暗殺教室 第 132 話 「殺し技の時間」 触手を矯めて兎を殺す

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暗殺教室』 第 132 話 「殺し技の時間」

Scherfig på Arken
とらわれのウサギに──忍び寄る影

雪村あかり殺せんせーを倒せるのか?
先生と生徒との悲しい戦いが続いています。どちらが勝っても負けてもスッキリとは終わらない。それとも、殺せんせーには隠されたワザが残っているのか……。

決着は思わぬ展開でした。
なんと、ここに来て潮田 渚の「必殺技」が飛び出します! 先生から直伝のワザでトドメを刺すという主人公らしい王道の決まり手でした。
熱心な読者なら見ているはずの そのワザとは──?

聞こえぬ本心

あかり叫び声は、恐ろしくも物悲しい。
前回の終わりに聞こえた「たすけて」という言葉は、「茅野カエデ」の心の声でしか ありません。ほかの者には「死んで」と叫んでいる姿しか見えない。
そこまでして殺せんせーに早く倒れて欲しい理由は、ただただ憎いから──でしょうか。むしろ、この戦いと触手から逃げたい一心にも見える。


そもそも、触手そのものに意思があるのだろうか。
──殺意しか持っていないのでしょう。「宿主」にした あかりの生死など考えていない。たった一回の戦闘で持ち主を消耗し尽くしてしまう。
生物兵器として開発されたと思いますが、あまりにも効率が悪い。対・殺せんせー戦にしか使えませんね。実際に戦争に投入されることは ないでしょう。──いまのところは……。
(捕まえた敵に触手を埋め込んで仲間の所へ帰らせるなど、いくらでも悪用を思いつくが、本サイトの品格に関わるので以下略)(品格?)

ひらめきの種

さて、潮田 渚教わった 殺し技とは何だったのか?
自分も渚のように必死になって過去を振り返りました。しかし、思いついたのは「スイーツで注意を引く……とか?」という貧弱な考えだけです。この場で すぐに用意できない時点で終わっている。

ところが、丸わかりのヒントが描かれていました。
イリーナ・イェラビッチと烏間が並んでいます。その 2 人を見て、渚は必殺技を思い出した。
しかも、「烏間の くちびる」に視点を移したときに ひらめいたような感じです。つまり、「ビッチ先生と烏間先生は──」と渚は思ったに違いない!

ヘビとウサギのラブゲーム

主人公とヒロインのラブ・シーン」が描かれました!
──そのはず なのに、潮田の背後には毒々しいヘビのイメージが浮かんでいる。一方、おそらく地球上で もっとも強くなってしまった人間である あかりは、かわいらしいウサギ扱いです。
なにしろ あかりは、バーj ──しょj ──少女そのものの純粋さですからね!


渚の独白が格好良かった!
言わせないよ 茅野 全部演技 だったなんて」というセリフは、過去最大級に男らしい! まさしく「キスで口を塞ぐ黙らせ方」で、しかも目を開いたままとはハンサムすぎる!
ツンデレな さくら姐さんをホレさせた「ナチュラル・ボーン・女キラー」な潮田らしい行動力でした。「今なら 抜ける!!」という殺せんせーのセリフも「(意味深)」に聞こえる!

「壁ドン」とか「顎クイ」「袖クル」──とジャリ(ガキ・子ども)くさい新語が乱立する現代でも、キス先輩は「オレが一番だろ?」「……アッハイ」と余裕です(?)。
渚が実践した「後頭部を持って逃がさない」ヤリ方にも名前を付けたいですね。「右手は添えるだけ」とか。


あと、なぜ「15 HIT Critical」にもなるコンボ(連続攻撃)なのか、すっかり忘れていました。
なるほど、ビッチ先生の必殺技はナカでの「動き」が重要だったのか──と あとから思い出す。中学生に授業で教えるってレベルじゃねーぞ!
(とは言え、それくらいの年齢から「ヤリ方」をキッチリと教えるほうが、今後の少子高齢化社会のためだと思う)

届くと また遠くなる

別の課題も持ち上がりました。
殺せんせーの最大の急所は、ネクタイの下に 位置する心臓です。この弱点さえ突けば勝てる──と思われていました。
それなのに、「ズドンッ」とハデな音を立てて あかりに心臓を貫かれた上で、炎の触手に焼かれている。あかりが気を抜いていなければ、そのまま引き抜くこともできそう。

それだけの重傷を負わせた というのに──。
殺せんせーは正気を保ったままでした。あかりを拘束して、渚の行動を見守ることまで できている。
つまりは、同じように E 組の生徒たちが殺せんせーの心臓を攻撃しても、それだけでは先生を倒したことにならない。さらなる追加の攻撃が必要です。

使命より命が重い

殺せんせーを倒す機会は今回でも ありました。
あかりの触手が貫いている間に、別の誰かが攻撃すれば勝てたはずです。洞察力と責任感の強い烏間 惟臣は、そのことを強く意識していたでしょう。
しかし、実際に動けたのは渚だけでした。なぜなら、あの状況で殺せんせーを倒してしまったら、だれも「茅野」から触手を救えないからです。
──「それでも構わない」と考える殺し屋が近くにいなくて良かった。たぶん、そんな状況も想定した殺せんせーが、事前に周囲を偵察していたと思う。

おわりに

赤羽カルマ中村 莉桜シンクロ撮影にワロタ。
この 2 人は、「男版リオ」「女版カルマ」と呼びたくなるくらい似ています。ただし、渚をからかう時くらいだけれど。
つねに潮田が「やらかす」瞬間を狙っている 2 人だから、今回のようなシャッタ・チャンスにも瞬時に反応しています。下手をすれば同級生が 2 人と先生も命を落とす危機なのに……!


ちなみに、渚がキスされた回は第 8 話でした。
イリーナから 30HITコンボを食らった その回の感想で、なんと「"茅野 カエデ"という本名(?)」「暗殺に参加していない」と自分は疑問を抱いています!
そう、ワタクシは その時点でカエデの正体に気がついていたのだッ!(?) カエデのことを「殺せんせーの身内?」とも書いていて、ある意味では近い所を突いている。
──もっとも、一番の疑問に思っていたことは、「潮田 渚の性別」だけれど。

暗殺教室 第 8 話 「胸の時間」 色とナイフは使いよう | 亜細亜ノ蛾


題名は「角を矯めて牛を殺す」から借りました。
暴れる「ウサギ」を矯める(矯正する)方法が、最大の見せ場に なっています。連載の始めから ずっとニヤニヤ見守ってきた渚とカエデが、こんな形で接近したことは、良かったのか悪かったのか……。
カエデも あかりも(たぶん)「ツンデレ」ではないので、「せっ 責任とってよね! ////」みたいな展開──には ならなさそうです。渚に とっては望ましいけれど、カルマ・莉桜コンビが一生このネタを引っ張っていくでしょう!