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『HUNTER×HUNTER』 #382 「覚醒」 感想

HUNTER×HUNTER』No.382「覚醒」

待望のクラピカ復帰です!
──と書くのは、半分は詐欺でしょう。今回の彼(※)は、いつものように無愛想な表情で棒立ちしているだけでした。〈緋の眼ひのめ〉の力を使わなくても心労で倒れそうです。

※:「クラピカは『彼 OR 彼女』問題」は、このご時世では触れにくくなっています。
──が、今後もこのブログではイジり倒していきます! 本編でクラピカがクロロヒソカをウホッたり、あるいはクラピカが ご懐妊する日まで……!(ようするにやめる気がない)

王の器

ナスビー゠ホイコーロは真の王だった……!
見た目や語尾からは愚鈍さを漂わせていますが、その中身は国と国民の繁栄を願っています。「トロッコ問題」の考え方は、まさに王様ならではでした。

トロッコ問題 – Wikipedia

残すべきは国!! 国民の命に 決まってるホ!!」と王は断言する。──〈キメラ=アント〉に占領されたどこかの国の王様に聞かせたいセリフです。
そもそもナスビーは、本当に国民から指示されている(ように見えた)し、大雑把にいえば「よい国王」です。あまり「悪人」のイメージはありません。

ただ、きょうだい殺しの「王位継承戦」が過酷すぎるだけで──。

王の子は王

ハルケンブルグ王子の能力に圧倒されました。
彼の人となりを見てきた読者からすると、臣下一命の肉体と引き換えに発動する能力には違和感が残るでしょう。
しかし、ハルケンブルグが実の父親の命を奪って革命を目論んだことは事実です。ハルケンブルグ自身が信じる正義のためであれば、いかなる犠牲をもいとわない──!

ハルケンブルグ王子もまた、王の器を持っています。

丸く収まらず

顔が四角いシカクは、〈念能力〉まで角張っている。
遊戯王カルドセプト〉は、「相手の念能力をカード化して手に入れる能力」でしょう。ベンジャミン王子の「奴の能力を 入手せよ!!」というセリフから推測できます。
ただ、男性にとっては致命的な急所(あ、女性もか)を守れていません。ハルケンブルグ以外の能力者にも負けていたのでは? また、複数人の熟練者に囲まれたら終わりでしょう。

一方、ハルケンブルグ王子の能力も無敵ではありません。
あくまでも対個人の戦闘において必勝の能力というだけです(臣下を何人も引き連れて「対個人」……?)。複数人の王子たちが共闘したら、ハルケンブルグの攻略方法が見つかるかもしれません。
強力無比な鎧がどこまでの防御力を持っているかが鍵になりそうです。

当然の末路

サレサレ王子がアッサリと退場しました。
前回から十分に予想できる展開ですが、あまりにもあっけなさ過ぎる。
けっきょく、サレサレの守護霊獣は、リハンの念能力・〈異邦人プレデター〉に捕食されて終わり、でしたね。
〈死後強まる念〉による逆襲──といったどんでん返しもなさそう(もうすぐアニメが始まる『ジョジョの奇妙な冒険』第5部で見た)。

ちょうど最近、下の報道を見ました。
もしかすると、〈虫射球ニードル ボール〉はまるで関係なくて、このイタリア人男性を同じ死因だった──というオチだったりして。 #ない

【かっけえ】6千人の女性と寝たイタリア人男性(63)、23歳女性との性交渉中に逝去 : ユルクヤル、外国人から見た世界

おわりに

ナスビー国王がサラッと重要なことを話しています。
ハルケンブルグの自殺を止めた〈守護霊獣〉を〈念獣〉と呼んでいる。
これで、やはり守護霊獣が念獣だとハッキリしましたね。「王位継承戦編」から新しく生まれた概念かと思われましたが、けっきょくは〈念能力〉の一種だと決着が付きました。

この調子だと〈暗黒大陸〉も〈〉で読み解けそうです。
第3部以降の『ジョジョの奇妙な冒険』が〈スタンド〉に支配されている様子と似ている。ようするに「すべては『超能力』」に集約されていくわけです。

とはいえ、本作品の作者は『幽☆遊☆白書』の生みの親です。
ある時期まで〈妖怪〉を〈霊力〉の高さなどでランク付けしていたのに、とつぜん高校生の〈能力者〉が現れて〈領域〉で妖怪たちを無力化する──。あの展開にシビれました!

HUNTER×HUNTER』でも〈念〉を超える概念が生まれることを期待しています!
(「グリードアイランド編」で「けっきょく全部〈念〉」というカラクリを見て以降、それはないなー、とは思ってるケド)。

asiamoth:
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