『SKET DANCE(スケット・ダンス)』 第 31 巻 「Inherit the Twin Stars」
ついに彼女が自分の気持ちに向き合います!
読者だけではなく登場人物の 99.98%(残りは某・生徒会長)が知り抜いている恋心なのに、本人と相手だけが気づいていない。
──それこそ、純粋な恋心です!
はたして、向き合った末の結果は──。
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Reviewer: あじもす @asiamoth,
第 275 話 「脱スケット団」
「3 人組の紅一点で なまりがある
」ヒロインは、たしかに完全にカブってあるアル! オイィィィィィ!!!!
──ということで、『SKET DANCE』自体が『銀魂』とカブっているというメタなセルフ・ツッコミなのかと思いました(棒)。
(ご存じの通り、空知英秋先生と篠原健太先生は師弟関係にあるため、定期的に このネタを書いている)
昨日の前半で生徒会の女子は 3 人とも「いつも表情が同じ」
と書きました。
ポケット団もスマイル(坂須 英里)の表情が変わらず、シルク(我妻 絹衣)は無表情か怒っている。
スイッチを始めとして、表情の変わらない人物が異常に多い。おまけに部室内で ほぼ完結する話ばかりです。
それなのに──おもしろいのは なぜだろう?
たとえば、セリフ(文字)ばかりだからと言って小説にしてみても、『スケダン』の おもしろさを完全には表現できないはず。ちゃんと「マンガとして楽しい」作品です。
これがデビュー作とは──末恐ろしい……!
『SKET DANCE(スケット・ダンス)』 第 31 巻 感想・1 | 亜細亜ノ蛾
タクト(八木 卓人)が初登場のころは、ナマイキな印象ばかりで、ボッスンと似ているとは思わなかった。
それが今では、普段からボッスンを意識した着こなしをしている。「そっち系」に目ざとい女子から、あらぬ噂がながれていそう!
「藤崎の弟分で反発してきて小憎たらしい」といえば椿ですが、タクトとは似ても似つかない点も興味深い。
「ばりよかもんが できよったばい
」のシルクが異様に かわいかった!
よくある「^^」の笑い目と半円口の笑い顔なのに、方言が加わると純真さが加速するッ!
「よかよか よぉ似おうとるばい!
」の場面では、シルクにしては珍しく赤面までして喜んでいます。この「身内いじり」で はしゃぐところも、ヒメコを受け継いでいますね!
ポケット団は ちゃんとした実力があるのに、スケット団を意識するあまり依頼人の気持ちを考えず、失敗してしまった。
『美味しんぼ』の「海原 雄山を意識しすぎる山岡 士郎」という構図に似ています。
「父親に立ち向かう息子」は、エディプスコンプレックスを元にして数え切れないほど物語が作られていますね。(旧アニメ版の)『エヴァンゲリオン』も同様です。
『スケダン
』における母親役は、ヒメコとシルクですね。見事に 2 人ともオカンだ!
この巻の最大のミステリィは、「タクトがスケット T シャツを着ていた」という話題です!
あの不必要なことは絶対に言わない無口な八木ちゃんが、わざわざ弟の服装についてボッスンに語る状況とは──!?
いったいナニをした事後の何ロー・トークやねん! お互いに天井を見つめ合いながら同じ布団の中で手を握りながら語るような親密さでもなければ、そんなピン・ポイントな話題なんて出ませんよね!
ということで正解は、第 269 話 「自転車一人旅密着ドキュメント」の後日談でライアンも乱入して交流しながら語り合った──です!(?)
『SKET DANCE(スケット・ダンス)』 第 30 巻 感想・2 | 亜細亜ノ蛾
第 276 話 「大人はつらいよ」
恒例の「チュウさんの薬で変身シリーズ」です!
今回は不慮の事故(?)とはいえ、「高校生に人体実験する教師」が定番の話って どないやねん!
オトナになっても、スイッチは しゃべらなかった。
おそらく「人生経験がないままに肉体的・精神的に成長した」からでしょう。未来のスイッチは同じ結果にはならない──はず。
世の中には「看取り専」という高度な生き方がある。
ボッスンの最後の時には、本当にヒメコが手を取って寄り添っていそうです。直後に来る次回の話がニクい!
子どもに戻ったボッスンにも会っているし、ヒメコは藤崎の一生を目撃したに等しいです。「疑似・幼なじみ」体験が うらやましいぞ!
ヒメコとモモカ(吉備津 百香)が子どもやオトナに変わったのは、懐かしい第 5 巻の できごとでした。
あのときは「カワイイ」「キレイ」で終わったから良かったけれど── 2 人の 30 年後は、どんな感じだろう……。元ヤンだから、やっぱりヒョウ柄が好きなんだろうな。
『SKET DANCE(スケット・ダンス)』 第 5 巻 感想・1 | 亜細亜ノ蛾
第 277 話 「秘め恋」
扉絵のヒメコは、謎のメガネっ娘です。
教師になるため「勉強をいっぱいする」イメージかな?
それとも、フード付きの服装にメガネなので、「ボッスン + スイッチ」を表わしているのかもしれません。はなればなれ
になる前に三位一体(意味深)に なったのか。
当然のように みんながヒメコの恋心に気づいている。
そのなかで、兄よりもボーっとしている椿だけが「何の話だ?
」と分からない。この見落としそうなボケが楽しかった。
サーヤ(安形 紗綾)は、ヒメコとボッスンの仲を目の当たりにして失恋しています。
そのことをヒメコは知らない──という点が切ない。
よく考えると、「ウチがボッスン好きって知ってた?」と恋のライバルからサーヤは聞かれたわけで──、よく修羅場にならなかったなぁ……。
スイッチの「最初っから
」とは いつごろの話だろう?
連載の第 1 話よりも前──笛吹の過去編である「スイッチ・オン」で 3 人は出会いました。
そして、ボッスンとヒメコの 2 人きりでスケット団を立ち上げる前に、ヒメコはボッスンに感謝の気持ちを持っている。それが淡い恋心に変わるまで、それほど時間はかからなかったはずです。
たぶん、スイッチがスケット団の 3 人目になった時には、もう恋と呼んでも良いくらいの感情がヒメコのなかに芽生えていた。スイッチは すでに見抜いていたのでしょう。
『SKET DANCE(スケット・ダンス)』 第 27 巻 感想・2 | 亜細亜ノ蛾
普通の男だったら、「紙飛行機を投げて決めた」なんて分かりやすいウソで、同じ大学へ行くための照れ隠しに決まっている。そこはボッスンだから、まったく本当の話で、しかもヒメコに目撃されています。格好悪い!
お互いの両親や友だちから見たら、「好きな者同士で同じ進路を選んだ」と絶対に思うでしょうね!
スイッチや まわりがニヤニヤ
するような大学の 4 年間(+ アルファ)は目前です!
第 278 話 「Inherit the Twins Stars 前編」
ボッスンと椿が「お父さん役」をしていて笑えます。
2 人とも、まだまだ お子ちゃまなくせに!
でも、見習われるべき 2 人が頼りないからこそ、まわりの人間が助けてくれます。その ありがたさを宇佐見 羽仁と加藤 希里・タクトたちも ちゃんと見ているでしょうね。
一方、前回では結論を 4 年後に引き延ばしたはずなのに、ちゃっかりヒメコが「お母さん(オカン)役」──つまりは奥さまになりきっている!
ずっと「嫁ぐコント
」を続けたまま、いつの間にか結婚しそうなコンビですね!
激怒した宇佐見がキュートすぎます!
「ハニー」ではなく、宇佐見本人のまま感情を爆発させました。これは初めてのこと でしょう。
さんざん無視してツンツンしていたのに「仲良くなろう ともしないで 何よ!!
」もキツいけれど、宇佐見の性格を考えれば仕方がありません。
ちゃんと言葉で教えてくれて良かった!
コミュニケーションとは、お互いに小さく傷つけ合う行為です。今回だけを見れば最悪の結果ながら、ぶつかり合ったほうが仲良くなれる。
ところで宇佐見は、デージーが持っている Marronnier Mania ぬいぐるみの首をつかんで引きちぎりそうでした。もしも誤って壊していたら、デージーからタップリと お仕置きされそう(期待に満ちた目で)。
──いや、よく見たら「右手は添えるだけ」で けっこう優しく持っていますね。このあたりは さすがに女の子です。
いろいろセリフを改変したくなるコマですね!
第 279 話 「Inherit the Twins Stars 後編」
宇佐見がキリに話しかける場面は宇宙最強でした!
萌えマニア(萌えピッグ)は、すぐに「宇佐見がデレた!」と言うでしょう(そしてフ女子は「私に おしりを向けてキリくんが謝ってる!」と喜ぶ)。
そうではなくて、自分を変えようと必死に努力している態度だから良いのです。初めて空に羽ばたこうと懸命に もがく小鳥のような輝きを感じる。
──などと書きつつ、日常生活では見られない・見せてはいけない行為の最中みたいな表情で最高だったよな!(台無し)
「通りすがりの女子に触れてもらった
」のポーズもプリティすぎィ! リボンを直しているわけですが──、完全に事後。
意気投合して宇佐見に触れるとハニー化するなんて、何という用意周到で便利なハニー・トラップなのでしょうか!(ドヤ顔で)
男が触れるとビッ──クリするくらいの痴──体を繰り広げる体質は、もう「そういう方向性」しか考えられない! まるっきり『To LOVEる』な特性です。
ところが、チェリー(佐倉 実)の登場で ようやくゲスなネタが解禁になってから久しいのに、まだハニーの本領を発揮していません。
もしかして、本編の終了後は『SKET DANCE ダークネス』が「ジャンプスクエア」あたりで新連載を始めるのでは!? ボッスン×ヒメコの大学生カップルと、キリ×宇佐見の高校生カップルを描くとか!?
おわりに
宇佐見のことばかり書いているような気がする。
さて、穏やかに引き継ぎが終わり、作品自体も なごやかな大団円に向かう──と思いきや、なぜか宇宙人新理事長の就任で不安しかない! どうなるんだ、これ……?