『探偵伯爵と僕』 (His name is Earl)
子どもが語り、子どもが読むべき本です!
本書は講談社の「ミステリーランド」シリーズの 1 冊で、子どもの読者に向けたミステリィ小説ですね。多くの作家が作品を書き下ろしています。
著者の森博嗣先生は、いつも「子どもには一流の物を見せるべきだ」と主張されている。本作品も一級品の切れ味で読者に迫ります。
多くの人が児童書だと思っている『星の王子さま』のことを、「この本に書いてあることは子供には当たり前のことで、つまらない。大人が語り大人が読むべき本でしょう
」(『森博嗣のミステリィ工作室』 p.128)とも書かれていました。
一見ひねくれているようでいて、いわば「子どものように純粋」な作者だから、本作品に描かれている子どもの視点も新鮮に感じます。たぶん、小学生くらいの子が読むと「そうそう!」と何度も うなずくでしょう。
ミステリィ小説だけあって、殺人事件が出てきます。だからといって「子どもみたいに」恐がらずに読んでください。かつて子どもだったあなたと少年少女のための
物語ですからね。
Reviewer: あじもす @asiamoth,