ジョジョリオン 4 巻 「レモンとみかん」 – 運命と生命が混じる!

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『ジョジョリオン』 volume 4 「レモンとみかん」

Lemons & Oranges
果実の酸味よりも──真実は残酷

独特すぎる表紙に圧倒されます!
ドンヨリとした青緑の空とは対照的にショッキングなピンクの地面が まぶしい!
この配色センスの大本はポール・ゴーギャンだとしても、ここまで自分のモノにしている作家は荒木 飛呂彦先生だけでしょう。
この「2 人の東方 定助」は本編を象徴しています。

カバーの折り返しも すごかった!
荒木先生にしては珍しく、語尾を荒らげて「ないのらァー。」と怒っています! その激おこぷんぷん丸っぷりは、実年齢(ルネサンス期生まれ?)ではなく外見に似つかわしい若々しさ!
これは天気予報士が悪いのではなく、番組の構成に問題があります。なんとかして視聴者に CM を見せようという根性が下品ですよね!
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不思議な「ジョジョ立ち」ポーズの ご尊影も含めて、カバーだけでも他の追従を許さない一冊です!

#014 『ペイズリー・パーク』と『ボーン・ディス・ウェイ』 その 3

初っぱなからホリーさんの謎めいた行動で笑いました。
ところが、広瀬 康穂おしりではなくカゲをのぞき込む行為も、あとで重要な意味があったと分かる。こうやって上手に読者の視点を誘導していますね!
──ということは、「康穂がエ■本に出演していた事実確定)」も杜王町の真実に近づく道なのかッ!? この目で確かめるしかないッ!

また、看護師から追い出される直前に「家系図を調べて」とホリーは伝えている(最初は康穂のセリフかと思った)。
終始ボケ倒しているかと思ったら、唐突に核心を突く──。いかにも「荒木キャラ」であり、そして誰かに似てる。


真っ黒いライダー」は、ランダムに瞬間移動を繰り返しているだけに見えます。ところが、ちゃんと答えが描いてある(「ガチャ」とか)。ここでも謎の隠し方に感心しました。
ライダだけではなく「ナビ」も現段階では敵か味方かは不明で、緊張感があって良い。

定助にとっては大ピンチだけれど、「トイレのドアを開けたら雪だらけ」は ちょっと笑いました。自分が同じ状況だったら、やっぱり笑うしかないと思う。
この場面が頭に浮かんだから作ったスタンドなのかも。


訳の分からない状況に巻き込まれた子どもも不幸だけれど、ラーメン大好き(小池さん?)な おばあちゃんは無事だったのだろうか……。

#015 『ペイズリー・パーク』と『ボーン・ディス・ウェイ』 その 4

激しい逃走劇の最中に、家族の写真でホロリとさせる。
これは映画でも よく見られるメリハリの付け方ですね。さすがは映画好きの荒木先生です!


「何かを『開く』と出現するスタンド」は、『スティール・ボール・ラン』に登場した「何かが『閉じた』隙間から発現するスタンド」の裏返しにも思える。
SBR』のスタンドほどではないが、「ボーン・ディス・ウェイ」も十分に凶悪です。タクシーのドアは定助が開けたわけでもないのに、ライダが出現して襲ってきた。
つまりは、定助の近くで何かが開いただけでもスタンドが発動できる。このことは、後半の展開で証明されました。

逆に、定助の目や口が開いても条件を満たさなかったように、「傷口が開く」などでも無効でしょう。
言葉遊びが好きな西尾維新先生だったら、「誰かと差が開く」あたりを絶対に絡めてくるはず。


ジョジョリオン』に登場するスタンドは、すべてが「何かを奪う能力」を持っています。「ボーン・ディス・ウェイ」の場合は、微妙だけれど「熱を奪う」かな。
今回のようにバイクでの直接攻撃のほうが強力なので、「奪う縛り」のために雪を追加した感じがしました。『美味しんぼ』によく出てくる「フォアグラのトリュフ盛り」みたいな贅沢さ(?)。

#016 『ペイズリー・パーク』と『ボーン・ディス・ウェイ』 その 5

ジョジョリオン (3)』の感想にて、敵の正体を「虹村(にじむら)さんが あからさまに怪しい!」と書いていました。さすがオレッ!
──って、誰でも分かりますよねー。これで「隣町の A 田 B 男くん」が敵の本体だったりしたら、何の おもしろみもない。

ジョジョリオン 3 巻 「その家系図」 – 冷たい風に血も凍る! | 亜細亜ノ蛾


ホラー映画でも 2 階に逃げた キャラは 死ぬッ!!」以上の確率で、戦闘中に「『勝った』な……」なんて言う人物は 128% 負けそうです。
たまたま か弱い美少女の虹村さん(!?)だったからムリヤリに乱暴を働けた衣服をはだけたり(ごくり……)できたけれど、本体も空条 承太郎みたいなチート性能の身体性能だったら どうしたんだろう。

虹村の「肩に星形のアザ」や「学生帽(のような帽子)」は、承太郎の特徴を受け継いでいる。彼女が さらっと言っているけれど、「母親がホリー・ジョースター」も同じです。
「オラオラ」のラッシュは定助が引き継いでいるから、これだけでもファンなら定助の正体に一歩近づけたかな。

#017 『レモンとみかん』

こんな のどかな題名なのに、奇妙で残酷な話です!
お互いに混じり合った「レモンとみかん」を見ただけで すべてを理解し、思わず泣いてしまう定助が切なくて良かった。
察しの良い定助のことだから、以前から うすうすは「その可能性」に気がついていたはず。それでも虹村に「オレはいったい誰なんだッ!?」と聞いてしまう。その心の叫びが痛々しい!


ジョジョリオン (1)』で答えは出ていました。
第 1 話にて「定助の 2×2 の「タマ」」を広瀬 康穂が間近でガン見している。もう これだけで「2 つの体と魂が結びついている」ことを暗示(明示)しています。
でも、最初は ただのネタかと思ったなぁ(ネタで 4 つ付けられたら たまったもんじゃない──というか、たまりすぎて処理に困る?)。

ジョジョリオン 1 巻 「ようこそ 杜王町へ」 – 珠玉の体験に濡れる! | 亜細亜ノ蛾


「追っ手は虹村だったァッ!」にしても「定助の正体ィィィッ!」にしても、「言われてみれば誰でも分かる」謎なのに、答えを示されるまでは気がつかない。
つまりは、「脳の盲点」を突いている。
──そう、読者はホリーさんと同じなのかも……。

おもしろおかしく描写しながらも、ゾッとするホリーの症状です。とくに脳のレントゲン写真が恐ろしかった! 『ハンニバル』を思い出します。

ホリーは人間が 「物」に見えるのに、康穂とは普通に会話ができていた。もしかすると、スタンド使いは人間だと認識できるのかも。
──ということは、医者の 1 人(エ■本じゃないほう)もスタンド使いかッ!?

#018 『カツアゲロード』 その 1

現役モデルの水着姿なのに、いまひとつ東方 鳩はセクシィに見えません。なんだかダルンダルンに見えるのは、姿勢が悪いせいだけなのか。
我らが(オレの)東方 大弥の■リ水着のほうが「ごくり……」ですよ! とても現役の女子高校生には見えない!
──あ、オレ、ロ■属性ないですけど(わざわざ属性の有無を言うヤツ = 真っ黒)。

家族で ハワイ旅行に行く話を定助は知らない。
もちろん(鳩と同様に)パスポートを持っていないし、定助が家にくる前から決まっていたのでしょう。
それでも、「定助は家族じゃない」という冷たさを感じました。いかにも東方 憲助らしい「家族思い」な風景です。


大弥が「パンケェ ーーー キィィ」と言っているコマ(きゃわわ!)の鳩は、第 5 部のアバッキオみたいに見えました。
こっ、これは「アバ茶」ならぬ「ハト」茶の ご褒美フラグか!?

東方家を憎んでいる虹村さんのことだから、わざと古い牛乳を飲ませようとしたのかもしれません。
また、毎食のように「朝一番の虹茶」を飲ませているのかもしれませんよ!?(第 6 部のケンゾーみたいに)
おかげで東方家は、今日も全員元気です。


吉良・ホリー・ジョースターの娘」であり「吉良 吉影」の妹なのに、なぜ彼女は「虹村 京」なのだろう? もう結婚しているのでしょうかね。
今作品の「頭が残念」な担当は常秀かと思ったけれど、それとは別に虹村 億泰みたいな人物(DQN)が夫として出てきたりして。
そう言えば虹村さんは、そういう男に引っかかる薄幸さを感じるなぁ……。


次の敵は「デッドマンズ・カーブ」に なりそうです。
いまのところ「金を奪う」という直球攻撃に見えますが、常秀は それ以上の傷を負っている。
(一方通行で)大好きな幼なじみの康穂を取られた相手・定助の目の前で、カツアゲされた上に悔しくて半泣きになってしまった。
男として・人間として大事なモノを奪う攻撃ですよ!

常秀も定助も「銀杏の木の 葉っぱ」で滑って器物破損させられたと思われます。
ただ、これだけでは木や葉がスタンド(「樹齢○年の生命力うんぬん」)とは限りません。別の誰かが本体という可能性もある。
あと、これまで定助が戦ってきた相手は、かならず「吉良 吉影と定助との関係」に近づく鍵を握っていました。今回のカツアゲは まったく無関係そうだけれど、ここから何かに結びついていくのでしょうか?
次の巻も楽しみで待ち遠しいッ!

おわりに

東方 定助
「吉良吉影は家族思い悪い人間ではない!(キリッ」
笹目 桜二郎
「えっ(オレ、指を食わされたんだけど……)」

ジョジョリオン 2 巻 「東方定助という名前」 – 幸せは奪い取る! | 亜細亜ノ蛾