『HUNTER×HUNTER』 #381 「捕食」 感想

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HUNTER×HUNTER』No.381「捕食」

たった半年で連載が再開しました!
おまけに雑なポップなカラー・イラストの扉絵から始まります。
もはや主人公なのか怪しいゴン、本当にお前はどこなんだキルア、一瞬アンタが新会長だったっけと勘違いしたリオレオもといレオリオ、と華々しい面々に再会できました(ヒドい悪口を言っていないか?)。

それでは──と本編に期待すると、こちらは地味な感じです。
扉絵で三人が同窓会を開いている(?)ので当然のように期待していると──、なんとクラピカは欠席でした。
その代わりにクラピカの女房役・センリツが活躍しています(将来は「役」が外れそう?)。──いや、正確には「今後の活躍を期待させる回」でした。つまりは、まだ何も始まっていない──。

どう考えても、あと二・三話で血なまぐさい争いが再始動する。
──そんな予感を臭わせる回でした。

戦意なき者は去れ

二・三話どころか、次回にもサレサレは退場しそうです。
というか、第8王子のサレサレと第6王子のタイソンは、いまだに生き残っていることが不思議に感じる。そういえば「〈守護霊獣〉の能力が自分自身への好感度と関わっている」という点でこの二人は似ている。

まあ、サレサレとタイソンは、他の王子から脅威と思われていないでしょう。
実際、サレサレの守護霊獣の能力は、好感度が高い人物にすら8時間もかかる。タイソンの場合は、〈タイソン教典〉の熟読が必要です(拷問かな?)。
この情報を知る人間は少ない。──が、この二人の人となりを知る者なら「放置して可」と見るでしょう。

アッサリと捕食

それでも、サレサレの霊獣がリハンの〈異邦人プレデター〉に捕食された場面は驚きました。
特別な概念と思われた守護霊獣だから、通常の念能力が効かないのでは──と思ったのに。これで「〈守護霊獣〉は念能力の一種」という裏付けがいっそう強くなりました。

──と見せかけて!
食われたように見えた守護霊獣が、じつはプレデターを内部から侵食していく──。そんな「『幽☆遊☆白書』で見た」な展開も、ベタながら期待しています。

希望的解釈(の拒否)

司法機関に所属しているメガネ男(名前は?)とセンリツとのやり取りが面白かった。
一見すると「紳士的な態度で近づいてきた男と、下心を察してあしらう女」という感じです。センリツの元の姿は分かりませんが、案外、先の状況に慣れていたりして。

しかし、センリツの冷酷な判断で緊張感が高まりました。
操作系〉の念能力者に操られている可能性を考えると、ますます誰も信頼できません。ハンター協会員・キーニの協力も得られず、センリツは孤立する──。

脱出の鍵

フウゲツカチョウの脱出には、フウゲツの能力・〈魔法の抜け道マジック ワーム〉が必須でしょう。
ただ、ちょっと気になったのは、〈帰りの扉〉の能力をフウゲツは完全に把握しているのか、という点です。
今回の脱出劇が失敗した原因は、フウゲツでは〈帰りの扉〉が開けられなかったから、に違いない。そこから「帰りの扉は カーちんでないと 開けられない」と推測したのでしょう。つまり、完全に確証が有るわけではない。
ひょっとすると、「ちゃんと扉を 閉めれば帰りの扉から また別の場所へ行ける」とはフウゲツ・カチョウ姉妹の思い出だけかもしれません。守護霊獣の能力とは無関係だったら──脱出計画に支障が出ます。

それでも、「任意の場所へ移動できる」だけでも可能性は広がるでしょう。あとはセンリツたちの仕事です。どちらにせよ、センリツの重荷が増え続けるな……。

おわりに

「大量のグラスに手をかざしているフウゲツ」にも注目です。
どのグラスにも液体が入っているように見える。──これは〈水見式〉では? そうだとすると、フウゲツは元から念能力を知っていたことになります。そんな描写は一切なかったし、何とも不可思議な場面です。

しかし、この場面の直前では「残り時間全部 演奏の練習 します」というセリフがある。
発言者は不明ですが、フウゲツの母親である第6王妃・セイコでしょう。そして、次の場面でセイコはカチョウの部屋でフウゲツの演奏を聴いている──。どうもこの場面同士のつながりが分かりにくい。

──と悩んでいたら、第377話でカチョウもグラスを並べていました。
これは、カチョウもフウゲツも「グラス・ハープ」の練習をしているだけでしたね! 恥ずかしい勘違いをしてしまいました。

──と見せかけて!(二度目)
フウゲツやカチョウがグラス・ハープをしている最中、偶然にも〈水見式〉の結果が出てしまうのでは? そんな展開も面白い。
ただし、〈水見式〉にはグラスの水に葉っぱ(など)を浮かべる必要があります。そうなるいきさつを想像するのも楽しい。たとえば、念能力者がわざとグラスに葉っぱを落とす、とか──。