『HUNTER×HUNTER』#384「抗争」感想
あらすじで書くと三行で終わる回ですが、それは「嵐の前の静けさ」に過ぎません。
〈二線者〉であるモレナ゠プルードが撒いた闘争の種は、今まさに開花して爆発寸前です! 〈幻影旅団〉とマフィアたちだけではなく、あの王子の怒りもかっている。
船内を血で染める一大戦争が始まりそう……!
戦争の予兆
マフィアたちの態度には、いつも違和感を覚えます。
念能力を使えないヤクザたちは、たとえるなら「カタギの人間」と大差がありません。ようするに、旅団員は「全身鎧を着こんで機関銃で武装」しているのに、マフィアたちは「丸裸で対面」しているような状態です。
まあ、それでも「シロウト」に対してビビっていたらヤクザ屋さんもやっていけないか。
いつもどおりフィンクスもノブナガもケンカっ早い。
シャア゠ア一家の組長補佐・タハオもオウ゠ケンイも幻影旅団のクレイジィさを認めています。
ただ、読者としては、マフィアたちが全面抗争になるのは当然と考えていたはず。自分も「いったい、いつ始まるんだろう……」と待っていたところです。
嗅ぎ慣れた匂い
今日も1004号室は平常運行でした。
当たり前のように死体──というか「肉片と臓物」を処理している。会話の流れからして、この「ほんの少し前まではヒトだったモノ」は、モレナと通じていた執事でしょう。おそらく、拷問のあとに処理されたのだろうな……。
魔が魔を産む
ツェリードニヒの念獣がついに姿を現しました!
神々しい天使にも怪物めいた樹木にも見える。「女性の顔が付いた馬」のような〈守護霊獣〉と比べると、愛嬌があって親しみやすそう?
二体の念獣とツェリ様・テータが並んだ見開きページは、まるで宗教画のようでした。「神と天使と迷える子羊」といったところでしょうか。──実際には、「悪魔2体と魔神と聖なる乙女」ですけれども。
この念獣を見てテータは失神寸前なのでは?
──いや、そんな肝っ玉ではこの「人の皮を被った悪魔」の側近は務まらないか。むしろ、「ただの一般市民」と大差がない他の部下たちが、この場に正気で いられることの方が驚異的といえる。
おそらく、ツェリードニヒは、すでにキメラ=アントの王直属護衛軍くらいのオーラを放っているのでは? ここにノヴさんがいたら、一瞬で全身脱毛して出家してしまい僧(←変換ミスそのままだが、ある意味では合っているので良し)。
近寄る死神
テータの作戦があまりにも見え見えで不安になります……。
〈四大行〉を知っている〈念能力者〉(と読者)であれば、「ツェリードニヒを〈絶〉状態にさせた状態で瞬殺する」とすぐに分かるはず。おそらく、初めて全身の〈絶〉が成功した瞬間を狙う算段でしょう。
ここで障害となるのは、ツェリードニヒの守護霊獣です。
念が扱えない状態でも霊獣は宿主を守るのでは?
〈絶〉状態でも霊獣が暗殺を邪魔するはず
(仮に絶の際に守護霊獣が消えるとしても、そんな不確定な状況をテータが作戦に組み込むだろうか?)
追記: 第385話にて、ごく普通に「絶状態では守護霊獣は姿を消す」ことが確定しました。「守護霊獣 = 念獣」の等式から考えれば当然でしたね。
あとは、どう転んでもテータが退場するのは確実です。
王子を暗殺した罪で投獄される(かその前に消される)か、あるいは返り討ちに遭うか……。
テータとしては、霊獣と差し違えてでも王子を討つつもりでしょう。やはり、どう考えてもテータが生存するルートを見いだせない……。
おわりに
テータが生き残る道を考えていたら、ある人物が思い浮かびました。
『STEINS;GATE』の主人公・オカリンこと岡部 倫太郎だったらテータを救えるのかな……?(65,536回くらいタイムリープが必要そう)