『HUNTER×HUNTER』 No.349 「蠱毒」
ホイコーロ王子たちの姿が明かされました。
「14 人 14 色」といった感じで、きょうだいたちは似ているようで似ていない。ツェリードニヒのほかにも、「いい趣味」をした王子が何人か いるのでしょうかね。
ベンジャミンは「王子様」という印象は薄い。
彼以外にも、「王子」には思えないような人物が多かった。血の つながった者同士で王位を争うような、そんな過酷な運命は似合わなそうです。
それでも──戦いは避けられないのか。
王子の収集物
10 個の「緋の眼」の中央に注目しましょう。
生首らしきシルエットが見えます。これはクラピカの親友・パイロに違いない!
かつてネオン・ノストラードが希望した「頭部とセットがベスト
」(『HUNTER×HUNTER (8)』)をこんな形で目にするとは思わなかった……。
(もしも万が一、あの試験で緋の眼と首を持ってくる猛者がいたら、クラピカは どうしただろうか)
確実に緋の眼を取り戻すため、クラピカは王子とは冷静に交渉するつもりでした。
しかし、パイロ(じゃなくてもクルタ族)の首を見たら、かつてないほどの怒りに我を忘れるでしょう。──そのことでクラピカが致命的なスキを見せそうで恐い。
皮肉が好きな作者のことだから、客観的に見れば「パイロ(の首)のせいでクラピカが負けた」という構図を描きそうな気がする……。
「刺青を入れる程度なんてワタ菓子レベルの甘さ
」
──と前回の感想で書いたけど、甘いのは自分でした!
HUNTER×HUNTER #348 「覚悟」 十四の大罪 | 亜細亜ノ蛾
額縁に入れて飾るくらいだから、よっぽど王子が気に入った女性でしょう。よっぽど知的だったのかな。
また、「生きたまま皮を剥いだのか」とか、それ以前に「まだ この女性は生きているのか」も気になるところです。──気になるほうが おかしい?
王の器
ナスビー・ホイコーロは、名前が見た目どおりですね!
しかし、その本性は、見かけからは想像が できない。「守護霊獣」の姿から、内に秘めた狂気が現われています。
自分の子どもたちを「蠱毒」のように競わせることからも、初代の王から代々伝わる「王国の呪い」のようなモノを感じました。
子孫繁栄のために殺し合う。──理解しがたい考えです。強い者だけに王位を継がせることで、王国を栄えさせる願いでしょう。
血を分けた王子の命よりも、国のほうが重い。
ちなみに、茄子は英語で「eggplant
」です。「卵 + 植物」ということで、壺中卵とも引っかけてある のかな?
壺と少女
「壺中卵の儀」の場面が謎めいています。
ツェリードニヒには、壺から出現した娘(念獣・霊獣の一種?)が見えなかった。単純に考えれば、「ツェリードニヒは念能力を使えない」と考えられます。
しかし、ホイコーロ国王の発言に よると、霊獣は本人に認識できないらしい。さらには、自分の意志で動かす事は出来ない
。
このことから、アベンガネが出した念獣とは概念が異なるようです。本当に「守護霊」のような存在なのでしょう。壺から出現した少女も同じような概念だとすると、念能力者でも見えない可能性が高い。
自分は、ツェリードニヒは すでに念能力を使えると見ています。
とくに根拠はないけれど、強いて言えば、実の兄であるベンジャミンに対する自信ですね。あきらからに肉弾戦では勝ち目が ないのに、あの余裕は どこから出てくるのか。そこから、強力な念能力の使い手だと見ました。
壺の少女が可愛い!
足の細さが「纏足(てんそく)」を思わせるほど細かったり、髪型や服装も中国娘みたいです。表情や仕草が愛らしく、「ゲームのナビゲーション役」といった感じ。
おそらく二度と出てこないようなキャラでも、魅力的に描くところがニクいですね。
閲覧注意!: 纏足 – Wikipedia
命あっての
王位継承戦に参加するのは何人なのか。
最後の場面だかえを見ると、14 人の王子のうち 6 人に思えます。しかし、嫉妬深いタイソン(女性だったのか!?)のように、自分が信頼する護衛だけで周りを固める王子も多いでしょう。
また、第 10~14 の王子──というか子どもたちは、どう見ても戦いには向いていません。彼らは参加しない、と見るのが普通です。本当に そうでしょうか?
これは「生き残りを賭けた戦い」では ありません。
生き残った 唯一名が 正式な 王位継承者となる
ルールです。つまり、王子自身が戦わなくても、優秀なボディ・ガードや霊獣に身を守らせれば良い。
王子は望まなくても、欲深い母親がムリに参加させる──という場合も あるでしょう。どちらにせよ、船の中は地獄絵図に なるな……。
スパイの計画
ビヨンド・ネテロは密偵のことを知らなかった。
──と単純に信じられません。どうも、クラピカが言っていた「記憶を操作する念能力者」の存在が気に なります。
たとえば、新大陸(仮)や暗黒大陸でビヨンドが仲間と接触したときに、なにかの合図で記憶が戻る仕掛けなのかも しれません。
つまりは、「計画通り」
攻撃の範囲
サイユウの念獣(サル)が興味深かった。
3 匹の念獣の能力は、それぞれ「視覚・聴覚・言語を 奪える
」です。とくにイワザルの攻撃は、「しゃべれなくなる」では ない。
もしかして、イワザルは「言語での思考を封じる」のでは? つまりは「動物並みの知能に なる」のか!?
十二支んでは、カンザイしか対抗できない……!
- サイユウ
- 「
ミザル・キカザル・イワザルって言や 馬鹿でも大体 わかるだろ
」 - カンザイ
- 「(ミザ──? 『ミザリー』なら観たけど……)」
おわりに
そう言えば、クラピカはノストラード組の若頭でした。
今回のリンセンのような(と言うかパイロのような!?)組員から連絡を受けています(若頭が組を放っておいて良いのか、とも思う)。
てっきりクラピカは組から抜けたと思い、「ネオンはクラピカに暗殺された可能性も ある
」なんて以前に書いたけれど、それは あり得ないですね。──たぶん。