。しかし、知恵を持った巨人であれば、エレン・イェーガーやアニ・レオンハートがいる。
今回の「獣の巨人」や「超大型巨人」も、誰か人間が「巨人化」しているはずです。すくなくとも「獣の巨人」は、自分から うなじに いると言っている。

「獣の巨人」は「立体機動装置」を知らなかったから、外の世界から やって来たに違いない。なぜ今の時機にカベを登ってやってきたのか──。
もしかしたらアニが捕まったから、彼女を取り戻しに来た仲間かも。

彼女の名はユミル

不詳だったソバカス少女の名前に驚きました!
ユミルの民」・「ユミル様」に関連するはずです! ──『進撃の巨人 (5)』に収録されている「イルゼの手帳」で、巨人が語った言葉ですね。
手帳を残したイルゼ・ラングナーとユミルは、外見が よく似ています。それで巨人が間違えたのでしょう。巨人にとっては神様のような存在なのか?

『進撃の巨人』 4~6 巻 諫山創 – 想いも不可思議な女神たち | 亜細亜ノ蛾

おそらく「獣の巨人」と同じで「ユミルの民」も、カベの外で暮らしている民族だと見ました。「巨人化」して ほかの巨人を従えているのでしょう。
のカンヅメ」の文字を読めたことからも明らかに、ユミルも外から来たはずです。「獣の巨人」が連れ戻しに来た人物はユミルという可能性も高い。

こうなるとクリスタ・レンズだけではなく、ユミルも偽名を使っているかもしれません。──いや、イルゼの情報を知っている人間に対しては、「ユミルの民」こそ隠すべきです。
ユミルは手帳のことを知らないのか、それとも「ユミルの民」とは無関係なのか──。

カベの巨人の秘密

ニック司祭たちが隠している「巨人が中にいるカベの秘密」とは何だろう? 人類滅亡より重要な理由なんて存在するのか──?


第 9 巻は全体的に、「ごく普通の人間が巨人化してしまった」ような描写が目立ちます。コニー・スプリンガーの母親も、おそらく巨人に変わった(変えられた?)。
ウトガルド城跡にあった「ビンに入った酒のような物」が怪しい! これが「巨人製造薬」なのでは?

上に挙げた『進撃の巨人 (6)』の記事でも推測したように、ただ人間を食らうことしかできない巨人たちは、完全に融合して巨人に取り込まれてしまった人間でしょう。
薬物の影響か遺伝・才能かは不明ですが、エレンとアニのように、何らかの方法で「巨人化」を使いこなす人間がいる。その一方で、いわば「巨人化が暴走」している人間こそが、今回のミケを襲った巨人たちだと思う。


以上からニック司祭たちは、「人類滅亡」よりも恐ろしい「全人類巨人化」に つながるカギを隠しているのでは?
──でも、みんなが巨人になったら巨人への恐怖もないし、人類が滅ぶことと同じ意味なだけか……。

あるいは、カベの中で眠る巨人を一斉に起こす方法が あるのかもしれません。起こすことを利用するのか、逆に防ごうとしているのかは分からないけれど。

おわりに

とうとうギャグ担当のハンジもサシャも、本編では「マジメか!」な硬い表情のままでした。
なんだったらサシャは、「イナカなまりがある森ガール」という萌え要素まで付加されています。フカフカした ふかしイモのほうが似合うのに。

それにしても謎だらけですね。終われるのかな?
「ついに動き出した『量産型 第拾参巨人』! 発光するエレンの体! 跳ぶ みかりん! 世界全体の命運を賭けた戦いが始まる! 一方、サシャはイモを手放さない!」
──とかはマジかんべんな!