『SKET DANCE(スケット・ダンス)』 第 31 巻 「Inherit the Twin Stars」
いよいよ生徒たちの卒業を思わせる展開です!
『スケダン』はギャグ・マンガに近いわりに、意外と等身大なキャラクタが多い。だから「将来どうするんだよ……」という生徒が ほとんどいません。
それだけに、旅立ちの時がリアルで切ない……。
『這いよれ!ニャル子さん』のような表紙──と思った世代も増えていると思いますが、『仮面ライダー』という作品がありまして(以下略)。
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Reviewer: あじもす @asiamoth,
第 271 話 「吟友に捧げる叙情詩」
何でもソツなくこなすボッスン(藤崎 佑助)とスイッチ(笛吹 和義)は、当然のように大学もサラっと合格しそうです。
一方のヒメコ(鬼塚 一愛)は──、そう言えばスケット団の活動でも苦労の連続ばかりだったような……。
高校 3 年生の 3 学期で第一志望に D 判定
をもらうなんて、教師を目指す人間には つらすぎます。前巻でも勉強をしているヒメコの姿が多かったけれど、今後は さらに増える──と見せかけて。
「加藤 理奈とオッサンのせいでヒメコが勉強できなかった」と一言で まとめられる話でした(?)。
人助けの部活動であるスケット団なのに、肝心の団員に対しては勉強を手伝ったりしません。ボッスンもスイッチも自分の勉強で手一杯だから──というわけでもない。
将来の夢に向かって努力を重ねている者をジャマするという描写には疑問が残るけれど──、笑ろてまうよな~!
ヒメコのツッコミを誘うボケが一流だから、ツッコミながら勉強ができるテキストをボッスンとスイッチで作るのは どうだろう。でも、そんな時間は ないか。
ダンテ(伊達 聖士)は すでに「JardiN」(ジャルダン)のボーカルとして人気を得ています。
だから、専門学校へ通うよりも、プロのオーディションを受けたほうが近道のような気がする。
恋した女性を口説く前に、わざわざスケット団に助けを求めるダンテだから、「何事も段取りが肝心」というしっかり屋さんかもしれません。
今回だって、自分の作詞に行き詰まりを感じて素人のボッスンに頼んでいます。そこから新境地を切り開いたから、努力と才能で成長を続けるでしょう。
ボッスンのように有能な通訳者が専門学校にいるか どうかが問題です。しかしダンテも、切羽詰まったら ごく普通に常識的な会話ができそうですけどね。
意外と世渡り上手に成長すると見た!
第 272 話 「恨み晴らさでおくべき会」
この時期に来て、いきなり小柳 知久という人物を出して疑問です。なぜ こんなイヤミ新キャラを出したのか。
それほどイヤな人物が ほかにいないからでしょう。
小田倉は悪口が目立つけれど、たいていなオタクな趣味に対してだけです。他人の成績にケチを付けるような人間ではない。
それでも、実名でも存在しそうな名前は避けるべきでしたね。同姓同名の男子が いるだろうなぁ。
結城 澪呼を取り上げてくれて うれしい!
各キャラの進路を探っていく流れのなかで、自分が好きな結城は、地味だからスルーされるかと思った。スイッチとの関わりが深いから出したのでしょうね。
澪呼の「科学が 嫌いな訳じゃない
」理由は、スイッチとの交流で科学への興味が深まったからかも。進む大学は違うけれど、これからも 2 人の微妙な関係は続いていきそうです。
──とか言いながらも、大学という新しい環境で新しい出会いも多いから、きっと澪呼の良さに気がつく人も何人か現われるはず。そのあたりの微妙な変化も描いて欲しい!
ヘッドホン
から語られる怪談や、振り向くと お化け澪呼がいる! という状況は、想像するだけで恐ろしい!
しかし、それ以前に、小柳の心理が怖かった。「ヘッドホンを つけて座れ
」という展開が見え見えの指示書きに従わざるを得ない。そこまで強迫観念に押しつぶされる恐怖とは……!
幽霊よりも呪いよりも、やはり人間が一番 怖い。
メイク・アップでキレイになる澪呼は久しぶりです。
ライバル
と認めて多少なりとも好意を持ち尊敬している
澪呼にメイク・アップしてもらい、撮影した写真を加工する時のスイッチの心境が気になる!
『SKET DANCE(スケット・ダンス)』 第 5 巻 感想・1 | 亜細亜ノ蛾
第 273 話 「クラスルーム・ウェディング」
チュウさん(中馬 鉄治)の結婚式を祝うマジメな話ながら、小ネタが楽しかった。
「D・O・S
」と書いて「だんな・およめ・サンバ
」とか(古ッ)、「キュン
」と赤面するボッスン・ヤバ沢・ダンテとか、「腕の組み方 逆だぞ
」とか。
ロマン(早乙女 浪漫)が「撮影用の顔」・デージー(浅雛 菊乃)が「撮影用のポーズ」を作っていたり(そして 2 人は「完全に入っている」よね!)、ミモリン(丹生 美森)がチュウさんとカブっているところもツボでした!
「素直じゃない中馬」な話のようでいて、じつは違う。
「学校が嫌いだ
」という気持ちも正直だし、「喜ばねえ訳 ねえだろっっ!!
」も真実です。泣くほど喜んでもらえて、生徒たちも幸せでしょうね。
ヒメコのスピーチも良かった!
生徒から「こんな先生になりたい
」と言われることこそ、教師にとって一番うれしいはずです!
ヒメコは自分の話ばかりしているけれど、それだけに裏表のない純粋な気持ちが聞ける。世間体を気にして飾り立てた お世辞ばかりのスピーチよりも、ヒメコの言葉は何十倍も心に しみました!
さりげなく校長(唐松 源三郎)も参加しています。
普通だったら校内で挙式すること自体を許さないのに、ちゃんと正装して祝福する校長なんて いませんよ!
できればずっと、開盟学園の校長先生でいて欲しいですね。本当に……(意味深)。
ボッスンらしい「空気 読めよ!!
」なオチでした。
これもすべてはチュウさんとレミおねえさんのためを思っての行動だけに、余計に物悲しい……。本人はいたって楽しそうだから、まぁ良いか。
第 274 話 「生徒会室ケーキバラバラ事件」
恒例の「生徒会が やらかしたシリーズ」です!
前会長の安形 惣司郎がいたころから、生徒会は問題ばかり起こしている。
「生徒からの依頼を受けて問題を解決する」役は基本的にスケット団が請け負っているから、ますます生徒会はトラブル・メーカと化しています。
以前の椿 佐介は理不尽な暴力に訴えていたから、余計にヒドかった。今では平和的なトラブルばかりだから、まだ良いほうかな。
「食べちゃった
」の絵が最高だッ!
女性陣は悪く思っている感じなのに、男性陣はムダにイケメンな表情で決まっている。しかも、なぜか全員がカメラ目線です。
「校長を見送っている図」なのでしょうが、それにしては座っていたはずなんですよね。
デージーは いまだにヘンテコな あいさつです。
美少女が無表情で素っ頓狂な発言をするなんて──、じつにイイネ!
そういえば、生徒会の女子は 3 人とも「いつも表情が同じ」だと気がつきました(いまごろ!?)。むしろデージーが「表情豊か」に見える。
キリ(加藤 希里)の自信満々な態度が崩れていく様子が楽しかった。
まるで、生徒会の みんなからイジメられているような構図です。イジられ役が似合うイケメンなんて美味しすぎる!
「誰だ前髪扱い したヤツは!
」という椿の叫びも地味に おもしろかった!
しかも、すぐ隣に犯人のミモリンが います。数ページ前には自信を持って持論を展開していただけに、マジメな彼女は傷ついていたのでは……。