『ターミネーター:新起動/ジェニシス』 ("Terminator Genisys")
初代『ターミネーター』と『2』のファンは必見ですよ!
両作品のオマージュが ふんだんに盛り込まれています! なにしろ制作には 1・2 の監督であるジェームズ・キャメロンも関わっている!
『3』の要素は少しだけでした(「磁気」くらい?)。それでは、『4』は「無かったこと」に されたのか? ──と思いきや、誰もが(自分も)忘れていた うれしいサプライズが ありました。
「若き日のシュワちゃん」が(無表情で)暴れ回る!
監督はアラン・テイラーです。
テレビ・シリーズの『ゲーム・オブ・スローンズ』や映画『マイティ・ソー/ダーク・ワールド』を手がけました。
『ターミネーター』シリーズ 3 部作を新しく立ち上げてくれた監督に感謝します! ──そう、スタッフ・ロールに挿入される映像で分かるとおり、続編が予定されていますよ!
最後まで お見逃しなく!(席を立つ人が多かった)
信頼と実績のシュワ
なんと言っても T-800 が主役のシリーズです!
アーノルド・シュワルツェネッガーが出演しているからこその『ターミネーター』だと強く感じました。なんと、合計 3-4 種類のシュワルツェネッガーが出てきます!
役名は「守護者」(ガーディアン)と なっています。
しかし、作中では こんな呼ばれ方はしていません(よね?)。ずっと「おじさん」と呼ばれています。
そう、1 作目は敵として出現し、2 作目以降では息子(ジョン)を T-800 は守ってきました。それが ついに、直接サラを守る立場に なっている! ほとんど「お父さん」といった親しまれ方でした。
そのことを強く感じたのはカイルとの会話です。T-800 は、まさしく「わが娘に ふさわしい男かを試す」ような振る舞いをしている! 銃器の「弾の込め合い」という意味深な作業の時も、年甲斐もなく意地の張り合いをしていました。
そのわりには、二言目には「合体」なんだよなぁ……。
T-800 は、自分のことを「ポンコツ」とは認めません。
老朽化で きしむ腕をごまかしながら、かたくなにサラを守ろうとする。その姿は、ファンの期待に応えようとするアーノルドに重なって見えたり……。
そんな彼が、またもや溶鉱炉に沈んでいく!?
濃硫酸炸裂ガール
ツンデレ気味なサラ・コナーが良かった!
「気が強くて勝ち気、でも純情」という海の向こうの「おまいら」が好きそうな性格です! それも そのはずで、エミリア・クラークは、「世界で最も理想的な女性」第1位
に選ばれている!
──そんな彼女だからこそ、終始「80 年代のセンス」で止まったままのメイクと衣装は残念でした。途中で「近未来の世界に合わせて模様替えする」場面が あっても良かったのに(次回作での お楽しみ?)。
地味な親子ゲンカ
主役の 2 人に押されて、親子の影は薄かった。
カイル・リース(ジェイ・コートニー)とジョン・コナー(ジェイソン・クラーク)は、『ターミネーター』シリーズで最重要な人物です。とくにジョンは、今までならサラよりも優先して狙われる存在でした。
ところが、ジョンは「ある変化」によって、スカイネットからは永久に身を守れるように なります。──そこまでのシナリオは見事でした! ただ、どうも今回のジョン自体に魅力を感じません。
カイルも同様で、サラとの関係が『1』と大きく変わったところは面白い。それなのに、どうもカイルが「置いてきぼりを食った子ども」みたいに見えてしまう。ずっと ふてくされているように感じました。
かつてのスター、散る
T-1000は イ・ビョンホンが演じています。
「え!? 『2』での宿敵を韓流スターが演じているの!?」──と話題になっても不思議では ないのに、あまり そういった声は聞きません。劇場でも みんな普通に見ていました。
そうか、韓流ブームは完全に去っていたのだ……。
おわりに
しっかりと『ターミネーター』していて楽しかった!
最後にアレが「アイル・ビー・バック」状態で、いかにも B 級ノリな所も良い。次回作への期待も ふくらむ一方です。それまでに、過去作を何度も観直しておきたい。見逃している小ネタも たくさん有りそうですね!